不動産を相続したらどう動く?「古い」「広い」「駅から遠い」相続不動産売却のコツとは

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公開日:2022年12月27日
更新日:2024年3月14日
不動産を相続したらどう動く?「古い」「広い」「駅から遠い」相続不動産売却のコツとは1

『SUUMO』が、首都圏在住の20-69歳の男女を対象に実施した「不動産売却を検討する人および実施した人の意識と行動に関する調査」の結果をリリースしました。その調査結果をもとに、不動産を相続した人はまずどのような行動を取るのでしょうか?相続不動産の売却方法や売却のポイントなど、「相続・贈与」で不動産を得た人にフォーカスして紹介します。

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不動産を相続した人が過去1年でとった行動は?

不動産売却を検討した人に過去1年で「売却について具体的に行ったこと」を複数回答で聞いたところ、「相続・贈与」により物件を得た人の59.5%が「情報収集」、56.5%が「問い合わせ」を行っています。

半数以上の人がまずは色々調べたり、問い合わせたりしていることが分かりました。「訪問査定」も32.0%と3人に1人が行っています。

「売却完了」と回答、つまり、1年以内に実際に売却まですませた人が37.4%いました。

検討した方法とは?最終的にはどのように売却した?

次に、どんな売却方法を検討したかを聞いたところ、「仲介会社に依頼」が57.5%、「不動産会社に買い取ってもらう」が47.3%で約半数でした。

他に「仲介会社に依頼せずに見つけた買い手に売却する」、「任意売却」、「売却せずに賃貸に出す/賃貸物件を建てる」、「親族・知人に買い取ってもらう」、「競売」、「リースバック」などが10%台でした。

しかし、実際に売却を完了した人がとった売却方法は「仲介会社に依頼」が47.3%で、「不動産会社に買い取ってもらう」の26.4%が続きます。

多くの人が、仲介と買い取りを中心に様々な方法を検討し、最終的には約半数が仲介で売却していることが分かりました。

相続不動産は「古い」「広い」「駅から遠い」が特徴

不動産を相続したらどう動く?「古い」「広い」「駅から遠い」相続不動産売却のコツとは2

売却を検討している相続不動産は、「買い替え」の売却物件と違いはあるのでしょうか?

「贈与・相続」と「買い替え」を比較したところ、築年数はいずれも「築25年以上」の割合が最も高いものの、「買い替え」が19.6%なのに対して「贈与・相続」は48.3%。買い替え物件の過半数が築15年未満ですが、相続物件では3割もありません。

「物件の平米数」については、買い替え物件は60〜80平米がボリュームゾーンなのに対し、相続物件の2割以上が100平米以上と、広い物件が多いようです。

「最寄駅からの徒歩分数」については、徒歩10分未満までの物件が、買い替えは47.0%のところ、相続物件は40.1%。一方で、徒歩20分以上の物件の割合は買い替え11.6%に対し相続では21.8%と高くなっています。

相続物件は買い替えのための売却物件と比べると「古い」「広い」「駅から遠い」という特徴があるようです。

「売却検討時のローンの残額」については、買い替えのための売却物件では「残額なし」が47.3%と半数以下ですが、相続物件では79.6%。約8割が残債のない状態で相続していることが分かりました。

相続した不動産ならではの売却のポイントは?

『SUUMO』の笠松美香副編集長から、相続物件を売却するときのポイントとして次の点が挙げられています。

相続前に物件の価値を把握しておく
不動産を相続したらどう動く?「古い」「広い」「駅から遠い」相続不動産売却のコツとは2

「古い」「広い」「駅から遠い」という特徴からも分かるように、相続・贈与される物件の多くは「通勤時間はかかっても緑豊かな郊外に広い家を」という時代の家。通勤利便性が優先される現代では、広い庭や家は思ったほど高く売れないというケースもあります。

今は相続のタイミングでなくても、70代前後になると一戸建ての維持管理は面倒になってくるもの。「もし親が郊外の庭付き一戸建てを持て余しているなどの場合、もっと便利でコンパクトな住宅に住めるよう、一緒に考えてあげてもいいのでは」とのアドバイスが。早めに査定をしてもらい、物件の価値を相続に関わる人全員で把握しておくとよいでしょう。

10カ月以内に相続税の申告が必要
不動産を相続したらどう動く?「古い」「広い」「駅から遠い」相続不動産売却のコツとは2

相続物件を売却する理由のひとつに、相続税を納めるため、ということがあります。相続税には申告書の提出期限があり、被相続人が死亡したことを知った日の翌日から10カ月以内に相続税の申告が必要です。10カ月というと長いように思えますが意外とやることがたくさんあり、ギリギリになってしまったという人も多いようです。

3000万円控除の適用期限に注意
不動産を相続したらどう動く?「古い」「広い」「駅から遠い」相続不動産売却のコツとは2

相続した空き家を売却するとき、一定の要件を満たすと「譲渡所得の3000万円特別控除」が適用され、売却で得た利益のうち3000万円分の課税控除が受けられます。適用期限は令和5年(2023年)12月31日までの間で、かつ相続開始日(亡くなった日)から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売却することとされています。※

※令和5年度税制改正大綱によって、空き家への耐震リフォームもしくは取り壊して更地にした場合は令和9年(2027年)12月31日までと適用期限を4年延長

いずれにしても、相続してから時間が経つと控除の対象から外れてしまうこともあるため、相続した不動産は放置せず、税制等を確認したうえで、早めに動くようにしましょう。

16%の人が相続物件の売却をあきらめている

今回の調査では、相続物件の売却を検討した人のうち、16.0%が売却をあきらめていることが明らかになりました。

そこで、「不動産の売却を検討する中で最も手間だと思ったこと」をきいたところ、「必要な書類の準備をすること」が相続・贈与では34.7%と最も高くなっています。

「自分で購入した物件ではないため不明な点が多く、建物の完成から年数が経っているといったことが大きな原因」としたうえで、『SUUMO』笠松美香副編集長からは「被相続人が元気なうちに必要書類を用意しておくことが大切」とのアドバイスもありました。

早めの書類準備と会社選びが相続不動産売却成功のカギ

登記簿、権利書、被相続人の戸籍謄本、相続人全員の戸籍謄本やマイナンバーカード、身元確認書類などのほか、物件に関する資料、新築時や売買契約時点での住宅の性能を示す書類によって評価がプラスになることも。早めに探しておくようにしましょう。

不動産を相続したらどう動く?「古い」「広い」「駅から遠い」相続不動産売却のコツとは2

さらに、相続した物件の場合は、不動産会社から提示される売却プランの評価が難しいため、どんな会社を選ぶかがより重要になります。地域の情報、相続関係の法律などに詳しいのはもちろん、抱えている問題に真摯に向き合ってくれる会社を選ぶために、さまざまなタイプの会社をじっくり比較検討するようにしましょう。

※この記事内のデータ、数値などに関する情報は2022年12月27日時点のものです。

文/石垣 光子

詳しい調査データはこちらから確認できます

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