集合住宅のもうひとつの形「コーポラティブハウス」はホントに良いの?|編集長ブログ
こんにちは。大家さんのための賃貸経営マガジン「オーナーズ・スタイル」の統括編集長の上田です。今回は「雑学いろいろコラム」です。「コーポラティブハウス」という住宅の形態をご紹介します。
住む人個人の好み・希望にもとづいた居住空間を実現した「コーポラティブハウス」
集合住宅、あるいは共同住宅といえば、私達がイメージするものの多くは、分譲マンション、または賃貸マンション・アパートになるでしょう。
日本では、鉄筋コンクリート造、鉄骨鉄筋コンクリート造などによる比較的大規模な集合住宅を「マンション」と呼び、木造などによる小規模なものを「アパート」と呼ぶのが長く慣習となっています。
ですがどちらにしても、すでに誰かが設計し、出来上がっている部屋を買って住むか、借りて住むか、いずれかが、その利用形態となっています。いわゆる注文住宅のように、居住者個々が注文主となって、自分の住みたい建物の規模、間取り、設備・仕様、デザインなどを指定し、その施工を建設会社に請負わせるといったかたちは、基本として、集合住宅には見られないものです。ですが、例外もあります。
「コーポラティブハウス」と呼ばれるものがそれです。ひと言で簡単に説明すると、マンション・アパート版の注文住宅といっていいでしょう。
マンションやアパートのような、一個の集合住宅のかたちをしていながら、コーポラティブハウスでは、住人個々の好みや希望にもとづいたそれぞれの居住空間が実現されています。
既製品を買うのではなく、いわば集合住宅でのオーダーメイドです。なぜ、こんなことが実現されているのでしょうか。そのカギは、「組合による共同発注」と、いう仕組みにあります。
「コーポラティブ」という言葉の意味は、協同の~、組合による~、といったところとなりますが、
コーポラティブハウスでは、住宅の購入を希望する人が集まって、建設組合を結成し、まず皆で話し合って、建物の設計内容を取り決めます。それに基づいて、建設会社を選び、施工作業を発注します。
居住者それぞれの好みや希望を反映した部屋・建物が、「土地利用の効率が高い、堅固でコンパクトな集合住宅」と、いうかたちで、実現するというわけです。
(ほとんどの場合を言っています。ほかに連棟式住宅や、中には「戸建て住宅団地」のかたちで、コーポラティブハウスが実現する場合もあります)
いかがでしょうか。夢がある話のようですが、よくよく考えてみると・・・色々不安も湧いてきます。
そもそも、「組合に集まったみんなが話し合って~」と、いいますが、上手くいくのでしょうか。
分譲とちがって、広告費、営業コストなど、事業者が費用をかけない分、コストを抑えることができるような気もしますが・・・
いやいや。「オーダーメイド」なだけに、かえって割高な買い物になるような気もします。