断熱改修など建物性能を向上させるなら今がチャンス!「住宅省エネ2026キャンペーン」4つの事業で交付申請を受付
環境省、国土交通省、経済産業省が連携しておこなう補助金制度『住宅省エネ2026キャンペーン』。2025年度で一度終了とアナウンスされていましたが、2026年度も継続して実施されることになりました。現在発表されている内容から、賃貸オーナーが空室対策に活用できるものを抜粋して紹介します。所有物件のリフォームを検討している大家さんは要チェックです。
- キャンペーン全体の目的は?賃貸も含めすべての世帯が対象!
- 「住宅省エネ2026キャンペーン」の補助対象
- みらいエコ住宅2026事業|断熱改修などの実施で補助(旧:子育てグリーン住宅支援事業)
- 賃貸住宅を新たに建てる場合は床面積50〜240㎡が要件
- みらいエコ住宅2026事業のリフォーム対象工事
- 先進的窓リノベ2026事業|内窓やガラス交換に1戸あたり最大100万円の補助
- 賃貸集合給湯省エネ2026事業|賃貸住宅限定でエコジョーズなど小型給湯器が補助対象に
- 給湯省エネ2026事業|エコキュートなど高効率給湯器に補助
- 補助金の申請手続きは誰がする?申請から交付までの流れ
- 省エネ改修を検討中なら使わない手はなし
キャンペーン全体の目的は?賃貸も含めすべての世帯が対象!
日本では、2050年までに温室効果ガスの排出量を、実質ゼロにすることを念頭に、2030年度に2013年度比で温室効果ガスを46%削減する(さらに50%の高みに向けて挑戦を続ける)ことを目指しています。家庭部門では2013年度比66%削減が目標で、その排出量の約5割を占める冷暖房と給湯についての取り組みが急務となっています。

出典:家庭の用途別エネルギー消費の推移|住宅省エネ2026キャンペーンホームページ
そのため、『住宅省エネ2026キャンペーン』の各事業も、冷暖房効率を高める住宅の断熱性能向上と、高効率給湯器への助成が大部分を占めています。次の4つの補助事業は一部の新築住宅を除き、子育て世帯に限らずすべての世帯が対象。もちろん賃貸住宅も含まれています。
「住宅省エネ2026キャンペーン」の補助対象
①みらいエコ住宅2026事業(国土交通省・環境省)
②先進的窓リノベ2026事業(環境省)
③給湯省エネ2026事業(経済産業省)
④賃貸集合給湯省エネ2026事業(経済産業省)
| 補助事業 | 補助対象 住宅 |
補助対象用途 | 補助上限/戸 |
| みらいエコ住宅2026事業 | 戸建・共同(集合)住宅 | 持家、貸家、借家等 | 40万円または60万円または100万円(リフォーム前後の省エネ性能差による) |
| 先進的窓リノベ2026事業 | 既存住宅 | 持家・貸家等 | 100万円 |
| 給湯省エネ2026事業 | 戸建:2台/共同:1台 | 持家・貸家等 | 最大17万円/台 |
| 賃貸集合給湯省エネ2026事業 | 共同(集合)住宅 | 貸家に限る | 最大10万円/台 |
| 補助事業 | 交付申請の受付終了 |
| みらいエコ住宅2026事業 | 遅くとも 2026年12月31日まで※1 |
| 先進的窓リノベ2026事業 | |
| 給湯省エネ2026事業 | |
| 賃貸集合給湯省エネ2026事業 |
※ 各事業の交付申請の受付は、補助金申請額が各事業の予算上限に達した時点で終了。新築ZEH水準住宅(注文住宅)については遅くとも2026年9月30日まで。
※ 対象工事は2025年11月28日(令和7年度補正予算案閣議決定日)以降に着工したものが対象。交付申請の受付開始は2026年3月下旬頃の予定。
あらかじめ事業者登録をした施工業者が申請手続きを行い、交付された補助金を後から賃貸オーナー等に還元するかたちになります。
みらいエコ住宅2026事業|断熱改修などの実施で補助(旧:子育てグリーン住宅支援事業)
2025年度の「子育てグリーン住宅支援事業」が名称変更され、「みらいエコ住宅2026事業」として再スタート。新築住宅の建築に加え、既存住宅のリフォームも引き続き対象です。賃貸住宅については、新たな建築が対象で「賃貸住宅の購入は対象外」という点は変わりません。
賃貸住宅を新たに建てる場合は床面積50〜240㎡が要件
| 補助対象住宅 | 1戸あたりの補助額 | 古家の除却が伴う場合の補助額の加算額 |
| GX志向型住宅 | 110万円〜125万円/戸(地域により異なる) | なし |
