繫忙期の大家さん必見!今すぐできて、手軽で、効果的な空室対策アイデア
繁忙期に入居が決まらないと入退去の動きが止まり、空室が長期化するおそれも。今すぐできる空室対策を行って、成約につなげましょう!
空室を埋めるために、今できることを即実行
不動産繁忙期は空室解消の勝負どき。ここでなんとしても部屋を埋めたいと考えているオーナーは多いでしょう。ただし、管理会社や仲介会社に任せきりにしているようでは、状況は改善しません。
仲介会社に「この物件なら紹介しやすい」と思ってもらえるよう、オーナー自身でもできることがあるので取り組んでみることが大切です。この記事では、思い立ったらすぐに行動に移せるアイデアを一挙に紹介します。なかには多少コストがかかる対策も含まれていますが、ぜひ参考にしてみてください。
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最低限やっておきべき対策
まずは、最低限やっておくべき対策をご紹介します。まだ対応していない人は、ここから始めましょう。
物件の第一印象を良くする
まずはネガティブな面を解消し、物件の第一印象を良くすることからスタートしましょう。ポイントは3カ所の共用部。「エントランス」、「ゴミ置き場」、「駐輪場」を整備することが最も重要です。
この3か所の整備がされていない状態だと、管理が行き届いていないイメージを持たれて、入居を敬遠されてしまいます。気になるところは手入れをして、きれいに保つように心がけましょう。
- 集合ポストからチラシがあふれていませんか?
- 集合ポストからあふれたチラシが、床に散乱していませんか?
- ゴミ置場が荒れて不衛生になっていませんか?
- 駐輪場が乱れていませんか?
空き室の状態を確認して清潔感を維持
空室が長引く間にホコリが溜まったり、室内に臭いがこもりがちです。特に浴室・トイレ・キッチンなど水まわりの汚れや臭いは不快感を与えてしまうので、いつ内見があっても大丈夫なように換気と掃除を行いましょう。排水管の封水切れにも注意してください。
- 室内に臭いがこもっていませんか?
- 水まわりに臭いや汚れはありませんか?
- 排水トラップの水がなくなっていませんか?
設備類を点検する
設備類の点検も忘れずに行いましょう。見るからにいつ壊れてもおかしくないような老朽化した設備は、内見時に気になるもの。そのまませず、空室のタイミングで交換しておくことが賢明です。
- エアコンは問題なく動作しますか?
- 夕方や夜間の内見に備えて、照明がつくようにしていますか?
- 黄ばんだエアコンや明らかに古い型の設備、交換時期を過ぎている設備はありませんか?
募集内容の確認
ポータルサイトの募集内容も必ず確かめましょう。さらに、空室が長引いている場合は、家賃設定が妥当かどうかも冷静に見直してみてください。
- ポータルサイトに正確な内容で掲載されていますか?
- ポータルサイトの掲載内容は最新の情報になっていますか?
- ポータルサイトでは写真で物件の魅力や特徴がしっかり伝わっていますか?
- 周辺相場と比べて家賃は適正ですか?
すぐにできる! 空室対策アイデア6選
エントランス・共用部の整理・清掃
内見時の第一印象アップに欠かせない
内見者に「ここに住みたい」と思ってもらえる好印象を与えるために最も大切なのが清潔感です。特にエントランスは最初に目に入る場所。集合ポストに大量のチラシが差し込まれていたり、廊下にゴミが落ちていると内見者は住む気が失せてしまいます。常に清掃、整理整頓を心がけてください。
駐輪場の乱れも禁物。自転車の置き方が乱雑だと管理がおざなりで荒んだ物件に見えてしまいます。きちんと整理された状態を保つことで入居者全体のモラルもアップする相乗効果も!
初期費用ゼロ、フリーレント期間を設ける
費用をかけずに空室解消を狙うならコレ!
入居者に重くのしかかる初期費用を軽減することで、入居のハードルをグンと下げるのが、「敷金・礼金0円」や、一定期間の家賃を無料にする「フリーレント」。お部屋探しサイトで希望条件の項目にもなっているので、借り手に注目されやすく、家賃を下げなくても初期費用で「お得」を感じてもらうことで空室解消の即効性が大きく高まります。
「フリーレント」は、入居者にとって現在の部屋と新居で二重家賃が発生しないため、落ち着いて引越し準備をしたい人の決め手になりやすいのもポイントです。
集合ポストの交換
集合ポストを交換するだけで、エントランスの印象は見違えるほど変わります。交換する際は投函口のサイズや収納力にも配慮しましょう。インターネット通販でよく使われる、メール便が入るサイズにするのがおすすめです。
宅配ボックスをまだ設置していないのであれば、宅配ボックスと組み合わせて設置できる集合ポストへの交換もおすすめです。
防犯カメラの設置
入居者のセキュリティに対する意識が高まってきている中、賃貸物件における防犯対策は今や必須といえます。なかでも防犯カメラの設置は欠かせません。不審者が侵入するリスクが低減することから、特に女性入居者の成約率を高める効果があるでしょう。
暗い場所は人感センサーの設置も併せて検討することをおすすめします。
断熱性・防音性をアップ
住まいの中で熱の出入りが最も大きいのが開口部。断熱性、防音性の高い窓・玄関ドアに改修すれば、冬は暖かく夏は涼しい室内環境がかない、静かに過ごせて、内見時にもアピールできる。各種補助金も上手に活用しよう。
家具・家電付き
家具、家電付きの物件は引越し費用を大幅に抑えられるとあって、学生や初めて一人暮らしをする借り手に人気が高く、それを条件に探す人もいます。また、最近の若者に多い「持たない」価値観に応えることもできます。
ベッド・デスク・冷蔵庫・洗濯機・電子レンジ・電気ポットなど生活に必要な家具・家電を備え付けましょう。
工事が伴う場合は、事前調査が必要になったり、依頼先の状況によってはすぐに対応してもらえないこともあります。日程に余裕をもって取り組みましょう。
人気設備ランキングで入居者の動向もチェックしておこう
今の入居者はどんな設備を求めているのか、人気設備ランキングを見れば、部屋探しのトレンドが見えてきます。
1位 | インターネット接続料無料 |
2位 | 宅配ボックス |
3位 | モニタ付インターホン |
4位 | 通信速度の速いインターネット環境 |
5位 | オートロック |
5位 | 駐車場 |
7位 | 洗面所独立 |
8位 | 温水洗浄便座 |
9位 | 追い焚き機能 |
10位 | 防犯カメラ |
※アットホーム(株)『不動産のプロに聞いた!「2024 年上半期 問合せが増えた条件・設備~賃貸編~」ランキング』より
上位の無料インターネットや宅配ボックスは、かつては差別化ができる設備だったが、今はすでに「あって当たり前」になってきています。防犯面を気にする人が増えて、「モニタ付インターホン」の人気も高まりました。
改修をする際には温水洗浄便座、追い焚き機能も装備するなど、ランキングを参考に設備の更新も考えると良いでしょう。
※この記事内のデータ、数値などに関する情報は2024年12月11日時点のものです。
取材・文/菱沼 晶 イラスト/平井きわ 写真/PIXTA