ホームステージングで空室対策!成約率UPの手法を大公開
- 家具レンタル、ホームステージング
本来持っている物件の魅力を最大限に引き出し、第一印象を良くすることで空室対策につなげるのがホームステージング。初心者のオーナーでも無理なく実践できるテクニックを紹介しよう。
日本におけるホームステージングの草分け的存在。横浜市を中心にアパート、テラスハウス、学生寮などを経営・管理する大家。
ホームステージングの考え方とは
ホームステージングは室内に家具や小物、観葉植物などを入れてモデルルーム化する手法のこと。ステージ=舞台ですから、装飾ではなく演出なのです。目的は、物件の本来の魅力を引き出し、「こんな暮らしができるなら住んでみたい」とイメージさせること。
ポイントは具体的な借主のライフスタイルを想定し、そのライフスタイルを少し超える生活を想像できる演出をすることです。そこにはBGMや芳香、照明など、五感に訴えるやり方も含まれます。
フォーカルポイント(見せ場)を意識することも大切です。人の視線が集まる場所のことで、室内に入ったときにまず目につく物に気を配ってください。
また、クッションやソファ、スリッパなどはポイントになるカラーを選ぶことも重要です。赤やオレンジなどの暖色系は、行動を喚起させる心理的効果が高いのでお勧めです。
演出するインテリア「基本の4点」を抑えよう
ホームステージングでは以下の4つの要素を組み合わせて空間演出を行います。
ブレーカーを上げた時にすべての照明が灯るようにオン状態にしておいてください。照明の色は昼光色・昼白色・電球色がありますが、私のお勧めは電球色。どの部屋も同じ色で統一してください。
カーテンなどの窓まわりを装飾することです。カーテンによって印象はガラリと変わります。特にレースのカーテンは種類によって透過性が異なりますから、外の景色がいい場合は透過率の高いタイプを選んでください。
ソファやダイニングセット、ベッドなどを置く際は、狭さを感じさせないように注意してください。
小物・観葉植物・絵画・彫刻などもかなり効果的なアイテムです。
次に、ステージング後に気をつけることをお伝えします。
・生活臭が残っていないか
特に排水口の戻り臭がないかどうか確認しましょう。
・照明のチェック
くつろぎを感じさせる電球色ですか?明るさは十分ありますか?
・家具や小物のチェック
あれもこれも、と置くとクドくなることも。あまり生活感を出しすぎないようにしてください。
・フォーカルポイントのチェック
「見せ場」が効果的に演出されているか。内見者の目線で確かめてみてください。
以上、ホームステージングについて述べてきましたが、実はお部屋の演出だけでは意味がありません。
ホームステージングとは物件すべてを演出すること。「カーブ(縁石)アピール」という言葉がありますが、道路から見た建物の第一印象のことを言います。エントランスが清潔でよく掃除されているかどうかなど、物件全体に目を配るようにしてください。
ホームステージングは大家さんの人生経験に裏打ちされた気遣いのアドリブの表現です。自分の感性を信じて自由な発想でやってみれば、オンリーワンの物件がきっと出来ます。まずは挑戦してみてはいかがでしょうか。
ホームステージングの実践ポイント
フォーカルポイントで見せ場を作る
ポイントカラーを入れるなど、人の視線が集まる場所(見せ場)を常に意識することで、物件の魅力がアップし、内見者の印象も良くなる。
電球や照明が創り出す陰影により室内に立体感ややすらぎが生まれる。照明器具と暖かみのある電球色を組み合わせることでより効果的に
グリーンや花のある暮らしを演出
植物の持つ癒しの力を利用して、ホッとできる居心地のいい空間にする。本物だと水やりなどの手間がかかるのでフェイク植物でもOK
ホームステージングの実例
小さいお子さんがいる家族やまだお子さんのいない新婚夫婦をターゲットに、子ども部屋を想定したステージングを実施。この部屋で家族が笑顔で幸せに暮らす
未来を想像させる。
白い壁紙はどんな色の物でも合わせやすい。キャンバスに絵を描くように好きな色の家具や小物を置くことで、自分好みの空間を作り上げられることをイメージ
させる。
※この記事内のデータ、数値などに関しては2018年6月5日時点の情報です。
※本記事は2018年4月15日開催の「賃貸経営+相続対策フェスタ」で行われたセミナーを基に構成・執筆したものです。
取材・文/本多 智裕