飛んできた瓦で破損、一部損壊で賃料減額…自然災害発生時に起こりうるトラブル

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Q4:自己所有アパートが強風等で損壊し、隣家に被害を与えてしまったとき、どう対応すべきですか。

A4:原因の調査、被害者への謝罪の他、保険の確認をするのがよいでしょう

災害直後の初期対応としては、当然、人命の安全確保を最優先とすべきです。事態が落ち着いてから、建物等の損害を最小限に食い止めるための対応を検討します。工作物責任・賃料減額等のリスクを考え、入居者や隣家から被害状況・原因について事情を聴取することが必要です。

その際、法的責任の有無にかかわらず、被害者には誠意をもって対応しましょう。被害発生の原因が明確でない場合、管理会社等に相談し建築の専門家の教えを請うことも一つの手です。

一般に災害による被害の場合、損害額が大きくなる傾向がありますので、早い段階で保険の適用の有無を確認する必要もあります。いずれにしても、被害拡大を止めること、損害の範囲と原因を確定させることがポイントです。

Q5:新築工事中の施工会社から、台風のため工事の完成が大幅に遅れる見込みとの連絡がありました。

A5:遅延による損害は施工会社に賠償を求める余地があります。契約書を確認しましょう。

建物の完成が遅延すると、その期間分賃料が入らず、入居予定者が入居を止めて空室となるおそれもあります。工期までに完成しなかった際の補償を定めた条項があるか、まず契約書を確認しましょう。工事業者に責任がある場合だけ違約金が生じる等の特約が定められている場合があります。

次に、遅延原因の確認が必要です。建築資材の搬送が遅れたり、作業員が現地に行けなかったり、建築途中の建物が天災で損壊して工程が増えた場合は、業者への責任追及が難しいかもしれません。

しかし、元々工事者の怠慢で工期に間に合わなかったのに、天災の発生を利用して遅延が自身の責任ではないかのように言っている可能性もあります。この場合は損害賠償請求の余地があると言えます。

Q6:大規模な災害により建物が滅失した場合に救済してくれる制度はありますか?

A6:特に大規模な災害の被災地に関して,特別な法律の適用があるのでご紹介します。

借地借家特別措置法(被災借地借家法)は、政令で特に指定された大災害において、以下のような特殊な制度を定めています。

<(1)借家人の保護に関する制度>災害で滅失した建物の従前の賃貸人が建物を再築し、賃貸しようとするときは、その旨を従前の借家人に通知することで借家人が戻りやすくなり、コミュニティが維持されます。

<(2)借地人の保護に関する制度>借地人は公示なく6カ月間、掲示により3年間、借地権を対抗することができ、借地人の負担が軽減されます。

<(3)暫定的な土地利用に関する制度>被災地では5年以下で更新のない借地借地権を設定することができ、暫定的な土地利用の需要を満たします。

法務省ホームページにまとめられていますので、ご参照ください。

 

※この記事内のデータ、数値などに関しては2019年12月11日時点の情報です。

イラスト/黒崎 玄