賃貸住宅での宅配ボックス設置も補助金の対象!2024年度は4つの省エネ化補助金で交付申請を受付
環境省、国土交通省、経済産業省の3省がタッグを組んで取り組む、かつてない規模の補助制度「住宅省エネ2024キャンペーン」の受付が始まっています。2023年度からの後続事業に加えて、既存賃貸住宅の省エネ化支援が新規で追加。対象には賃貸住宅も含まれており、所有物件のリフォームを検討している大家さんは要チェックです。賃貸オーナーが空室対策に活用できる4事業について、もれなくご紹介します。
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予算は2023年の1.4倍!補助対象に含まれるのは?補助額はいくらが上限?
2023年11月、住宅の省エネ化を促す補助事業「住宅省エネ2024キャンペーン」に対し、4,215億円の補正予算案が閣議決定されました。「住宅省エネ2023キャンペーン」の3,000億円よりさらにパワーアップし、補正予算が成立次第、4つの補助金が開始されます。補助対象はそれぞれ以下の通りとなっています。
「住宅省エネ2024キャンペーン」の補助対象
①子育てエコホーム支援事業(こどもエコすまい支援事業の後継事業)
②先進的窓リノベ2024事業
③給湯省エネ2024事業
④賃貸集合給湯省エネ2024事業(新規)
いずれの補助金でも賃貸オーナーは補助対象となっています。
対象は2023年11月2日以降に工事に着手し2024年12月31までに完了する工事で、申請は2024年3月からスタートする予定です。
あらかじめ事業者登録をした施工業者が申請手続きを行い、交付された補助金を後から賃貸オーナー等に還元するかたちになります。
宅配ボックス設置なども対象!「子育てエコホーム支援事業」
●「子育て対応改修」の枠を使って「宅配ボックス」を設置 ●家族向けの部屋のリノベで、対面キッチンに改修、ビルトイン食洗器の設置にも挑戦 |
上記の4事業のうち、「子育てエコホーム支援事業(旧こどもエコすまい支援事業)」については、その名称のとおり、子育て世帯や若者夫婦世帯と住宅取得への補助が中心となっています。しかし、断熱改修の他、家事負担の軽減や防犯性の向上に役立つリフォーム工事も対象となっているのが特徴です。
子育て世帯でなくても省エネリフォームに対して長期優良住宅の認定(増築・改築)を受ける場合は上限30万円/戸、それ以外は20万円/戸が補助されます。
事業の名称から「子育て世帯の省エネ住宅取得促進」だけが対象に見えますが、リフォームも含まれ、世帯を問わず、賃貸オーナーでも利用可能。必須の省エネ改修とあわせて行えば、家事負担軽減や防犯・防災性向上など幅広いリフォーム工事が対象に。子育て世帯または若者世帯は、補助額の上限がさらに引き上げられます。
「子育てエコホーム支援事業」の対象工事
以下のうち、Aのいずれかが必須、BはAと同時に行った場合、補助対象になります。
A | B |
・開口部の断熱改修 ・外壁、屋根・天井または床の断熱改修 ・エコ住宅設備の設置 |
・子育て対応改修 ・防災性向上改修 ・バリアフリー改修 ・空気清浄機能・換気機能付きエアコンの設置 ・リフォーム瑕疵保険等への加入 |
※ 例外として、環境省が実施する「先進的窓リノベ2024事業」または、経済産業省が実施する「給湯省エネ2024事業」 「賃貸集合給湯省エネ2024事業」のいずれかにおいて交付決定を受けている場合は、上記の①〜③のいずれかに該当する工事を含んでいるものとして取り扱います
対象となる工事は、まず「開口部の断熱改修」、「外壁、屋根・天井又は床の断熱改修」、「エコ住宅設備の設置」の3つのいずれかが必須です。
「開口部の断熱改修」については開口部の大きさと改修方法(ガラス交換or内窓・外窓設置など)で補助額が細かく定められています。「エコ住宅設備」は太陽熱利用システムや節水型トイレ、高断熱浴槽、高効率給湯器、節湯水栓、蓄電池などの設置に対しての補助金です。
