「孤独死保険」で事故物件リスクに備える。気になる補償内容や保険料を紹介

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公開日:2018年10月29日
更新日:2023年3月30日
「孤独死保険」で事故物件リスクに備える。気になる補償内容や保険料を紹介1

入居者の高齢化や、アパートなどでの事件・事故のニュースで注目されている「孤独死保険」。孤独死や自殺などで生じる特殊清掃の費用、事故物件化による家賃収入の損失に備える保険として、契約するオーナーも増えています。特殊清掃などの費用が最大300万円まで補償される(株)あそしあ少額短期保険の家賃補償保険『大家の味方』を中心に、気になる補償内容や保険料など、実例を交えてご紹介します。

孤独死保険で家賃損失を最大6カ月間補償

「孤独死保険」で事故物件リスクに備える。気になる補償内容や保険料を紹介2

高齢者人口が増えるにつれ、独居老人の「孤独死」も増加しています。これは高齢入居者の受け入れを考えるオーナーにとって大きなリスクとなります。不幸にも発見が遅れた場合、残された家財の処分、特殊清掃費用や原状回復費用に加えて、事故後の空室、家賃の値下げによる損害も発生してしまいます。

そこで近年、事前のリスク対策として入居者が死亡した後の損害を補償する保険が注目を浴びています。

(株)あそしあ少額短期保険の家賃補償保険『大家の味方』もその一つ。火災・風災・水災・入居者の死亡など、様々な事故により賃貸物件に損害が生じ、リフォームや特殊清掃が必要となった場合、その期間中の家賃収入の損失が最大6カ月間補償されます。

「お部屋で入居者様が亡くなった場合、病気死亡、不慮の事故、自殺、殺人事件など全てが対象となります」と同社の栗沢社長。同社が物件管理会社と代理店契約を結び、オーナーは代理店経由で加入できます。

「孤独死保険」で事故物件リスクに備える。気になる補償内容や保険料を紹介2

株式会社あそしあ少額短期保険 代表取締役社長 栗沢 研丞さん

平成19年12月28日に関東財務局に少額短期保険業者として登録し、営業を開始。賃貸住宅を所有する人のための保険『家賃補償保険「大家の味方」』や、賃貸入居者専用の家財保険『わが家の保険』などを展開。

補償は最大300万円!手ごろな保険料で契約増加

「この保険では『修理費用担保特約』を付けていただくことで、孤独死によって部屋に損害が発生した場合の修理費用や、修理費用以外の臨時に発生する費用も補償されます」(栗沢社長)

修理費用保険金は1回の事故につき300万円まで補償されるので、部屋の傷みがひどい場合もまずカバーできるでしょう。ただし、敷金等で充当・補填がされた金額は、これを差し引いて支払われます。

さらに臨時費用保険金として、死亡原因が犯罪被害である場合は、1回の事故につき50万円、それ以外の場合は20万円が支払われます。

気になる保険料は?
「孤独死保険」で事故物件リスクに備える。気になる補償内容や保険料を紹介2

保険料は、例えば「1棟3室・月額家賃が計20万円、修理特約付き」の場合、年間保険料は1万150円、1室あたり約3383円となります。低コストでリスクヘッジができるため、オーナーや管理会社からの問い合わせも多く、2010年の販売開始以来、右肩上がりに契約件数が増加しているそうです。

孤独死対応保険はこれまで少額短期保険会社が主に手掛けてきましたが、需要の高まりから大手損保も相次いで参入し、火災保険とのセットにした商品や集金代行・家賃保証とセットにした商品も登場しています。カバー範囲や保証額など、ご自身の求める条件に合うものを選ぶといいでしょう。

孤独死と保険金総支払額の事例

(株)あそしあ少額短期保険が扱った孤独死の事例をご紹介します。

孤独死の事例(1)

入居者:男性

発見までの日数:3カ月

事故場所:埼玉県川口市

事故状況:浴室で入居者死亡

保険金総支払額:348万2000円

支払額の内訳:

修理費用/300万円(遺体の腐敗が著しく戸室復旧には相当期間がかかった)

臨時費用/20万円(死因は不詳だが犯罪性なしと判断)

家賃補償/28万2000円(4万7000円×6カ月)

孤独死の事例(2)

入居者:男性

発見までの日数:判定できず

事故場所:神奈川県川崎市

事故状況:居室内で入居者死亡

保険金総支払額:209万3391円

支払額の内訳:

修理費用/171万9391円(猛暑の中、エアコンの稼働もない状態のまま発見されたため、遺体の腐敗が進み消臭作業が必要となった)

臨時費用/20万円(病死、犯罪性なしと判断)

家賃補償/17万4000円(5万8000円×3カ月)

月額300円/戸で備える孤独死対応保険も

「無縁社会のお守り」(アイアル少額短期保険)は、1戸あたり月額300円で、遺品整理・原状回復費用、家賃保証が受けられるというものです。家賃保証は最長12ヵ月で、家賃低下や空室期間が長期化した場合にも家賃損失を補填できるというもの。

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※この記事内のデータ、数値などに関する情報は2017年3月6日時点のものです。

取材・文/藤谷 スミカ 撮影/青木 茂也、工藤 朋子 イラスト/浅羽 ピピ

ライタープロフィール
藤谷 スミカ(ふじたに・すみか)
同志社大学文学部英文学科卒。広告制作プロダクション、情報誌出版社を経て、フリーランスのコピーライターとして30余年。ハウスメーカーの実例取材記事、注文住宅、リフォーム、土地活用に関する情報誌の記事、企業PR誌の著名人インタビュー記事、対談記事、企業単行本の執筆等を手がける。

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