様々なリスクを減らす「見守りサービス」とは?種類や最新サービス、選び方を紹介

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公開日:2024年2月7日
更新日:2024年3月8日
様々なリスクを減らす「見守りサービス」とは?種類や最新サービス、選び方を紹介1

65歳以上の一人暮らしの方は年々増え続けており、この40年で7倍以上に増加しました※。離れて暮らす単身高齢者の安否を、家族が確認するためにできたのが「見守りサービス」。様々な見守り方法が開発されており、大家さんが入居者の見守りに使えそうなサービスもあります。今回は、見守りサービスの種類やサービス内容についてご紹介します。

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見守りサービスとは

様々なリスクを減らす「見守りサービス」とは?種類や最新サービス、選び方を紹介2

健康寿命が延びたとはいえ、病気やケガのリスクは年齢が上がるほど高くなります。高齢者の事故の7割以上は住宅内で起きており、自宅で転倒などをして動けなくなってしまうと、一人暮らしの場合は誰にも気付かれずそのまま帰らぬ人になってしまう、という不幸な出来事も起こり得ます

「見守りサービス」とは、いざというとき、すぐに駆けつけられない家族のために開発されたサービスです。センサーやカメラ、電話確認、訪問などの方法で高齢者の健康状態を把握したり、異常を早期発見したりするサービスで、民間のセキュリティ会社のほか、ガス、電気などのライフライン系事業者や宅配、介護事業者など多くの企業が提供しています。

その市場規模は2020年に262億円に達し、2030年は381億円に拡大すると予測※されています。また、ふるさと納税の返礼品として、見守りサービスを提供している自治体も多くあります。

見守りサービスの対象者

見守りサービスには、カメラやセンサーを使ったものからスタッフが住まいを訪問するもの、利用者が緊急時に通報するためのもの、GPS機能によるものなど、様々な種類があります。それぞれの特徴については後ほど触れますが、対象者は基本的には65歳以上の高齢者となります。

防犯を兼ねたカメラ型や、スマートフォンで操作できるロボット型カメラなどもあり、こちらは高齢者だけでなく、子どもや赤ちゃん、ペットの見守りにも利用されます。

賃貸住宅での高齢者受け入れに活用したい見守りサービス

様々なリスクを減らす「見守りサービス」とは?種類や最新サービス、選び方を紹介2

現在、単身高齢者の3人に1人が賃貸住宅に住んでいるのをご存じでしょうか※。賃貸オーナーにとっては、高齢者の受け入れを避けるのは難しい時代。積極的に対策を行うことで、より安心して高齢者に部屋を貸すことができます。その対策として有効な手段のひとつが見守りサービスです。

賃貸住宅でも導入できる見守りサービスは、大家さんにとって孤独死対策となるだけでなく、入居者本人や家族にも安心感を与えられるというメリットがあります。比較的費用が安価なセンサーや監視カメラ、スマートメーターから、緊急時の駆け付けサービスのついたものまで、様々なサービスがあります。

国土交通省、厚生労働省、法務省の3省の合同検討会では、社会福祉法人などによる見守りや安否確認サービスがついた賃貸住宅の制度化を検討しています。自治体によっては、見守りサービスの機器購入費用や月額利用料等を助成しているところもあります。

見守りサービスが防ぐ孤独死

様々なリスクを減らす「見守りサービス」とは?種類や最新サービス、選び方を紹介2

「令和5年版高齢社会」白書によると、東京23区内の単身高齢者の自宅での死亡者数は、2021(令和3)年に4,010人となり、10年間で1.5倍に増加しました。

また、孤独死発生から発見までの平均日数は17日※で、39.4%が3日以内に発見されているものの、1カ月以上というケースも16%あります。孤独死は、発見までの時間が経てば経つほど住宅への損害も大きくなります。

孤独死対策で最も大切なことは、早期発見です。居室内での異常にいち早く気付き、入居者の安否を確認できる見守りサービスは、今後不可欠なものになるでしょう。

見守りサービスを導入するメリット

様々なリスクを減らす「見守りサービス」とは?種類や最新サービス、選び方を紹介2

見守りサービスを導入するメリットについて、もう少し詳しく見てみましょう。入居者やその家族にとっては、見守りサービスを導入することによって、もしものときの備えとして安心できることが最大のメリットと言えます。また、賃貸オーナーにも次のようなメリットがあります。

高齢者の受け入れができることで空室対策になる

高齢者を安心して受け入れることができれば、入居者募集の幅が広がります。リスクやトラブルに目が向きがちな高齢者の受け入れですが、実は高齢者ならではのメリットもたくさんあります。