任意工事となっているのが「子育て対応改修」「防災性向上改修」「バリアフリー改修」「空気清浄機能・換気機能付きエアコンの設置」「リフォーム瑕疵保険等への加入」で、必須工事を実施した場合のみ補助金申請の対象となります。
太陽熱利用システム | 30,000円/戸 |
高断熱浴槽 | 30,000円/戸 |
高効率給湯器 | 30,000円/戸 |
蓄電池 | 64,000円/戸 |
節水型トイレ | 掃除しやすい機能を有するもの以外 20,000円/台 |
掃除しやすい機能を有するもの 22,000円/台 | |
節湯水栓 | 5,000円/台 |
家事負担の軽減を目指す、Bの「子育て対応改修」については、「家事負担の軽減に資する住宅設備」として、以下の設備に補助金が支払われます。
2023年に続き宅配ボックスの設置も補助金の対象に含まれます。
ビルトイン食器洗機 | 21,000円/戸 |
掃除しやすいレンジフード | 13,000円/戸 |
ビルトイン自動調理対応コンロ | 14,000円/戸 |
浴室乾燥機 | 23,000円/戸 |
宅配ボックス | 住戸専用の場合11,000円/戸 共用の場合11,000円/ボックス(20ボックスまで) |
※ 1「キッチンセットの交換を伴う対面化改修」で補助金が交付される場合、本項目は補助の対象とならない ※ 2 共同住宅においては、単数のボックスなど 当該住戸用に独立して設置された宅配ボックス に限る
宅配ボックスについては例えば、1つの宅配ボックスに4つのボックスが設置されている場合は、補助額が44,000円となります。
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熱損失の大きい窓に特化した「先進的窓リノベ事業」
短時間で設置できる内窓を、入退去のタイミングで順々に交換。室内の気密性が高まり、冬も夏も快適な室内環境に。防音性もアップ |
環境省が主幹となって行うのが「断熱窓への改修促進等による住宅の省エネ・省CO2加速化支援事業」で、2023年と同じく「先進的窓リノベ事業」と呼ばれます。住宅のなかでも特に熱損失が大きい窓の断熱性能を高め、省エネと光熱費低減を促す事業です。
住宅の熱は約7割が窓から出入りしています。二重窓や複層ガラスへの交換など、窓の改修は住宅の省エネ化に大きな効果をもたらすことから、予算額も1,350億円に増額されました。
既存住宅における断熱窓への改修工事が対象で、内窓設置・外窓交換・ガラス交換の3つの工事が基本。断熱窓は熱貫流率(Uw値)1.9以下、建材トップランナー制度2030年目標水準値を超えるものといった条件があります。
補助率は約2分の1で、補助金の上限は200万円。「子育てエコホーム」とは補助対象が重複しなければ併用が可能です。
2024年からの新事業ではアパートでも設置しやすい小型給湯器が対象に
賃貸住宅限定!「賃貸集合給湯省エネ2024事業」
複数の部屋で給湯器交換する際、追い焚き機能付きエコジョーズに交換し、バリューアップ |
2023年度は「給湯省エネ事業」としてエコキュートやエネファームなど、大型のヒートポンプ給湯機の設置が補助対象となっていました。今回の「既存賃貸集合住宅の省エネ化支援事業」では、スペースの限られるアパートなどでも設置しやすい小型の省エネ型給湯器を対象にし、既存賃貸住宅の省エネ化を目指しています。経済産業省が主幹となって行い、予算案は185億円です。
対象となる給湯器はエコジョーズやエコフィールなどで、補助金額は追い焚き機能ありで7万円/台、なしで5万円/台。従来型給湯器からの取り替えに限ります。
潜熱回収型ガス給湯器 (エコジョーズ) |
給湯単能機 |
ふろ給湯器 | |
給湯暖房機 | |
潜熱回収型石油給湯機 (エコフィール) |
油焚き温水ボイラー |
石油給湯機(直圧式) | |
石油給湯機(貯湯式) |
設置する給湯器 | 追炊機能 | 補助額 | 補助上限 |
潜熱回収型ガス給湯器 (エコジョーズ) |
なし | 5万円 | 1住戸1台まで |
あり | 7万円 | ||
潜熱回収型石油給湯機 (エコフィール) |
なし | 5万円 | |
