【素敵な大家さん】大切なのは入居者目線。 安心・快適な住まいで 複数物件を満室経営!
- オーナー事例
アパートの建て替えをきっかけに、複数棟の物件を新築し、管理されているWさんご夫妻。入居者が安心・快適に暮らせるプランや行き届いた管理によって、所有物件は常に人気で満室稼働しているそうです。その秘訣や心がけを聞きました。
お母様から受け継いだ不動産を奥さまとともに管理されているWさん。ご夫婦で賃貸経営についても熱心に勉強されている。
「『良い環境を』って、親心が湧くんです」
地域のニーズを汲み上げ入居者視点で物件をつくる
16年前にお母様から、アパートをはじめ戸建て賃貸、月極駐車場、長屋、借地など複数の不動産を相続し、大家業を開始されたWさん。現在は奥様とともに、賃貸経営に従事されています。
最初の賃貸住宅の建築は、築40年の木造アパートの老朽化がきっかけ。水道に不具合があると入居者から連絡を受け修理したところ多額の費用負担に驚き、今後の修繕費などを考えて建て替えを決意されました。
建て替えに際してWさんは、立地エリアの事情に精通する(株)ミニミニに市場調査を依頼。同社のアドバイスをもとにターゲットを大学生や女性に設定し、オートロックや電子キーなどでセキュリティを高め、対面キッチンなど設備が充実したプランを立案しました。2010年に4階建て16戸のワンルームマンションが竣工となり、想定通りの入居者で満室になったそうです。
これをきっかけに、エリアの情報や最新の入居者ニーズを知り尽くしたミニミニの小池さんと協働し、近隣にある複数の土地活用を進行。Wさん自ら管理にも積極的に携わることで入居者の声を直接拾い、2016年には、これまでの集大成ともいえる32戸の4階建て賃貸マンションが完成しました。
間取りや設備の選定は生活者目線を大切に
この賃貸マンションには、暮らしやすさと安全性を追求したWさんの細やかな配慮が見てとれます。
「角部屋は人気ですが、中部屋は決まりにくいんですよね。そこで小池さんのアドバイスもあってLDKの隣に洋室をつくり、仕切りは可動式の3枚戸に。普段は引き戸を開けて広々と使い、友人が来た時はサッと閉めてベッドや荷物を隠すことができる仕様にしました。すると、中部屋から決まったんですよ」
ほかにも、追い焚き機能付き浴室や対面キッチン、光ファイバーのインターネット環境など、付加価値が高い設備を導入。外観や照明にもこだわり、南欧風のデザインを取り入れ印象をアップしました。また安全性を高めるために、防犯性の高い柵や、エントランスに防犯カメラの大型モニターを設置。内見に来た親子にも好評で、即決で入居が決まる人気物件になったといいます。
「特に女性目線を大切に間取りや設備を決めています。小池さんに他のオーナーさんが建てた新築物件の見学会へ案内してもらい、常に新しい情報を得るように心がけています」
2016年に完成した物件
外観がベージュ×白ラインで優しい印象。夜は美しく明かりが灯り、ホッとできる雰囲気です。
3枚の可動式戸で間仕切るLDKと洋室。対面キッチンは、高級感のある人造大理石カウンター。熱に弱いため鍋敷きをプレゼントしています。
オートロックや防犯カメラ、宅配ボックスを備えたエントランス。掲示板上のアイアン飾りが空間に華を添えています。館銘板は奥様と娘さんによるデザイン。
戸建て賃貸も建築
競合を避けファミリー向けの戸建て賃貸も建築。建具にこだわり、南欧風のデザインで差別化。
管理も自ら積極的に入居者との信頼関係が鍵
満室経営を継続する秘訣は、Wさんの管理への姿勢にもあります。管理会社に任せるだけでなく自ら積極的に動き、入居者に快適な生活環境を提供しています。例えば、ゴミ置き場のチェックやエントランス周辺の除草は、管理会社の巡回清掃が入る日以外にもマメに実施しているそうです。
「汚れが目立ってからでは遅いですから。自分たちで行うことで、色々と気づくこともあります」
入居時に困らないよう、段ボールの捨て方や吸気口などの使い方を部屋に掲示するなど、心遣いも細やかです。また入居者アンケートを定期的に行い、あがってきた声に対応。
例えば、自転車の空気入れの設置、プロパンガス料金値下げの交渉など、必要と判断すればすぐに実行されています。さらには共用部に「不良個所連絡用紙&管理ポスト」を設置し、設備の不具合や蜘蛛の巣の発生などを連絡してもらう工夫も。入居者目線で改善を行い、直接会わなくてもコミュニケーションを取る姿勢で、快適な暮らしの提供に繋げています。
コミュニケーションで築く入居者との信頼関係
入居者アンケートでニーズや情報を収集。協力してもらった方にはクオカードをプレゼント。退去時には感謝の手紙をもらうこともあるそうです!
協力会社との関係性もWさんが重視していること。アンケートで掃除を褒められると用紙をコピーして清掃会社へ。管理会社はもちろん電気・防犯など各専門会社とも日頃からコミュニケーションをとり、電話1本ですぐ対応してもらえる信頼関係を築いている。
「入居者に快適に住んでもらうためにがんばろうって、まるで親心ですね。敷地内の畑で採れた野菜を『ご自由にどうぞ』とエントランス置いておくと、すぐになくなります。嬉しいですね。良い物件をつくり、喜んで住んでもらうための努力は楽しいですよ」とWさんご夫婦は笑顔で話してくださsいました。
Wさんに伺いました!オーナーとしての心得3カ条
その① 生活者目線でターゲットへ訴求
市場把握に長けた会社と協働し、ターゲットの要望に響くプランをで賃貸住宅を建築。最新トレンドを把握するため常に情報収集を怠らない。
その② 入居者の声を聞きに行く姿勢
アンケートの実施や管理ポストの設置で、入居者の困り事を吸い上げる。目に見えないコミュニケ―ションで信頼関係を築く。
その③ 親心をもって管理も積極的に
自ら物件の清掃にも赴くことでの気づきを大切に。協力会社とも連携し、自分の子どもにも「住ませたい」と思える快適な環境をつくる。
取材・文・人物撮影/アトリエあふろ(椋木 恵子、鈴木 暁彦) 取材協力/(株)ミニミ