2023年に東京のシングル向き賃貸で問合せが急上昇した駅は？

不動産情報のポータルサイトである「LIFULL HOME’S」が、一都三県におけるシングル向き賃貸物件の問合せ数が前年度から増えた駅を調査し「人気の上がった駅ランキング（シングル編）」として発表しました。

それによると、東京都の「人気の上がった駅ランキング」上位5位は以下のようになっています。

東京の新名所・麻布台ヒルズ

1位は「神谷町」で、問合せが190.1%と2倍近く上昇。港区にあり、シングルの家賃相場が14万円と決して安くはありませんが、LIFULL HOME’Sが街の特長や住んでいる人の口コミをまとめた『まちむすび』では「治安が良い」「交通利便性が高い」といったコメントが見られました。

また、麻布台ヒルズ森JPタワーが2023年11月に開業したことで「その最寄りに居住したいという若年単身者層のニーズが反映されている」と分析されています。同じ港区では6位に「芝公園（都営三田線）」がランクインしました。

7位以下は「荏原町（品川区/東急大井町線）」「京成関屋（足立区/京成本線）」「田原町（台東区/東京メトロ銀座線）」と続きます。普通列車しか停車しないなどの理由で家賃相場は低いものの、主要駅にアクセスしやすい駅が人気です。

10位の「中央大学・明星大学（八王子市/多摩モノレール）」は、駅名の通りの２大学の他、帝京大学も徒歩圏内です。リモート授業が終わり、通学しての講義受講が必要になった学生の需要が反映されています。

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神奈川の1位は唯一の前年度比200％超え！京急線の注目度がアップ

神奈川県の注目度が上がった駅ランキング上位5位は以下の通りです。

東神奈川駅周辺

神奈川県では、一都三県で唯一の200%超えとなった「京急東神奈川（旧：仲木戸）」が1位となっています。シングルの家賃相場は8万6,000円で、神奈川のトップ10の中でも高めです。2駅（2分）で横浜にアクセスすることができ、「JR東神奈川」も隣接しているためJR横浜線・JR京浜東北線も利用できます。

他に京急本線からは3位の「花月総持寺（旧：花月園前）」、8位の「京急新子安」がランクインしており、いずれも横浜駅から近い駅です。

京急では他に、京急大師線から5位「川崎大師」、同6位「鈴木町」「港町」、9位「小島新田」がランクイン。線内折り返しの普通列車のみが走る京急大師線沿線は家賃相場が安く、多くの商業施設が揃う京急川崎が起点となります。

2位の「武蔵溝ノ口」はJR「溝の口」と隣接する駅。両駅でJR南武線、東急田園都市線、東急大井町線の3路線が利用可能でき、渋谷まで約18分、川崎まで約22分と東西どちらにもアクセスしやすい立地です。

神奈川県のトップ10は、4位の「上溝（相模原市）」以外はすべて横浜市と川崎市の駅でした。

千葉や京成千葉にアクセスしやすい駅が上位を占める千葉

市川真間駅

前年度比183.1%と、千葉県では大きく問合せ件数を伸ばした1位の「市川真間」。家賃相場はシングルで7万3,000円、徒歩圏内にあるJR総武本線の快速停車駅「市川」から東京まで5駅（20分）で行くことができます。千葉商科大学、和洋女子大学が近くにあり、学生ニーズも高い駅です。

6位以下は「船橋競馬場（船橋市/京成本線）」「千葉みなと（千葉市/JR京葉線・千葉都市モノレール）」「舞浜（浦安市/JR京葉線）」、「大森台（千葉市（京成千原線・京成千葉線））「姉ヶ崎（市原市/JR内房線）」でした。

千葉県の大型ターミナル駅「千葉」や千葉に隣接する「京成千葉」へのアクセスが良い駅が人気のようです。

埼玉では複数路線が利用できる駅の近隣駅が多くランクイン

北朝霞・朝霞台周辺

1位の「北朝霞」は東武東上線の「朝霞台」と隣接しており、池袋まで4駅（22分）で行くことができます。JR武蔵野線はJR中央線・西武池袋線・JR京浜東北線・根岸線など、都心から放射状にのびる多くの路線と接続しており、交通利便性の割には家賃相場6万3,000円とコスパが良い駅です。

大宮付近で3位「指扇」と8位「東大宮」、所沢付近で6位「航空公園」と10位「小手指」、川越付近で7位「的場」、東川口付近で2位「浦和美園」と、複数路線が利用できる駅の近隣駅が多くランクインしていることも埼玉の特徴です。

シングルは東京副都心・城東地区での賃料上昇率が大きい

物価上昇のなか、2024年1〜3月繁忙期の賃料はどうだったのでしょうか。(株) いえらぶGROUPの市場動向同調査を見てみましょう。

同調査では専有面積30㎡以下を「シングル」として集計しており、2K以下をシングルとしているLIFULLよりも平均賃料が安めではありますが、やはり東京都の賃料上昇幅が最も大きくなっており、都心回帰への動きが見てとれます。

駅ランキングでもターミナル駅から数駅先の賃料が安価な駅が注目されていますが、三県でも東京方面へのアクセスがしやすい駅が上位です。

特に神奈川県は+7.4%と、東京都に次ぐ賃料上昇率です。「人気の上がった駅ランキング」トップ10のうち6駅が川崎市の駅であったことからも、都内への通勤利便性を考えた部屋探しの結果、エリア内で比較的リーズナブルな駅に注目が集まっていると思われます。

東京23区内に限った場合、シングルタイプの賃料上昇率は副都心地区（新宿区、文京区、渋谷区、豊島区）の13.8％と城東地区（台東区、墨田区、江東区、荒川区、足立区、葛飾区、江戸川区）の11.8%が大きくなっています。

東京の「人気の上がった駅ランキング」では1位「神谷町（東京メトロ日比谷線）と6位「芝公園（都営三田線）」が港区の駅でした。港区の家賃上昇率は、昨年同時期と比べて2.3％。元々の賃料相場が高めとはいえ、23区全体の8.6%と比べると穏やかなため、注目度がやや上がったのかもしれません。

東京23区内に限った場合、シングルタイプの賃料上昇率は副都心地区（新宿区、文京区、渋谷区、豊島区）の13.8％と城東地区（台東区、墨田区、江東区、荒川区、足立区、葛飾区、江戸川区）の11.8%が大きくなっています。

東京の「人気の上がった駅ランキング」では1位「神谷町（東京メトロ日比谷線）と6位「芝公園（都営三田線）」が港区の駅でした。港区の家賃上昇率は、昨年同時期と比べて2.3％。元々の賃料相場が高めとはいえ、23区全体の8.6%と比べると穏やかなため、注目度がやや上がったのかもしれません。

まとめ

家賃が比較的安いターミナル駅から数駅先の普通停車駅への問合せが増えていることから、生活費の上昇が住まい探しに影響していることが分かりました。

賃料上昇については、東京都と神奈川県に比べると埼玉県・千葉県はゆるやかな印象で、どちらの調査結果にも、コロナ禍の落ち着きと都心回帰の動きが表れています。

今回はシングル向け賃貸物件を中心にご紹介しましたが、ファミリー向け物件についてもリリースされています。気になる方はぜひチェックしてみてください。

※この記事内のデータ、数値などに関する情報は2024年5月29日時点のものです。

文／石垣 光子

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