【確定申告前】節税のために経費を使おうとしていませんか?

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公開日:2019年9月4日
更新日:2019年11月13日

「損して得取れ」の意識を持ってほしい

私がセミナー等で資産の現状分析のために紹介しているのが下のキャッシュフローツリーです。物件がどの位稼ぐ力を持っているのかを営業純利益(NOI)という数字として出すことができるので、是非やってみてください。

その物件の返済額(ADS)がNOI以内に収まるのであればきちんと収支がまわっていて利益が出ているということです。物件ごとに実行してみて、利益が多く出ているようであれば修繕などにまわせる余裕があると考えられるでしょう。逆に赤字が大きいなど状況が良くない場合には売却してしまおうという判断もあり得ます。

修繕工事等に経費を使う際に心がけていただきたいのが、「資産として残る前向きな投資」をすることです。目先の支出は大きくても、資産価値を保つ修繕や、入居者に還元する設備更新など将来的に建設的な効果が得られる使い方が良いでしょう。

また、大家さんは個々に状況や事情が異なります。例えば数年以内に相続が見込まれるなら、財産を減らすために余裕資金で工事を行うなど、中長期的視点で、多角的に捉えるようにしてください。

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確定申告を良い機会に、所有不動産の現状分析を

半年分の分析であっても、今後の傾向は読めると思いますので、取り組みはなるべくお早めに。確定申告のためというよりは全体を見直す良い機会と捉えてください。早めに一度整理しておけば、確定申告作業も楽になります。

また、税理士に相談する場合も、繁忙期を迎える前のゆとりのある時期であれば、じっくりと相談に応じてもらいやすいでしょう。場合によっては、提携している外部のネットワークで、空室対策に強い管理・不動産会社等を紹介してもらえることもあります。

ぜひ、現状をしっかり分析し、将来につながる経費の使い方をしてください。

現状分析のPOINT

使った分だけ節税できるわけではない

節税は何のために行うのかの意識を明確に。資産にとって前向きな投資をすることを考える

 

早い機会に資産状況を分析する

昨年と経営状況を比較して分析を。キャッシュフローツリーで物件のポテンシャルを把握

 

その分析に対して的確な対策を打つ

経費を使うかどうか、何に使うかを判断。将来的に利益が手元に残るような投資を行う

 

※ この記事内のデータ、数値などに関しては2019年9月4日時点の情報です。

取材・文/本多 智裕 イラスト/福々ちえ

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