木造賃貸アパートの簡単な壁・床リフォームで効果的な防音対策を実現する方法

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手軽なリフォームでも木造の防音対策は可能

本格的な防音対策をするには、壁の石膏ボードを剥がすなど大掛かりな工事となりコストもかかる。賃貸経営としての費用対効果を考え、今回は、原状回復に併せたリフォームで行える対策について解説しよう。対策可能な代表的部位は、壁と床だ。

木造アパートの戸境壁は、比較的軽微な工事で防音効果を高められる。日曜大工の心得があるオーナーなら自分でDIY作業することでも対応可能だ。一般にローコストな対策として 単価の低い石膏ボードを二重張りするケースがよくある。

しかし、石膏ボード自体は高音と低音に弱点があり、2枚重ねてもその弱 点は解消できない。むしろ、遮音制振ゴムのような違う材料を合わせたほうが、その弱点を補いあって効果が出る。(下記グラフ参照)

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2枚の石膏ボードの間に遮音制振ゴムを挟むと、遮音性能が10dB(デシベル)ほど向上する。わずか10dBでも、人間の耳には音が半減したように聞こえるので、ためしてみる価値は十分あるだろう。

床については、音の種類によっては対策に限界がある。子供が飛び跳ねる「ドスン」「ガタン」のような鈍く重い音は、建物の構造自体を変えないと防音効果が出ない。

一方、スプーンや玩具が落ちる「コン」「カン」のような高く軽い落下音は、床仕上げのリフォームで改善できる。例えば、既存フローリングの上に吸音材と遮音材を組み合わせ、新規のクッションフロア(CF)を敷けば、15mm厚程度で対策が可能だ(下図参照)

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上下階で効果を出すには、天井工事は費用がかさむため、上階床の対策を優先するのが賢明だ。窓の外部騒音対策は、防音サッシは高価なので、内窓を付けて二重サッシにするほうが費用対効果が高い。

施工方法を間違えると防音効果は半減 実績豊富な会社に相談

防音対策する際に注意したいのは施工方法だ。よくある失敗は、いくら性能の高い防音材を使っても、材のつなぎ目に隙間があると防音効果が発揮されないこと。

周波数の波長ピッチが短い高音は、1mm足らずの小さな隙間でも簡単に抜けて遮音欠損が出てしまう。コーキング材で充填しても、遮音性の面では弱い。隙間なくピタリと付けるか、一部を重ねテーピングすることが大切となる。そういう意味では、防音工事の施工実績が豊富で、かつ効果の検証をきちんとしてくれる会社に依頼することが重要だ。

全住戸を対策するとなると費用負担が重く感じる方もいるだろう。まずはクレームが出た部屋から対処し効果検証してみよう。1住戸ずつ飛ばして施工すれば、少ない費用で遮音効果を出すことができる。

防音対策は奥の深い世界だ。間取り変更をして、戸境壁に収納を挟んで音源を遠ざけるなど、多様なアプローチができる。その一方で、音の感じ方は十人十色。住人によって気になる周波数も違うだけに、誰にでも効果的な「完全防音」はあり得ない。入居者のマナー向上、管理会社との連携も大切だ。さまざまな角度から総合的に検討する必要があるだろう。

防音材の例
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遮音ゴム(軟らかいのがポイント)

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アスファルトマット(重く制振性も)

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フェルト材(ボード状の緩衝材)

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ポリエステル材(多孔質の吸音材)

※この記事は木造在来工法に対応する防音対策で、ツーバイフォーなどの木造枠組壁工法では異なる対策が必要です。

※この記事内のデータ、数値などに関しては2017年9月5日時点の情報です。

 

取材・文/木村元紀 イラスト/アサミナオ 監修/防音職人(東京)現場の体験を反映させ、生きた防音設計・対策をモットーに取り組む職人集団

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