具体的には、年金による毎月収入で滞納の心配が少ないことや入居期間が長い傾向があります。また、ゴミ出しのルールや部屋の片付けなどがきちんとしている人が多いことも高齢者の特長です。

火災などの早期発見にもつながりやすい

見守りサービスがあることで入居者の様子が分かり、火災の早期発見につながります。もしコンロから火が出たとしても、被害が軽ければ内装の修復だけで済むこともあります。火災の早期発見は、IHなどへの切り替えの目安にもなります。

セキュリティ対策や防犯になる

センサーやカメラを導入することによって、犯罪の抑止やセキュリティ対策も兼ねることができます。在宅時間の長い高齢者の防犯、緊急通報などもできるため、安心して住んでもらえます。

高齢者向けの見守りサービス導入のポイント

様々なリスクを減らす「見守りサービス」とは?種類や最新サービス、選び方を紹介2

見守りサービスは、入居者に加入してもらうサービスも多いため、入居者に納得してもらわなければなりません。

見守りサービスを導入しようとする際に、「高齢者扱いされたくない」「監視されているようで抵抗感がある」「操作が覚えられない」などの理由で難色を示されることもあります。そのため、高齢者の見守りサービスは次の点に注意して選ぶようにしましょう。

入居者や家族の意向を尊重する

見守りサービスへの抵抗感は、プライバシーが侵害される不安からくることが多いもの。プライバシーが確保できる見守りサービスを選ぶことはもちろん、入居者や家族の意向をしっかり聞き、一方的にならないよう気を付けましょう。

状況や目的に合ったサービスを選ぶ

高齢者といっても、そのライフスタイルは様々です。外出頻度や持病の有無、人付き合いの多さや家族との関係など、それぞれの状況があります。24時間の見守りが必要なのか、緊急時のみの対応で良いのかなど、状況次第でどのようなサポートが必要なのかは変わります。状況や目的に合ったサービスを選ぶようにしましょう。

費用と内容のバランスを考える

見守りサービスの料金はサービス内容によってかなり幅があります。また、見守りサービスは介護保険の適用外であるため、費用は全額負担となります。複数の会社でサービス内容と料金を比較検討し、ふさわしいバランスの見守りサービスを選びましょう。

操作の難易度

機械に慣れていない高齢者の方も多いため、入居者本人が操作する場合は、簡単に使える機器であることが肝心です。ボタンが多い、液晶画面の文字が小さいなど、高齢者にとって使いにくい可能性がある機器は避けるようにしましょう。

見守りサービスの種類と導入にかかる費用の目安

見守りサービスの費用はサービス内容によって月数百円~数万円とかなり幅があります。センサーなど機器による見守りサービスでは、月々の使用料のほか、設置のための初期費用が必要になることも。

もしオーナー側で負担する場合は、物件や入居者の状態に応じて比較検討し、収支とも考え合わせて選ぶようにしましょう。

見守りサービスは数多くありますが、主には次のようなものに分類されます。また、必要に応じて複数のサービスを組み合わせたプランも存在します。

「訪問型」見守りサービス

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訪問型見守りサービスは、スタッフが高齢者を訪ね、対面で安否確認を行うサービスです。介護事業所のほか、郵便局、電気、ガス、宅配業者などが提供していることが多く、安否確認のほかにも健康状態や生活の困りごとなどをヒアリングして記録に残します。

デメリットは緊急時の対応には向いていないことと、訪問頻度が増えるほど料金も高くなるため、経済的負担が大きくなってしまうことです。また、高齢者のなかには訪問をわずらわしく思う人もいるかもしれません。

要チェック!注目の「訪問型見守りサービス」

郵便局「郵便局のみまもりサービス」
郵便局員による訪問を行う
料金例:月1回の訪問で月額2,500円

「センサー型」見守りサービス

様々なリスクを減らす「見守りサービス」とは?種類や最新サービス、選び方を紹介2

センサー型見守りサービスは、部屋にセンサー式の感知器を設置して、生活に異常が無いかを確認するタイプのサービスです。センサーが一定時間以上、冷蔵庫やトイレなど毎日使う家電の利用を感知しなかった場合、家族に通知が届きます。

家電メーカー、セキュリティ会社、ガス会社などが提供していることが多く、ライフスタイルに合わせた見守りができます。ただし、もし何かあった時にリアルタイムで状況を把握することができないため、緊急時の訪問型と組み合わせたサービスもあります。

