写真では良く見えてもダメ?内見で“即アウト“にされるポイントを調査データから検証

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公開日:2026年3月17日
更新日:2026年3月17日
写真では良く見えてもダメ?内見で“即アウト“にされるポイントを調査データから検証1

物件選びでは、家賃や立地、間取りなどの条件が重視されがちですが、実際の入居判断を大きく左右するのは「内見時の第一印象」です。(株)AZWAYが住まい探し経験者を対象に行った調査によると、内見の序盤で半数以上が物件を候補外にしていることが明らかになりました。室内のにおいや水まわり、共用部の管理状況など、入室してすぐに感じる要素が判断を分けています。調査結果をもとに、賃貸オーナーが押さえておくべき「即アウト回避」のポイントを整理します。

内見データから見える住まい探しのリアル

今回の調査では、回答者341人のうち直近2年以内に内見を経験した人は45.7%でした。半数以上は内見をしていない結果となり、住み替えの頻度自体はそれほど高くないことがわかります。

写真では良く見えてもダメ?内見で“即アウト“にされるポイントを調査データから検証2

グラフ画像の引用元:「住まい探しに関するアンケート」|(株)AZWAY

一方で内見経験者に限ると、2〜3件程度の物件を見て比較するケースが最も多く、物件選びの際に一定数の内見が行われている実態も確認されました。

多くの人は短期間のうちに複数の物件を見比べながら判断しており、内見の回数は多くても数件程度にとどまります。このことから、入居者が物件と接触する機会は限られており、その短い時間の中で印象が大きく左右される可能性が高いと言えるでしょう。つまり賃貸住宅の経営観点では、内見時の印象をいかに良くするかが重要となります。

室内の清潔感や共用部の管理状況など、短時間で伝わるポイントを整備しておくことが、入居を検討する土台を作るうえで欠かせません。

室内に「入った瞬間」で決まる?候補外判断は内見序盤に集中

内見中に物件を候補から外したいと感じるタイミングについて調査したところ、「入室前」「入室直後」「1〜2部屋を見てから」と、序盤の段階で判断する人が半数以上を占めました。

写真では良く見えてもダメ?内見で“即アウト“にされるポイントを調査データから検証2

グラフ画像の引用元:「住まい探しに関するアンケート」|(株)AZWAY

具体的には、入室前に判断する人が27.0%、入室直後が7.3%、1〜2部屋確認した段階が20.5%で、合計すると54.8%が内見の序盤で「候補外」と判断しています。

一方で、すべての部屋を見終えてから判断する人は約3割にとどまりました。この結果は、入居者が細かな設備の比較よりも、第一印象で「住めそうかどうか」を見極めている可能性を示しています。

外観や共用部、玄関の雰囲気など、物件に入る前後の短い時間で印象が形成されるため、管理状態や清掃状況が大きな影響を与えることが考えられます。賃貸住宅の経営者にとっては、室内だけでなく建物全体の印象を整えることが、内見後の検討継続につながります。

におい・水まわりは即アウトに直結する

内見時に「これがあると候補外になる」と感じる条件では、室内のにおいが64.8%で最も多く、次いで水まわりの汚れや古さが63.6%、日当たりの悪さが57.5%と続きました。これらはいずれも入室してすぐに体感できる要素であり、内見の第一印象を左右する重要なポイントです。

写真では良く見えてもダメ?内見で“即アウト“にされるポイントを調査データから検証2

特に「におい」は写真では伝わらない要素であり、タバコ臭やカビ臭、ペット臭などが残っていると、その時点で候補外になる可能性が高まります。また、水まわりは生活に直結する設備であるため、古さや汚れが目立つと生活の快適性への不安につながりやすいと考えられます。

賃貸住宅の経営観点では、入居前の徹底した清掃や消臭、必要に応じた設備交換などを行うことで、こうしたマイナス印象を大きく軽減することが可能となります。費用をかけたリフォームでなくても、清潔感の維持だけで印象が改善されるケースも少なくありません。

害虫や騒音など生活環境の不安要素

写真では良く見えてもダメ?内見で“即アウト“にされるポイントを調査データから検証2

調査では、害虫への不安や騒音、共用部の管理状態なども5割前後の回答を集めました。害虫は実際に見た場合だけでなく、対策が十分でないと感じた時点でも不安要素となります。

また、道路や線路に近い立地の場合は、内見時に騒音を体感することで生活のイメージが現実的になり、候補外となるケースもあります。さらに共用部の清掃状態やゴミ置き場の管理状況も重要です。廊下や階段が汚れていたり、ゴミが散乱していたりすると、建物全体の管理体制への不安につながる可能性があります。

