検索データから読む関西の賃貸市場。江坂が首位、トップ100の約7割は大阪に。需要が集まるエリアの条件とは

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公開日:2026年3月18日
更新日:2026年3月18日
検索データから読む関西の賃貸市場。江坂が首位、トップ100の約7割は大阪に。需要が集まるエリアの条件とは1

初の1位となった江坂駅周辺

賃貸住宅市場では、実際に「検索されている街」が入居ニーズの変化を映し出します。今回、ニフティ不動産が公表した「注目の街ベスト100ランキング2026(関西版)」では、江坂が初の首位を獲得し、他にも大阪市内の利便性の高いエリアが上位を占めました。一方で、家賃水準や行政支援、通勤利便性など複数の要素を重視する傾向も鮮明になっています。ここではランキングの特徴を整理しながら、賃貸住宅の経営者の視点から注目すべきエリア傾向や市場ニーズの変化を読み解いていきます。

データの読み方:このランキングは“入居検討の初期行動”を映す

検索データから読む関西の賃貸市場。江坂が首位、トップ100の約7割は大阪に。需要が集まるエリアの条件とは2

図版の出典元:「\みんなが見ている/注目の街ベスト100!年間ランキング2026|賃貸・関西版」|ニフティ不動産

今回のランキングでは、大阪市中心部へ直通できる路線・沿線が上位を占めました。特に御堂筋線沿線の存在感は大きく、「江坂(1位)」「新大阪(3位)」「東三国(4位)」「南方(10位)」などが上位に並びました。御堂筋線は大阪を南北に貫く主要路線であり、「梅田・なんば・天王寺」といった主要ターミナルへ乗り換えなしでアクセスできる点が最大の強みです。

賃貸市場においては「通勤時間の短さ」が依然として重要な選択基準であり、都心部への直結路線は検索数が安定して多い傾向があります。また、御堂筋線沿線は企業オフィスや商業施設が集積しているため、単身者の居住需要が厚い点も特徴です。

オーナー視点では、こうした路線ブランドがあるエリアは空室リスクが比較的低く、家賃水準も維持されやすい傾向があります。立地条件が賃貸需要を長期的に支える典型例と言えるでしょう。

江坂が初の首位、御堂筋線沿線が上位。“都心直結×生活利便”の強さ

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図版の出典元:「\みんなが見ている/注目の街ベスト100!年間ランキング2026|賃貸・関西版」|ニフティ不動産

今回1位となった江坂は、梅田まで約10分というアクセスの良さに加え、生活利便施設の充実さが評価されたエリアです。駅周辺には商業施設や飲食店が多く、オフィス街としての機能も持っています。そのため、単身者だけでなく、DINKS層や転勤者など幅広い層の需要が見込めます。

さらに江坂は、新大阪駅へのアクセスも良く、新幹線利用が多いビジネス層にも利便性が高い立地です。物件数も多いため、賃貸ポータルサイト上での検索数が増えやすい点もランキング上昇の要因と考えられます。

賃貸経営の観点では、江坂のように「交通利便性」「生活利便性」「物件供給量」が揃ったエリアは安定した入居需要が期待できます。こうした条件が整ったエリアは今後も検索上位に位置する可能性が高いと言えるでしょう。

大阪への関心が一段と強まる。トップ100の約7割を大阪が占有

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図版の出典元:「\みんなが見ている/注目の街ベスト100!年間ランキング2026|賃貸・関西版」|ニフティ不動産

ランキングでは大阪府のランクイン数が前年の62エリアから69エリアへ増加し、大阪市内への関心の高まりが見られました。特に「京橋(18位→7位)」「玉造(33位→13位)」「あびこ(41位→20位)」など、市内でも比較的家賃を抑えられるエリアが大きく順位を上げています。

背景には、物価上昇や生活コストの高騰があります。交通費や時間コストを抑えるため、通勤時間を短縮できる都市部への居住ニーズが高まっている可能性が示唆されています。

一方で、大阪中心部の家賃は上昇傾向にあるため、少し外側の住宅地に需要が移る動きも見られます。これは「都心近接型の住宅地」が改めて注目されていることを意味します。

賃貸住宅の経営者にとっては、こうしたエリアは将来的な家賃維持にも期待できるため、立地を選定する際の重要な指標となるでしょう。

急上昇の理由とは?都心へのアクセス+手頃な家賃が支持要因

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図版の出典元:「\みんなが見ている/注目の街ベスト100!年間ランキング2026|賃貸・関西版」|ニフティ不動産

急上昇ランキングでは、「鳳(115位→53位)」「神崎川(126位→75位)」などのエリアが大幅に順位を上げました。これらのエリアは大阪中心部からやや距離があるものの、交通アクセスが良く、家賃が比較的安い点が特徴です。

検索データから読む関西の賃貸市場。江坂が首位、トップ100の約7割は大阪に。需要が集まるエリアの条件とは2

在来線・鳳駅の西出口

例えば、鳳は天王寺まで快速で約14分と利便性が高く、生活施設も整っています。こうした「都市近郊型の住宅地」は、家賃と通勤利便性のバランスを求める層から支持を集めやすい傾向にあります。