要チェック!注目の「訪問型見守りサービス」

KDDI「かんたん見守りプラグ」
コンセントに差すだけで部屋の調湿度・動作などをモニタリング
料金例:本体価格8,800円 月額539円
「セコム駆け付けサービス」のオプションが1回あたり5,500円(税込)/30分で申し込み可能

「オート電話・オートメール型」見守りサービス

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オート電話・オートメール型見守りサービスは、定期的に電話やメールで高齢者の状況を知ることができるサービスです。決まった曜日や時間帯に自動音声で安否確認の電話を受けて、家族はメールで応対の内容を受け取ることができます。料金が比較的リーズナブルで、電話があれば導入しやすいのがメリットです。

ただし、細かい変化については分かりにくく、訪問型見守りサービスと同じく、電話に出ることをわずらわしく思う人もいるかもしれません。

要チェック!注目の「オート電話・オートメール型見守りサービス」

グランフーズ「らいふコール」
料金例:初期費用0円 月額150円+選択曜日数×50円(固定電話の場合)

「カメラ型」見守りサービス

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カメラ型見守りサービスは、自宅にカメラを設置して見守ることができるサービスです。高齢者の様子を目視できるため、緊急時もどのような異変が起きたのかが分かります。カメラを通して家族との会話を楽しんだり、コミュニケーションが取れたりするタイプもあります。

しかし、プライバシーの面で抵抗感のある方も多く、緊急時の応答や駆けつけには別途オプションを申し込む必要があります。そのため、費用も高くなりがちです。

要チェック!注目の「カメラ型見守りサービス」

ラムロック「みまもりCUBE」
料金例:1年プラン月額5,940円 短期プラン月額7,920円

「宅配型」見守りサービス

様々なリスクを減らす「見守りサービス」とは?種類や最新サービス、選び方を紹介2

宅配型見守りサービスは、食事を宅配するときに安否や健康状態などを確認するサービスです。見守りだけでなく、栄養や塩分に配慮したメニューで高齢者の健康をサポートできるというメリットもあります。

ただし、指定の時間のみの配達になるため緊急時の対応には向いておらず、介護や医療に関する細かいサービスは期待できません。さらに、食事を作る必要がなくなることで、生活に張り合いを失ってしまう高齢者もいるかもしれません。

要チェック!注目の「宅配型見守りサービス」

ワタミ「ワタミの宅食 みまもりサービス」
緊急時や3時間以上連絡がつかない場合は親族もしくは地域の視線センターなどに連絡
料金例:1食390円+平日(平均20.5日)の場合月額3,300円週1日の場合月額1,000円

賃貸住宅にも導入しやすい見守りサービスは?

見守りサービスは次々に新しいアイデアが取り入れられ、昨今の孤独死の増加などから、大家さんからもアプローチしやすいサービスが登場してきています。

例えば、アプリを入居者に入れてもらうことで、設定した時間(24時間・36時間・48時間)内で全くスマホが動かなければ管理元の会社に通知が入り、安否確認を行う「もし活」(Good Service)がリリースされました。利用料は年間500円。開発したのは遺品整理や孤独死の特殊清掃などの業務を行う会社で、実情に即したサービス内容になっているのではと期待できます。

電球のON/OFFで異常を検知し、依頼に応じて宅配スタッフが代理で訪問してくれるヤマト運輸の「クロネコ見守りサービス」は初期費用0円、月額1,078円。電球の取り付けだけで利用できるため、賃貸住宅への導入もしやすくなっています。

目的に合った見守りサービスを導入しよう

様々なリスクを減らす「見守りサービス」とは?種類や最新サービス、選び方を紹介2

見守りサービスの内容や料金は様々で、入居者の状況も人それぞれです。起きてほしくない、もしものときの話になるため、見守られる側にとっては敏感な問題でもあり、なかには拒否感を表す入居者もいるでしょう。

そんなときのためにも、入居者の状況に応じて複数の見守りサービスを用意しておくことで、選択肢ができて加入してもらいやすくなります。また、本人だけでなく、可能であれば入居者の家族にもサービス内容やシステムを説明し、納得してもらうようにしましょう。

日頃からどんな見守りサービスがあるのかをリサーチし、比較検討ができるようにしておくことをおすすめします。

※この記事内のデータ、数値などに関して本記事は、2024年1月23日時点の情報をもとに制作しています。

取材・文/石垣 光子

ライタープロフィール
石垣 光子(いしがき・みつこ)
情報誌制作会社に10年勤務。学校、住宅、結婚分野の広告ディレクターを経てフリーランスに。ハウスメーカー、リフォーム会社の実例取材・執筆のほか、リノベーションやインテリアに関するコラム、商店街など街おこし関連のパンフレットの編集・執筆を手がけている。

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