入居者にとっては室内だけでなく建物全体が生活空間であり、共用部の状態から住民のマナーや管理の質を推測することも多いと考えられます。

賃貸住宅の経営視点からは、こうした生活環境の不安を減らすための定期清掃や管理体制の見直しが、入居率の維持にも影響してくるでしょう。

視覚と直感が左右する「第一印象の力」

即アウトと判断する際の決め手として最も多かったのは「視覚」で39.3%でした。部屋に入った瞬間の明るさや清潔感、設備の状態などを見て判断する人が多いことがわかります。

写真では良く見えてもダメ?内見で“即アウト“にされるポイントを調査データから検証2

グラフ画像の引用元:「住まい探しに関するアンケート」|(株)AZWAY

次いで「直感・雰囲気」が22.9%となり、理由を明確に説明できなくても「なんとなく合わない」と感じるケースも少なくありません。この結果は、物件選びが必ずしも論理的な比較だけで決まるわけではなく、空間の雰囲気や印象といった「感覚的」な要素が強く影響することを示唆しています。

照明の明るさや室内の整理状況、窓からの光の入り方など、視覚的な印象を整えるだけでも雰囲気は大きく変わります。賃貸住宅の経営者にとっては、内見時の空間演出も重要な要素であり、カーテンを開けて光を入れる、照明を点灯しておくといった小さな工夫が、第一印象を大きく改善することにつながります。

家賃では覆らない入居者の「絶対NG」条件

即アウト条件がある場合、家賃がどれくらい安くなれば再検討するかという質問では、「どれだけ安くても無理」という回答が41.3%で最多となりました。つまり、一定数の人にとっては家賃の安さよりも生活環境の快適さが優先されるということです。

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グラフ画像の引用元:「住まい探しに関するアンケート」|(株)AZWAY

一方で、約3割は「清掃や設備交換など改善されるなら検討する」と回答しており、値下げよりも問題が解決されるかどうかが重要な判断基準になっていることもわかります。

これは賃貸住宅を経営するにあたって示唆に富んだ結果となっています。つまり、空室対策として家賃を下げる方法が取られることもありますが、必ずしもそれが最も効果的とは限らないということ。

むしろ設備の更新や清掃、管理状態の改善によって物件の印象を高める方が、入居の検討につながる可能性があります。価格競争だけに頼らない空室対策が求められていると言えるでしょう。

内見する前の情報と現地とのギャップ問題

今回の調査では、内見前の情報と実際の印象にギャップがあったと回答した人は83.3%にのぼりました。特に「30〜40%程度のギャップがあった」という回答が最多となり、多くの人が事前情報と現地の印象の違いを感じていることがわかります。

写真では良く見えてもダメ?内見で“即アウト“にされるポイントを調査データから検証2

グラフ画像の引用元:「住まい探しに関するアンケート」|(株)AZWAY

写真では広く見えた部屋が実際には狭く感じたり、明るく見えた室内が想像より暗かったりするなど、情報の伝わり方による差が影響している可能性があります。こうしたギャップは、期待値を下回った場合に大きなマイナスの印象につながってしまいます。

賃貸住宅の経営においては、過度に魅力的に見せるよりも、実際の状態に近い情報を提示することが重要です。現地との印象差を減らすことが、内見時の満足度や信頼感の向上にもつながり、結果として入居判断にも好影響を与えるでしょう。

まとめ

今回の調査から、入居者の判断は内見のごく序盤で行われ、第一印象が入居可否を大きく左右していることがわかりました。

特に、においや水まわり、共用部の管理状態といった「入室してすぐに体感できる要素」は、家賃の安さでは覆せない判断材料となっています。

空室対策として重要なのは、値下げよりも内見時の体感品質を高めること。基本的な清掃や管理の見直しが、入居率改善につながる鍵と言えるでしょう。

※この記事内のデータ、数値などに関する情報は2026年2月時点のものです。

取材・文/御坂 真琴

ライタープロフィール
御坂 真琴(みさか・まこと)
情報誌制作会社に25年勤務。新築、土地活用、リフォームなど、住宅分野に関わるプリプレス工程の制作進行から誌面制作のディレクター・ライターを経てフリーランスに。ハウスメーカーから地場の工務店、リフォーム会社の実例取材・執筆のほか、販売促進ツールなどの制作を手がける。

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