近年は物価上昇の影響もあり、家賃コストを抑えたい層が増えています。その結果、これまで注目度が高くなかったエリアが再評価されるケースも増えています。

賃貸市場では、このような“穴場エリア”の需要変化を把握することが、賃貸経営における物件選定や運用戦略において重要になっています。

兵庫は相対的に順位を落とす一方、“住環境良好な住宅地”は粘り強い

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図版の出典元:「\みんなが見ている/注目の街ベスト100!年間ランキング2026|賃貸・関西版」|ニフティ不動産

検索データから読む関西の賃貸市場。江坂が首位、トップ100の約7割は大阪に。需要が集まるエリアの条件とは2

「今回のランキングでは、兵庫県のエリアが順位を下げるケースが目立ちました。「三ノ宮(2位→11位)」や「神戸(4位→27位)」などの主要エリアも順位を落としており、検索トレンドが大阪寄りにシフトしている可能性があります。

理由として考えられるのは、通勤利便性と家賃水準のバランスです。大阪市内に比較的手頃な住宅地が存在するため、兵庫県より大阪府内を選ぶ層が増えていると考えられます。

ただし、「武庫之荘(5位)」など住環境の良い住宅地は依然として人気を維持しています。兵庫県の住宅地は落ち着いた住環境や教育環境が評価されており、ファミリー層からの需要は安定しています。

そのため、エリア特性によって需要層が明確に分かれている点が特徴と言えるでしょう。

家賃重視層が選ぶ「1K5万円以下」の低価格エリアに注目

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ランキングでは、家賃が低いエリアにも一定の検索数が集まっています。「上新庄(2位)」「香里園(24位)」「寝屋川市(26位)」「明石(30位)」などは、1Kで5万円以下という比較的手頃な水準です。

こうしたエリアは、学生や若年の社会人、単身赴任者などコストを重視する層から支持される傾向が強いです。また、交通アクセスが一定水準以上であれば、多少都心から離れていても需要が生まれます。

特に関西では私鉄沿線に住宅地が広がっており、都心への通勤圏内で家賃を抑えられる地域が多く存在します。

賃貸経営の観点では、低家賃帯のエリアは入居者層が広く、空室リスクが比較的分散される特徴があります。長期的な安定経営を考えるうえで注目すべき市場と言えるでしょう。

ファミリー層が重視する「2LDK10万円以下」の人気エリア

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武庫之荘駅(南口)

ファミリー向け賃貸では、広さと家賃のバランスが重視されています。ランキングでも、2LDKで10万円以下のエリアが注目されています。

「武庫之荘(5位)」「草津(15位)」「寝屋川市(26位)」「伊丹(31位)」などは、通勤圏内でありながら家賃を抑えられる点が魅力です。特に草津は京都・大阪双方へ通勤可能な立地であり、近年人口が増加しています。

ファミリー層は学校や行政サービス、治安なども重視するため、住環境の良さが評価されやすい傾向があります。

賃貸オーナーにとっては、こうしたエリアでは長期入居が期待できるため、空室率の低下につながる可能性があります。単身者向けとファミリー向けの需要構造を理解することが重要です。

子育て支援など行政の手厚さが街選びを左右する要素に

ランキングでは、行政による子育て支援制度が街選びの要素として注目されています。「武庫之荘(5位)」や「草津(15位)」などは、子育て支援や教育環境の整備が評価されている地域です。

近年は自治体ごとに住宅支援制度や医療費助成制度の充実度が異なるため、居住地選択の重要な判断材料となっています。

ファミリー層は長期居住を前提に住まいを選ぶため、自治体のさまざまな施策が住宅需要に影響を与えるケースも多くなってきています。

賃貸住宅の経営者にとっても、自治体の人口政策や住宅支援制度を把握することが、将来的な需要を予測するうえで重要になるでしょう。

まとめ

今回のランキングから見えてくる関西エリアの賃貸市場の特徴は、「交通利便性」「家賃水準」「生活環境」の3要素をバランスよく重視する傾向にあります。特に大阪市内の交通利便性の高いエリアは依然として人気が高く、御堂筋線沿線のような都心に直結する路線は安定した需要を維持しています。一方で、家賃上昇や生活コストの増加を背景に、都市近郊の比較的リーズナブルな住宅地が再評価される動きも見られます。

また、単身者向けの低家賃エリアと、ファミリー層向けの住環境を重視するエリアで需要の構造が分かれている点も特徴です。行政による子育て支援や都市開発の進展など、地域ごとの政策や環境が住宅需要に与える影響も大きくなっています。

賃貸住宅経営の視点では、単純な人気ランキングだけでなく、その背景にある居住ニーズの変化を読み解くことが重要です。交通利便性の高い都市近接エリアと、家賃を抑えた郊外住宅地の双方に需要が分散する現在の市場では、立地特性とターゲット層を明確にした物件戦略が求められています。検索データは、今後の入居ニーズを示す重要な指標として活用できるでしょう。

※この記事内のデータ、数値などに関する情報は2026年2月時点のものです。

取材・文/御坂 真琴

ライタープロフィール
御坂 真琴(みさか・まこと)
情報誌制作会社に25年勤務。新築、土地活用、リフォームなど、住宅分野に関わるプリプレス工程の制作進行から誌面制作のディレクター・ライターを経てフリーランスに。ハウスメーカーから地場の工務店、リフォーム会社の実例取材・執筆のほか、販売促進ツールなどの制作を手がける。

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