不動産広告を見張る番人・不動産公正取引協議会のこと|編集長ブログ
こんにちは。大家さんのための賃貸経営マガジン「オーナーズ・スタイル」の統括編集長の上田です。今回は、「賃貸経営お役立ち情報」をお届けします。一般にはあまり知られていない「不動産公正取引協議会」をご紹介します。
消費者保護と不動産業者間の公正な競争を守っている
一般にはあまり知られていない、不動産業界関連団体の中に「不動産公正取引協議会」と、いうものがあります。業界内では、「公取協」あるいは「公取」と、よく呼ばれます。
独占禁止法を運用する「公正取引委員会」(内閣府の外局と、やや紛らわしいのですが、不動産業界内に限っては、「公取」と言えば、大抵は、この「不動産公正取引協議会」を指しています。北海道から九州・沖縄まで、各地区別に9つの「公取」があります。それがまとまって、「不動産公正取引協議会連合会」を組織しています。
ちなみに、首都圏を管轄しているのは、「公益社団法人首都圏不動産公正取引協議会」。主な仕事は、消費者保護と不動産業者間の公正な競争を目的とした、「不動産広告におけるルールの実施、制定」です。
たとえば、不動産豆知識・・・などとして、よくクイズなどにも採り上げられる、「道路距離80メートル=徒歩時間1分(1分未満の端数は切り上げ)」と、いう広告表示のルール。これは、不動産公正取引協議会が実施、制定する「不動産の表示に関する公正競争規約」および、「同・施行規則」によって定められたルールです。
なお、今年の5月には、これらルールに若干の変更が加えられました。賃貸物件の募集広告に関連するところでは、「家賃保証会社等と契約することを条件とするときは、その旨およびかかる金額」を表示しなければならないことが新たに明文化されるなどしています。
さて、以上の不動産公正取引協議会および、同協議会による規約等、「不動産広告表示にかかわるルール」ですが、基本的には、真面目な不動産会社ほど、その指導にしっかりと従い、ルールもよく守っています。
従業員も多くがこれらの存在を知り、また、規約などの内容について、しっかり勉強もしています。ですので、逆に言えば、「不動産公取協?広告表示規約?何のことですか」オーナーさんの物件情報を募集広告に仕上げる当の担当者や、あるいは、店長クラスの人物からそんな発言が出てしまうなどするようであれば・・・その不動産会社の仕事のレベルについては、「推して知るべし」。と、いうことにもなるでしょう。