東京の賃貸住宅で犬猫と暮らしている4人に1人がペット不可物件に在住⁉ペットと住まいのアンケート調査

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公開日:2024年9月3日
更新日:2024年9月18日
東京の賃貸住宅で犬猫と暮らしている4人に1人がペット不可物件に在住⁉ペットと住まいのアンケート調査1

コロナ禍のペットブームもやや落ち着きを見せている昨今。所有物件をペット可にするかどうかで迷っている賃貸オーナーも多いかもしれません。ペット共生型賃貸マンションを企画開発する(株)プロフィッツから気になるアンケート調査結果が発表されました。内容を抜粋してご紹介しますので、判断の参考にしてみてください。

大家さんには衝撃!ペット不可賃貸なのに飼っている人が多数

アンケートは、東京都の賃貸住宅で犬・猫と暮らしている473人を対象にして行われています。「今の住まいが『ペット共生賃貸』『ペット可賃貸』『ペット不可賃貸』のどれに当てはまるか」を質問したところ、結果は以下の通りでした。

東京の賃貸住宅で犬猫と暮らしている4人に1人がペット不可物件に在住⁉ペットと住まいのアンケート調査2

出典:ペットと住まいの調査|(株)プロフィッツ

驚くことに、調査対象者に限ると、4人に1人は『ペット不可賃貸』でペットを飼っているということになります。

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住まい選びで重視したポイント「ペット可」は2位

次に、「今の住まいを選ぶ際に最も重視したもの3つ」を聞いたところ、次のような結果になりました。

東京の賃貸住宅で犬猫と暮らしている4人に1人がペット不可物件に在住⁉ペットと住まいのアンケート調査2

出典:ペットと住まいの調査|(株)プロフィッツ

最も多かった答えは『立地が良い』で、およそ半数の人が回答しています。次いで『ペットが飼える』28.1%、『希望の賃料である』23.0%という結果になりました。

今の住まいに住み始めた時点ではペットを飼っていなかった人を一定数含む可能性があるとはいえ、『ペットが飼える』は1位ではありませんでした。

東京の賃貸住宅で犬猫と暮らしている4人に1人がペット不可物件に在住⁉ペットと住まいのアンケート調査2

その他、ペットに関する項目で重視した条件は『ペット飼育用設備がある』6.6%、『動物病院が近くにある』3.6%、『多頭飼いができる』2.5%、『大型犬が飼える』1.9%でいずれも少数派となっています。

東京の賃貸暮らしでペットファーストの住まい探しをしている人は少ないようです。

ペットとの暮らしにおけるお悩み第1位は「吠えること」

東京の賃貸住宅で犬猫と暮らしている4人に1人がペット不可物件に在住⁉ペットと住まいのアンケート調査2

「飼育に関する悩み」についての質問では、『悩みはない』という回答が最多でしたが、悩みの中では『吠えること』が1位でした。次いで『ペットの健康』『不在時の心配』『飼育費用がかかる』が続きます。

今回の調査対象者全体の中で、犬を飼っている人は7割弱。そのうち小型犬を飼っている人は73.6%で、中型犬は20.2%。大型犬を飼っている人も6.1%いました。猫より犬を飼っている人の方が多いことから、吠え声が上位に上がったのかもしれません。

また、3位の『不在時の心配』からは、回答者が1人暮らしであることが読み取れます。同調査では『小型犬や猫であればこっそり飼えてしまう現実がある一方で、「立地や家賃条件を満たしながら、ペットとともに暮らす環境を用意する難しさ」が存在している』とまとめています。

ペットブームは収束?しかし単身男性の猫飼育率は増加

東京の賃貸住宅で犬猫と暮らしている4人に1人がペット不可物件に在住⁉ペットと住まいのアンケート調査2

ところで、コロナ禍でペットを飼い始める人が増えたと言われていますが、現在はどのような状況なのでしょうか。(一社)ペットフード協会が毎年おこなっている『全国犬猫飼育実態調査』の2023年の結果を見てみましょう。

同調査によると、犬の飼育頭数は約6,844千頭で2016年から下がり続けています。猫の飼育頭数は約9,069千頭。前年より上がりましたが、ここ10年は横ばいの状態。新規飼育頭数は犬・猫ともに昨年より減少しています。

年代・性別・家族構成別で飼育率を見てみると、犬の飼育率は2019年以来低下を続けています。しかし猫については飼育率が上がっている世帯も多く、特に単身男性の60-70代は直近5年で最も高くなっています。

また、現在の飼育者を含めない新規飼育意向(年代別)については、犬は20代以外の年代で下がっていますが、猫は30代、60代、70代で前年より上昇しました。

犬のように散歩をさせる必要がなく室内飼いが主流の猫は、高齢者でも飼いやすいという認識なのかもしれません。この調査では持ち家or賃貸などといった居住形態はわかりませんが、単身高齢者が猫を飼う(もしくは飼いたい)というケースは今後増えてきそうです。

まとめ

東京の賃貸住宅で犬・猫を飼っている人のうち4人に1人は『ペット不可賃貸』に住んでいるという結果に驚いた方も多いのではないでしょうか。

とはいえ、ペット可賃貸住宅がまだまだ少ないのも事実。賃貸ポータルサイトで検索してみたところ、東京23区内のペット可(相談)物件の割合は総物件数の約24%※でした。立地や賃料など、他に優先するべき条件がある場合、「バレなければいい」という考えの人も一定数いるということなのでしょう。

ペット不可物件でペットを飼うことは、家を傷める・鳴き声で他の住民に迷惑をかけるといった問題以外にも、散歩や通院が思うようにできないなど、ペット自身にとっても不幸な状態です。動物の保護団体では、里親希望者が賃貸在住である場合、ペット可住宅であることの証明を求められる場合もあります。

また、ペット可物件であっても契約外の飼育やその果ての多頭飼い崩壊などを防ぐために、入居時や飼育開始時にペットの写真提出を求める賃貸オーナーもいるようです。

ペットを飼っている人も、ともに暮らすペットも、一方で動物が苦手な人も、それぞれが快適な住まいを選び、求める権利をもっています。安易に飼わないこと、飼うならばルールを守ることを徹底したいものです。

※2024年9月3日時点 不動産・住宅情報サイトLIFULL HOME’S 検索条件「東京23区」「ペット可(相談)」の検索結果:37,548件 / 検索条件「東京23区」の検索結果:155,461件

※この記事は2024年9月3日時点の情報をもとに作成しています

記事・文/石垣 光子

ライタープロフィール
石垣 光子(いしがき・みつこ)
情報誌制作会社に10年勤務。学校、住宅、結婚分野の広告ディレクターを経てフリーランスに。ハウスメーカー、リフォーム会社の実例取材・執筆のほか、リノベーションやインテリアに関するコラム、商店街など街おこし関連のパンフレットの編集・執筆を手がけている。

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