あり | 7万円 |
実は2023年の「こどもエコすまい支援事業」にもエコジョーズやエコフィールへの補助は盛り込まれています。しかし、補助額は一律27,000円/台で、賃貸オーナーが複数住戸分を申請するための条件や申請手続きがやや複雑でした。
2024年度の補助金は賃貸オーナー向けに特化した分使いやすく、既存の集合住宅の省エネ給湯器への交換を促すものとなっています。
1 台からでも導入可能!お得に高効率給湯器を導入「給湯省エネ2024事業」
古い電気温水器を撤去してヒートポンプ給湯器に交換。併せて15 万円の補助金が出る |
経済産業省が主幹となる「給湯省エネ2024事業」は、特に性能の高い高効率給湯器(ヒートポンプ給湯機、ハイブリッド給湯機、家庭用燃料電池)の導入を支援する事業です。リース契約も対象になる。また旧式の電気温水器や蓄熱暖房機の撤去にも補助が出ます。
設置する給湯器 | 補助額(定額) | 補助上限 |
ヒートポンプ給湯機 (エコキュート) |
8万円/台 | 戸建住宅: いずれか 2台まで 共同住宅等: いずれか 1台まで |
電気ヒートポンプ・ ガス瞬間式併用型給湯機 (ハイブリッド給湯機) |
10万円/台 | |
家庭用燃料電池 (エネファーム) |
18万円/台 |
★上記の給湯器の設置に合わせて撤去工事を行う場合、「蓄熱暖房機の撤去」に10万円/台(2台まで)、「電気温水器の撤去」に5万円/台(補助を受ける台数まで)の補助が出ます
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補助金の申請手続きは誰がする?申請から交付までの流れ
補助金の交付申請を含むすべての手続きは、登録された住宅省エネ支援事業者が行い、大家さん自身が手続きを行うことはありません。事業者は以下から探すことができます。
交付申請と補助金申請の流れは以下のようになっています。
4つの事業には重複している工事もあります。対象建材・設備の性能等に応じて、両事業の併用は可能ですが、ひとつの窓や機器に対して重複して交付を受けることはできません。なお、地方公共団体の補助制度については、国費が充当されている補助制度以外は併用可能です。
また、補助金は住宅省エネ支援事業者に交付され、発注者(大家さん)には工事代金への充当もしくは返金という形で補助金が還元されます。
上記の図は「住宅省エネ2024キャンペーン」補助金交付の流れをまとめたものですので、参考にしてください。
大家さんなら設備投資などに使わない手はなし。詳細の確認を
2023年の「こどもエコすまい支援事業」は申請終了日よりも前に予算上限に達して終了してしまいました。予算が増額されたこともあり、来年度は補助金への注目度がさらに高まると考えられます。補助金は工事着手後であれば予約申請をすることもできます。
省エネに直結する工事だけでなく、ビルトイン食器洗機や宅配ボックス、給湯器など、賃貸物件をより魅力的にしてくれる設備・機器の設置も対象となる今回の事業。費用対効果を考えて投資をためらっていたオーナーも、今こそ、補助金を活用して攻めの対策に打って出るまたとないチャンスです。
3省連携事業のため、4事業共通の入力フォームからワンストップ申請ができ、補助対象が混在するリフォームの中でもっとも有利な条件で補助金を得ることができます。省エネリフォームを検討中の大家さんは、この補助金を利用した設備投資で、物件のグレードアップをかなえてみてはいかがでしょうか。
※この記事内のデータ、数値などに関する情報は2024年4月5日時点のものです。
文/石垣 光子
ライタープロフィール
石垣 光子(いしがき・みつこ)
情報誌制作会社に10年勤務。学校、住宅、結婚分野の広告ディレクターを経てフリーランスに。ハウスメーカー、リフォーム会社の実例取材・執筆のほか、リノベーションやインテリアに関するコラム、商店街など街おこし関連のパンフレットの編集・執筆を手がけている。
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