2023年に賃貸物件で最も検索・問合せの多かった街は常連のあのエリア!最新動向をランキングでチェック
LIFULL HOME'Sが毎年おこなっている「みんなが探した 住みたい街ランキング」の結果が発表されました。これは、LIFULL HOME'Sに1年間で掲載された物件のうち、実際に検索・問合せ数が多かった街・駅のランキング結果です。「借りて住みたい街(=賃貸物件)」の順位を抜粋してご紹介します。
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「借りて住みたい街」首都圏1位は前年と同じ「本厚木」
実際に賃貸物件が探されている「借りて住みたい街」の上位は以下のような結果でした。前年ランキングとの比較も合わせて見てみましょう。
順位 | 駅名 | 前回比 |
1位 | 本厚木(小田急小田原線) | キープ→ |
2位 | 葛西(東京メトロ東西線) | 4アップ↗ |
3位 | 八王子(JR中央線ほか) | キープ→ |
4位 | 大宮(JR京浜東北・根岸線ほか) | 2ダウン↘ |
5位 | 三鷹(JR中央線ほか) | キープ→ |
6位 | 柏(JR常磐線ほか) | 2ダウン↘ |
7位 | 川崎(JR京浜東北・根岸線ほか) | キープ→ |
8位 | 北千住(東京メトロ千代田線ほか) | 12アップ↗ |
9位 | 町田(小田急小田原線ほか) | 1ダウン↘ |
10位 | 蕨(JR京浜東北・根岸線ほか) | 1ダウン↘ |
出典:2024年 LIFULL HOME’S みんなが探した!住みたい街ランキング 首都圏版
全体的には2021年からの郊外傾向が継続しているものの、都心近郊の街も増えつつある今回のランキング。4年連続のトップとなった「本厚木」は都心からも1時間程度でアクセス可能で、ここ数年の開発で生活利便性もさらに向上。コロナ禍で注目が高まり、コロナ後には都心エリアで賃料が上昇したことで、利便性と賃料の安さを備えた郊外の街として人気が継続しています。
同じ傾向は3位の「八王子」(前回3位)、4位「大宮」(同2位)、6位「柏」(同4位)などにも表れ、アクセスと生活利便性の割に家賃水準が安い街が引き続き人気を保っています。
また、2位「葛西」は前回6位から初のTOP3入り。東京都江戸川区の葛西は、都内でありながら比較的賃料水準が安価。コストパフォーマンスの高さから、初めて都内に住む人からの注目や、インバウンド需要を反映したものと見られます。
ベスト30には都心近郊の街もランキング。動きは二極化?
今回のランキングでは、準郊外の人気エリアも上位を維持。例えば5位の「三鷹」(前回5位)、東京にも横浜にも交通利便性の良い7位「川崎」(前回7位)、9位の「町田」(前回8位)、14位の「西川口」(前回10位)など、コロナ後を見据えた動きが表れています。
さらに、8位「北千住」、12位「池袋」、13位「三軒茶屋」、16位「高円寺」、22位「荻窪」、23位「中野」、27位「大森」、29位「錦糸町」など、ベスト30に都心近郊の街もランクイン。多くは前回よりも順位を上げています。
このことから、LIFULL HOME’Sでは「首都圏での賃貸ニーズはコロナ禍での移転先である郊外方面もしくは比較的利便性の高い準近郊で定着するとともに、都心方面へと回帰する動きも明確に。その意味では首都圏における賃貸ニーズが、コロナ後の新たな動きとして“二極化”しつつある」と分析しています。
行政区1位は「世田谷区」。トップ10の顔ぶれは昨年と同じ
行政区・自治体を対象とした「借りて住みたい」ランキングも集計しており、上位は以下のような結果となっています。
順位 | 駅名 | 前回比 |
1位 | 世田谷区(東京都) | キープ→ |
2位 | 大田区(東京都) | 3アップ↗ |
3位 | 足立区(東京都) | 1アップ↗ |
4位 | 杉並区(東京都) | 2ダウン↘ |
5位 | 新宿区(東京都) | 2ダウン↘ |
6位 | 品川区(東京都) | 2ダウン↘ |
7位 | 練馬区(東京都) | 1アップ↗ |
8位 | 板橋区(東京都) | キープ→ |
9位 | 中野区(東京都) | キープ→ |
10位 | 江戸川区(東京都) | キープ→ |
出典:2024年 LIFULL HOME’S みんなが探した!住みたい街ランキング 首都圏行政区
