勧められて買った物件は「スラム」化まっしぐら!?|編集長ブログ
こんにちは。大家さんのための賃貸経営マガジン「オーナーズ・スタイル」の統括編集長の上田です。今回は「編集部こぼれ話」です。オーナーさんから寄せられた賃貸経営に役立つアドバイスの一部をご紹介しましょう。
購入した区分所有物件が酷い…どうすればいい?
一棟物件ではないので管理替えもできず、管理組合も機能していない
まずは、お困りのオーナーさんの声です。
「とある会社からの勧めで、区分所有物件を購入しました。ところが、これが管理の悪い物件で、エントランスが汚く、その他の共用部分もかなり汚れています。エレベーター内も同様です。カビたような湿っぽい臭いがしています。
ですが、一棟物ではないので、管理会社の変更もできません。管理組合もほぼ機能していない状態で、一応代表の方はいるようなのですが、連絡が取れません。私に物件を勧めた会社にも話をしてみたのですが、購入後のことは知りません、といった態度です。
買ったときに住んでいた入居者も退去してしまい、以後、もう4ヶ月近く空室のままです。毎月の修繕積立金や管理費、ローンの返済、すべて、賃料収入の無いまま払い続けています。一体どうしたら次の入居者を決められるのか・・・」
まずはできることからやってみる、不動産会社に意見を求めるなどのアドバイス
何人かのオーナーさんから声が届きました。
「まずはできるところからやっていくべきですね。共用部分についてはひとまず置いておきましょう。部屋の内装や家賃設定など、入居者に魅力的かどうか、もう一度見直してみるとよいと思います。普段過ごすのは部屋の中なので、共用部分についてはそれなりでいいという人も一定数はいると思います。頑張ってください」
「『とある会社』に騙されたのでは・・・。まずは管理会社に事情を聞いてみてはどうでしょうか。管理費や修繕積立金の未払いが多いといった理由で、管理やメンテナンスが滞っている可能性もあります。そうなるとやっかいですが」(上記の声に対して、お困りのオーナーさんは、「管理費などを滞納している人が多数いるのではないかと思う」と、再コメントされています)
「たいへんな状況ですね。周囲の不動産会社を回って、空室対策の意見を聞くのも手かと思います。私がぱっと思いつくのは、棚などを付け足すようなプチ・リフォームと、家賃や初期費用の見直しでしょうか」
「入居条件の見直しやリフォームももちろんありますが、売却してしまうというのも選択肢のひとつですよ」
「物件はワンルームでしょうか。ワンルームなどであれば、売る時は入居者をつけてからがよいと、私は不動産会社から言われています。でも、売るのも大変かもしれません。がんばって」
入居者の立場に立って物件を選ぶことが大切
いかがでしょうか。お声をかけていらっしゃるオーナーさんも、やや「手の施しようなし」、「とにかく頑張って」といった雰囲気となっているようです。
お困りのオーナーさんは、たいへんお気の毒ですが、見事なほど典型的な、中古区分所有物件の罠にはまってしまわれたようです。
区分所有物件は、建物や立地が優れていて、管理も、住人の質もよければ、投資対象として有利な点も多いのですが、ひとたび管理機能が不全に陥り、人心がすさみ、物件が荒れると、問題解決が容易ではありません。
下手をすると、いやな言葉ですが、「スラム化」に向けて着々と歩んでいるような物件をつかまされてしまう危険もあるわけです。賃貸経営のために中古の区分所有物件を買う際は、絶対におろそかにしてはいけないことがあります。
それは、あたりまえのことですが、入居者目線で物件を選ぶこと。誰かに住まわせて利益を上げてやろう、ではなく、自分が本気で住むくらいのつもりになって、「ここなら住みたい」「住んでもいい」と思えるような物件を選ぶことです。
そうすれば、物件の価値やリスクに対する注意が、自ずと隅々にまで行き届くようになり、失敗を避けられる確率もグンと高まってきます。
賃貸経営のための区分所有物件の購入については、いわば時節柄、相続対策に絡んで、これを大いに勧める人もいます。「土地を複数戸のワンルームマンションへ買い替えなさい」というのが、よく聞かれるその主な内容。
このブログでも、実は1年ちょっと前に、そのことを話題に採り上げさせていただいています。よろしければ、下にリンクを結んでおきますので、どうぞ、ご覧になってみてください。