| 長期優良住宅 | 80万円/戸※ | 20万円/戸 |
| ZEH水準住宅 | 35万円/戸※(注文住宅は申請期限2026年9月30日まで) |
※ 補助対象は、要件を満たす賃貸住戸の50%(申請手続きにおいては長期優良住宅の場合40万円/戸、ZEH水準住宅の場合17.5万円/戸として取り扱い)
上記に加えて、長期優良住宅とZEH水準住宅については「子育て・若者夫婦世帯向けに限定した募集(3ヶ月以上)等」という要件もあります。
GX志向型住宅とは、国が行うGX(グリーントランスフォーメーション)政策のもと、長期優良住宅やZEH水準住宅を上回る省エネ性能を実現している住宅のこと。GXに対する協力表明を行った建築事業者が建てる必要があります。
完了報告期間は交付決定以降、戸建賃貸住宅が2026年7月31日まで、10階建て以下の共同住宅が2027年4月30日まで、11階建て以上の共同住宅が2028年2月29日までの予定です。
みらいエコ住宅2026事業のリフォーム対象工事
2026年度から、リフォームで補助を受けるには「リフォーム前後の省エネ性能の組み合わせ」に応じた、あらかじめ指定された必須工事の組み合わせを実施することが要件となりました。リフォーム前後の省エネ性能の差が大きいほど補助上限額が高くなります(上限40万円〜100万円)。
従来のようにキッチンやトイレの交換だけを行うリフォームでは補助金の申請ができないため注意が必要です。なお、宅配ボックスの設置なども引き続き任意工事の補助対象に含まれています。
先進的窓リノベ2026事業|内窓やガラス交換に1戸あたり最大100万円の補助
イラスト/アサミナオ
| 短時間で設置できる内窓を、入退去のタイミングで順々に交換。室内の気密性が高まり、冬も夏も快適な室内環境に。防音性もアップ |

出典:住宅における熱の流失入割合|住宅省エネ2026キャンペーンホームページより引用(参照:一般社団法人日本建材・住宅設備産業協会 / 平成11年省エネ基準レベルの断熱性能の住宅での試算例)
環境省による補助事業で、既存住宅に行う開口部の断熱リフォームを補助します。2025年度は1戸あたり200万円が上限でしたが、2026年度からは上限が100万円に縮小されました。また、内窓のAグレード製品が補助対象外となるなど、性能要件が引き上げられています。
補助対象工事はガラス交換、内窓設置、外窓交換、ドア交換ですが、ドア交換のみの場合は対象になりません。
| 対象項目 | 補助額(目安) |
| ガラス交換 | 工事費の概ね1/2(上限単価あり) |
| 内窓設置(Sグレード以上:Uw1.5以下) | |
| 外窓交換(カバー工法) | |
| 外窓交換(はつり工法) | |
| ドア交換(カバー工法・はつり工法) |
※ 具体的な補助単価は窓の性能・大きさに応じて設定。内窓はUw1.5以下(Sグレード以上)が必須。Aグレードは2026年度から補助対象外
※ 1戸あたりの補助上限は100万円(2025年度比半減)
賃貸集合給湯省エネ2026事業|賃貸住宅限定でエコジョーズなど小型給湯器が補助対象に
イラスト/アサミナオ
| 複数の部屋で給湯器交換する際、追い焚き機能付きエコジョーズに交換し、バリューアップ |
既存の賃貸集合住宅のリフォームに限定した補助事業です。設置スペースが限られているアパートなどにも取り付けやすい小型の省エネ型給湯器(エコジョーズ/エコフィール)への交換が補助されます。リース利用も補助金の対象です。2025年度からの大きな要件変更はなく、引き続き同水準での補助が受けられます。
| 潜熱回収型ガス給湯器 (エコジョーズ) |
給湯単能機 | モード熱効率が90%以上 |
| ふろ給湯器 | モード熱効率が90%以上 | |
| 給湯暖房機 | 給湯部熱効率が95%以上 | |
| 潜熱回収型石油給湯機 (エコフィール) |
油焚き温水ボイラー | 連続給湯効率が95%以上 |
| 石油給湯機(直圧式) | モード熱効率が91%以上 | |
| 石油給湯機(貯湯式) | モード熱効率が80%以上 |
| 設置する給湯器 | 追炊機能 | 補助額 | 補助上限 |
| 潜熱回収型ガス給湯器 (エコジョーズ) |
なし | 5万円 | いずれか 1住戸1台まで |
| あり | 7万円 | ||
| 潜熱回収型石油給湯機 (エコフィール) |
なし | 5万円 | |
| あり | 7万円 |