世田谷区はなんと6年連続で1位に輝きました。上位10位はすべて東京都区部で、多少の前後はあるものの前回と同じ顔ぶれ。いずれも利便性と住環境のバランスが良い点が評価されているものとみられます。
トップ30の東京23区以外では、14位に東京都八王子市(前回12位)、15位に千葉県船橋市(同11位)、19位に千葉県市川市(同19位)、23位に埼玉県川口市(同17位)、24位に千葉県松戸市(同22位)などの衛星都市がランクイン。都心方面へのアクセスと生活利便性に加えて行政サービスも充実しているこれらの自治体は、単身者だけでなくファミリー層、子育て世代からも支持を得ているようです。
東京都以外では、千葉県は15位の船橋市、埼玉県は23位の川口市、神奈川県では28位の横浜市港北区がそれぞれトップとなりました。
住みたい街が多い鉄道路線は「総武線」「京浜東北・根岸線」
最後に、首都圏の「借りて住みたい街ランキング」TOP200内の駅と路線を対象に、JR東日本の路線別に集計した「住みたい街が多いJR東日本・首都圏の鉄道路線ランキング」をご紹介します。
路線の1位は総武線(中央・総武緩行線)で、「三鷹」(借りて住みたい街ランキング首都圏版5位)、「千葉」(同11位)、「高円寺」(同16位)、「新小岩」(同20位)、「吉祥寺」(同21位)など22駅がランクインしています。ターミナル駅である「新宿」「秋葉原」を通り、千葉市内から三鷹市まで東京を東西に走る路線となります。
2位は京浜東北・根岸線で、「大宮」(借りて住みたい街ランキング首都圏版4位)、「川崎」(同7位)、「蕨」(同10位)、「西川口」(同14位)、「大森(同27位)」など、トップ200内に21駅、トップ100内でも15駅がランクイン。埼玉県「大宮」から神奈川県「横浜」を経由して「大船」まで、山手線の「上野」「秋葉原」「東京」「品川」などを通る主要路線のひとつです。
3位は湘南新宿ラインで「大宮」(借りて住みたい街ランキング首都圏版4位)、「池袋」(同12位)、「武蔵小杉」(同19位)、「平塚」(同30位)、「浦和」(同43位)などトップ200内に17駅、トップ100内でも10駅がランクイン。群馬県と栃木県の2ルートがあり、都内では山手線の「池袋」「新宿」「渋谷」などを通ります。
以下、4位は「八王子」や「三鷹」、「吉祥寺」を走る中央線、5位は山手線となりました。山手線における住みたい街の1位は「池袋」(借りて住みたい街ランキング首都圏版12位)でした。
まとめ:アフターコロナの人の動きは?物価高や賃料増加も影響
LIFULL HOME’S PRESS 編集部 渋谷 雄大氏は、2023年の賃貸市場を「郊外と都心で需要が二極化した年」と定義しています。
東京23区ではファミリー向け賃貸物件の賃料相場が前年から2万円以上も上昇。30~64歳では2万4,267人の転出超過となっていることから、物価高や都心部の住居費の増加を背景とするファミリー層の郊外化を指摘しています。
その一方で、東京23区のシングル向き物件の賃料相場は前年比で3千円程度の上昇にとどまっています。23区では15~29歳が9万8,576人の転入超過となっていることから、「単身者の都心での賃貸需要は健在」としています。
総武線や湘南新宿ラインといった郊外から都心に向かう路線のほか、都心を走る山手線もトップ5に入るなど、都心と郊外それぞれの需要が表れた今回のランキング。アフターコロナでは、ファミリー層は郊外へ、シングルは都心へといった二極化のほか、利便性と家賃相場のバランスの良い街は引き続き人気を継続していました。
物価高や住居費高騰により、賃貸市場においても家賃の妥当性がよりシビアに判断されているのは確か。たとえ人気の街であっても立地に甘んじず、エリア相場をふまえた物件の差別化を模索し続けることが、今後も重要になってきそうです。
※この記事内のデータ、数値などに関して本記事は、2024年2月21日時点の情報をもとに制作しています。
取材・文/石垣 光子
ライタープロフィール
石垣 光子(いしがき・みつこ)
情報誌制作会社に10年勤務。学校、住宅、結婚分野の広告ディレクターを経てフリーランスに。ハウスメーカー、リフォーム会社の実例取材・執筆のほか、リノベーションやインテリアに関するコラム、商店街など街おこし関連のパンフレットの編集・執筆を手がけている。
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