借り上げ(サブリース)で成功するために 契約に潜むリスクを知る!|編集長ブログ

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公開日:2012年3月19日
更新日:2019年12月16日

「免責期間」の存在を忘れずに!

意外と知られていないのが「免責期間」の存在です。一般的な場合、30~90日。契約後、入居可能日からこの日数が経つまでに相当する期間分、オーナーさんの手元には、賃料が入らないのです。

では入居者が支払った賃料はどこに・・・?

答えは、「当該期間内の賃料収入は全額が管理会社の懐に入る」
これが、免責期間という、若干解りにくい言葉の意味するところです。借り上げ(サブリース)契約の多くは、新築物件を対象に結ばれます。

しかし、一般的に人気の高い、新築マンション・アパートであっても、完成した直後からいきなり全室が埋まるなどということは、そうあるものではありません。大抵は、ある程度の期間、空室の存在する状態が続きます。

そこで、管理会社は、その間の収入を少しでも確保するために、上記の「免責期間」を契約に盛り込みます。あるいは、「リスクに備えて盛り込む」と、言い換えることもできるでしょう。

なお、契約によっては、新築時だけでなく、入居者の退去・入れ替わりがあった際も、この免責期間が発動する旨、明記されていることがありますので、要注意!

■え!割高な工事の発注義務がセットに・・・!

「当社は30年一括借り上げシステムです」
「え!30年も!なんてありがたい・・・」

ところが、契約書をよくよく読んでみると・・・「築15年以内に当社による大規模修繕工事を行なうことが条件」などと記載が・・・!しかも、そうした場合、えてして工事金額が相場よりもかなり高額であったりします。

借地借家法・民法は、オーナーさんの味方をしてくれない?

入居者(=借家人)の保護に手厚く、オーナーさんに厳しい「借地借家法」。

争いが起きた場合など、借り上げ(サブリース)契約を結ぶオーナーさんと管理会社の間にも、なんと、「この法律が適用されてしまう」と、言われています。そしてこのとき、「手厚い保護」は、もちろんオーナーさんではなく、借家人である管理会社を守るために機能。

これにより、たとえば・・・
・「オーナーさんに支払われる借り上げ賃料は10年間見直しなしの据え置き」「管理会社からは減額請求ができない」・・・こんなうれしい契約内容も、いざという場合は無効となる可能性が!

・オーナー側から解約を望む場合、管理会社がそれを拒めば、先方は借家人として強力な保護の対象とされるため、重度の信頼関係の失墜など、いわゆる「正当事由」が認められないかぎり、解約が困難に!(たとえば管理会社が1~2ヶ月程度、賃料を滞納しても、オーナーさんからの解約は難しいものと予測されています)
と、いった事態が、場合によっては起こることが懸念されています。

加えて、「民法」が適用されると・・・
・契約書に「○○年間の長期保証。管理会社からの中途解約を禁止する」旨の明記があったとしても、契約が普通建物賃貸借契約として結ばれている場合、この条文は民法上無効。管理会社=借家人からの中途解約は、法律で認められた正当な権利とされてしまう・・・ものと、見られています。

なお、以上のような、借地借家法などの適用によるリスクを軽減する方法としては、契約を「定期借家契約」とし、併せて契約内容も総点検、オーナーさんにとって安全・安心なものに書き換えるという方法があるでしょう。しかしながら当然、これは、管理会社側の同意と協力がなければ出来ないこと。現実的とは言えないのが実情です。

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