※ ドレン配管工事の内容によって上記に最大3万円が加算されます
※ 2025年11月28日以降着工の工事が対象。交付申請の開始は2026年3月下旬から順次の予定(予算上限に達するまで、遅くとも2026年12月31日まで)
給湯省エネ2026事業|エコキュートなど高効率給湯器に補助
イラスト/アサミナオ
| 古い電気温水器を撤去してヒートポンプ給湯器(エコキュート)に交換。電気温水器の撤去加算と合わせて最大で17万円の補助が出る |
経済産業省が主幹となる補助事業で、高効率給湯器(ヒートポンプ給湯機、ハイブリッド給湯機、家庭用燃料電池)の導入を支援します。リース契約も対象になります。また旧式の電気温水器や蓄熱暖房機の撤去にも補助が出ます。
2026年度の大きな変更点として、エコキュートは「インターネット接続可能で昼間の再エネ電気を活用できる機能」または「おひさまエコキュート」などの高性能機種(A要件以上)が必須要件となりました。従来の標準モデルは対象外となります。
| 設置する給湯器 | 補助額(定額) | 補助上限 |
| ヒートポンプ給湯機 (エコキュート) ※A要件以上 |
6万円〜12万円/台(性能による) | 戸建住宅: いずれか 2台まで 共同住宅等: いずれか 1台まで |
| 電気ヒートポンプ・ ガス瞬間式併用型給湯機 (ハイブリッド給湯機) |
8万円〜13万円/台(性能による) | |
| 家庭用燃料電池 (エネファーム) |
16万円/台 |
※ 機種の性能要件が2025年度より厳格化。インターネット接続・再エネ活用機能等が全機器で必須要件化
給湯器の更新・省エネ対策も「大家さんストア」でまとめて相談
給湯器の更新は突発的な故障対応になりがちですが、補助金を活用した計画交換ができれば、費用負担を抑えながら設備の省エネ化を進められます。
「大家さんストア」では、賃貸集合住宅向けの給湯器交換に対応し、補助金申請の手続きも代行。入居者の光熱費削減や物件競争力の向上につながる設備投資を、スムーズに実現できます。お気軽にお問い合わせください。
※一部、キャンペーンに登録されていない機種もあります。予めご了承ください
補助金の申請手続きは誰がする?申請から交付までの流れ
キャンペーンの交付申請の手続きは工事施工者(住宅省エネ支援事業者として登録された事業者)が行うため、大家さんが自らすることはありません。交付決定後、約1〜2カ月で補助金は施工者に交付されたのち発注者に還元されます。
交付申請と補助金申請の流れは以下のようになっています。下記の図は「住宅省エネ2025キャンペーン」補助金交付の流れをまとめたものですので、参考にしてください。

参考:「住宅省エネ2026キャンペーン」総合サイト

参考:「住宅省エネ2026キャンペーン」総合サイト
4つの事業には重複している工事もあります。対象建材・設備の性能等に応じて、複数事業の併用は可能ですが、ひとつの窓や機器に対して重複して交付を受けることはできません。なお、地方公共団体の補助制度については、国費が充当されている補助制度以外は併用可能です。
省エネ改修を検討中なら使わない手はなし
2026年度も引き続き、断熱改修から給湯器交換まで幅広い省エネ工事に補助が出る『住宅省エネ2026キャンペーン』。2025年度と比べると先進的窓リノベの補助上限が200万円から100万円に縮小されるなど、一部内容が変更されていますが、依然として大規模な補助制度が継続されています。
費用対効果を考えて投資をためらっていたオーナーも、今こそ、補助金を活用して攻めの対策に打って出るまたとないチャンスです。
3省連携事業のため、4事業共通の入力フォームからワンストップ申請ができます。省エネリフォームを検討中の大家さんは、補助金を利用した設備投資で、物件のグレードアップをかなえてみてはいかがでしょうか。
※ この記事内のデータ、数値などに関する情報は2026年3月時点のものです。各事業の詳細は公式サイト(https://jutaku-shoene2026.mlit.go.jp/)でご確認ください。
文/石垣 光子
ライタープロフィール
石垣 光子(いしがき・みつこ)
情報誌制作会社に10年勤務。学校、住宅、結婚分野の広告ディレクターを経てフリーランスに。ハウスメーカー、リフォーム会社の実例取材・執筆のほか、リノベーションやインテリアに関するコラム、商店街など街おこし関連のパンフレットの編集・執筆を手がけている。

















