省エネ賃貸の融資制度が10月申請受付分から改正!「子育て世帯向け省エネ賃貸住宅建設融資制度」
省エネ賃貸住宅を建設するための住宅ローン「子育て世帯向け省エネ賃貸住宅建設融資」。その省エネ基準や面積要件等が2022年10月から制度改正されています。同融資の特徴や、改正点をまとめてみました。
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「子育て世帯向け省エネ賃貸住宅建設融資」とは?
住宅金融支援機構による賃貸住宅用の住宅融資で、子育て世帯に必要な広さや高い省エネルギー性能をそなえ、入居者の健康面に配慮した賃貸住宅の供給を促進することを目的としてつくられました。
同機構の主な賃貸住宅の建設用融資には、ほかに「まちづくり融資(長期事業資金)」や、高齢者向け賃貸住宅のための「サービス付き高齢者向け賃貸住宅建設融資」があります。
「子育て世帯向け省エネ賃貸住宅建設融資」の特徴は?
●返済期間35年の長期固定金利
準耐火構造の建物であれば、返済期間35年の長期固定金利での返済が可能です。
●自宅や店舗を含めた融資が可能
建築物全体の延べ面積の1/4以下であれば、自宅や店舗を含めて住宅ローンが組めます。
●65歳以下であれば、個人での申し込みが可能
●機構が承認している保証機関を連帯保証人とできる(別途保証料が必要)
長期固定金利により返済額の増減リスクがないことは、賃貸経営を安定して行っていくために大きなメリットであるといえます。
また、1/4以下の面積であれば店舗や自宅を含んでのローンが組めるのも特徴です。
融資額や返済期間、金利はどのぐらい?
●融資額
融資対象事業費の100%以内(10万円以上、10万円単位)
●返済期間
35年以内(1年単位)
●融資金利
35年固定金利または15年固定金利の2つの金利タイプがあり、いずれも最長35年の返済期間が利用できます。それぞれ繰上返済制限あり/なしが選べます。
15年固定金利を選択した場合、15年経過後の適用利率はその時点で見直されます。
融資金利は毎月見直されており、最新の金利は機構の金利情報ページで確認できます。
融資が受けられる賃貸住宅の条件は?
子育て世帯に必要な広さや設備、安全性を備えていることと、省エネについての条件が主となります。
●1戸あたりの専有面積は原則50㎡以上
今回の改定で創設された「金利引下げ制度」が適用される場合は40㎡以上
●各住戸に原則として2以上の居住室ならびにキッチン、トイレおよび浴室を備えた住宅
●賃貸住宅部分の延べ面積が200㎡以上、敷地面積165㎡以上
●耐火構造または準耐火構造であること
●「断熱等性能等級4以上かつ一次エネルギー消費量等級5以上の住宅」もしくは「トップランナー基準に適合する住宅」であること
賃貸住宅部分の延べ面積が建物全体の延べ面積の3/4以上の場合は建物全体が、3/4未満の場合はその割合に関わらず、賃貸住宅部分のみが融資の対象になります。
また、建築物の一部でも土砂災害特別警戒区域に含まれていると、対象外となります。
どう変わった?2022年10月からの改正点まとめ
一次エネルギー消費量等級4以上の住宅及び断熱等性能等級4の住宅
↓
一次エネルギー消費量等級5以上の住宅及び断熱等性能等級4の住宅
認定を受けた長期優良住宅(省エネの基準が断熱等性能等級5及び一次エネルギー消費量等級6)とZEHは当初15年間、年0.2%ずつ金利が引き下げられます。
金利引下げの対象となるZEHの基準(3階建て以下の建物の場合)
・外皮断熱性能
強化外皮基準(ZEH水準)
・準一次エネルギー消費量からの削減率(住棟全体)
再生可能エネルギーを除いた場合・・・20%以上
再生可能エネルギーを含んだ場合 ZEH-M・・・100%以上 Nearly ZEH-M・・・75%以上
・上記に加えて、太陽光発電等の再生可能エネルギーが導入されていること
1戸当たりの専有面積 原則50㎡以上
↓
1戸当たりの専有面積 40㎡以上
※ただし、2. の金利引下げの対象に該当する場合のみ
この金利引き下げ制度の影響は大きく、返済額を試算した場合、適用の有無によってかなりの差が出てくるのが分かります。
例)借入額1億円、返済期間35年、元利均等返済 35年固定金利 年1.7%の場合(諸経費等は含まない)
金利引き下げあり・・・当初15年間 金利 年1.5% →毎月の返済額30万6184円
16年目以降 金利 年1.7% →毎月の返済額31万2055円
総返済額 1億3000万6361円
金利引き下げなし・・・金利 年1.7% →毎月の返済額316,075円
総返済額 1億3275万1510円 ⇒ 総返済額が274万5149円も違います!
「子育て世帯向け省エネ賃貸住宅建設融資制度」融資手続きの流れを解説
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1.事前相談・融資の申込み
借入申込前に、事業計画や融資額の目安などについて相談ができます。事前相談・申込みともに、営業エリアごとの機構窓口で行います。
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2.融資審査
融資の可否や融資可能額についての審査が行われます。
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3.融資内容の決定
機構から「融資予約通知書」が送られます。
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4.設計検査
適合証明検査機関による設計検査を受け、合格したら「設計検査に関する通知書」が交付されます。
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5.着工
工事請負契約書(写)を機構に提出します。
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6.入居者の募集
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7.融資基本約定書の提出・中間資金の受取
着工時、屋根工事完了時、竣工時に中間資金の受取が可能です。中間資金を受け取る場合は、融資基本約定書の提出と抵当権設定仮登記手続が必要です。
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8.竣工
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9.竣工現場検査・工事費精算報告
適合証明検査機関による現場検査を受けます。工事請負契約書(写)以外の工事費の領収書など(写)を提出し、工事費の確認を行います。現場検査に合格したあとに交付される「適合証明書」を機構窓口にご提出します。
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10.融資額の確定
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11.契約
金銭消費貸借抵当権設定契約を締結し、抵当権設定登記手続を行います。
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12.最終回資金の受取
決定した融資額の総額から中間資金の総額を差し引いた額を受け取ります。
令和4年度の申し込み期間は令和4年5月9日(月)~令和5年2月28日(火)となっています。
お問い合わせと申込み先は、機構の各営業エリア窓口です。
また、詳しい内容等は住宅金融支援機構のホームページをご確認ください。
賃貸住宅の建築を検討している方は要検討。ローンの選択肢も
省エネ性能基準が4から5以上と厳しくなり、省エネ性能が高い住宅に対しての優遇(金利引き下げ)制度が創設されるなど、より環境配慮に沿った内容となった今回の改正。
専有面積要件の緩和も、都市部を中心とした昨今の住宅事情を反映したものとなっています。
政府系金融機関ならではの低金利や、社会貢献に即した事業内容は、賃貸経営をするうえで大きなメリットといえるでしょう。賃貸住宅の建設を検討している方は、住宅ローンの選択肢に入れてみるといいかもしれません。
※この記事内のデータ、数値などに関する情報は2022年11月2日時点のものです。
文/丸石 綾野
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