最新調査で明らかに!不動産のプロ100人が警告する”絶対に買わない物件”とは?

資産活用/売買
建てる/融資
その他
この記事が気になる

【この記事が気になるとは】
会員様限定のサービスです。 会員の方は、「ログインする」そうでない方は、
会員登録して再度アクセスしてください。

ログインする ⁄  会員登録する
閉じる
公開日:2025年12月9日
更新日:2025年12月10日
最新調査で明らかに!不動産のプロ100人が警告する”絶対に買わない物件”とは?1

専門的な知識や複雑な法律制度が関わるため、初心者にとっては理解が難しい部分もある不動産取引。価格も非常に高額になることもあり、専門家のサポートは必須と言えるでしょう。その不動産のプロの中でも「業界歴15年以上」、「直近1年間の物件取引10件以上」の実績を持つ100名を対象に、アセットテクノロジー(株)が「データで暴く『買ってはいけない不動産』調査」を実施。この調査結果は、不動産購入を検討している方へ、大きな手助けとなるはずです。

半数のプロが警告!見た目に惑わされる購入が危険な物件

最新調査で明らかに!不動産のプロ100人が警告する”絶対に買わない物件”とは?2

画像引用元:データで暴く「買ってはいけない不動産」調査|アセットテクノロジー株式会社

同調査では、「見た目など表面的にはよく見える物件でも、詳細調査の結果、購入を見送るよう助言したことがある」と、約半数にあたる46.0%が回答。不動産のプロの目からすると、約2件に1件は「購入を見送るべき」とと判断されたことが明らかになりました。

次に「見送るべき」とした理由について見ていきます。

最新調査で明らかに!不動産のプロ100人が警告する”絶対に買わない物件”とは?2

画像引用元:データで暴く「買ってはいけない不動産」調査|アセットテクノロジー株式会社

回答が最も多かったのは、41.3%の「表面利回りは高いが、実質利回りが低すぎた」です。表面利回りと実質利回りの差は1~2%というのが一般的。それよりも差が大きい物件ほど、目に見えないコストやリスクが隠れていると考えるべきです。

「建物の実際の劣化が書類上の情報より進行していた(39.1%)」という声も多くありました。物件の管理記録や点検が適切に行われていなかった場合、書類上の情報と実際の劣化状況に差が生じることがあります。物件の劣化が書類上の想定を超えて進行していると、修繕等に予想以上の費用がかかる可能性があり、注意が必要です。

プロが避ける物件ワースト3!その物件の特徴とは?

では、不動産のプロが「絶対に買わない」とする物件とはどういった状態にあるのでしょうか。

最新調査で明らかに!不動産のプロ100人が警告する”絶対に買わない物件”とは?2

画像引用元:データで暴く「買ってはいけない不動産」調査|アセットテクノロジー株式会社

1位となったのは「築15年以上で大規模修繕が一度も実施されていない(51.0%)」です。マンションやアパートの大規模修繕工事の実施目安は、国土交通省のガイドラインでも12年周期が推奨されています。外壁や屋上防水、鉄部塗装など、建物の「寿命」を大きく左右する部分の修繕を怠っている場合は、十分に警戒する必要があります。

次に多い回答を集めたのが「管理組合の総会が3年以上開催されていない(46.0%)」です。マンションの管理組合は、区分所有法によって少なくとも年に1回、通常総会を招集する義務があり、役員の任期が満了~新たな役員が選任されていない状態になっていると考えられます。ずさんな管理状態にある物件は敬遠すべきです。

また、「耐震診断書や構造計算書が提出できない(38.0%)」も、安全性が客観的に提示できない物件などは、リセールする際のデメリットも大きく、安易に手を出すべきではない、とプロは考えているようです。さらに「前の所有者が近隣の住民とトラブルを起こしていた物件」も注意すべきと、警鐘を鳴らしています。

要注意!購入前に必ずチェックすべき危険なサイン

不動産の購入を検討する際に、見落としがちな「危険なサイン」についてもプロに聞いています。

最新調査で明らかに!不動産のプロ100人が警告する”絶対に買わない物件”とは?2

画像引用元:データで暴く「買ってはいけない不動産」調査|アセットテクノロジー株式会社

34.0%の人が最も危険だと挙げたのが「管理組合の議事録に紛争の記載がある」です。過去に起きた水漏れや騒音、ペットを巡る住人同士のケンカ、管理費の滞納などに住人トラブルについて「紛争」と記載している場合は、解決が難しいトラブルが日常的に起きている可能性があります。

2位は32.0%で同率となった「建物診断を拒否または曖昧にする売主の態度」「管理費の滞納率が上昇傾向にある」です。管理費や修繕積立金の滞納が多いということは、将来の修繕計画にとって大きなリスクとなります。 また、滞納者が多いということは、「住民のモラルが低い」「経済的に困窮している人が多い」という可能性もあり、資産価値の面で考えると、危険なサインと言えるでしょう。

数字が語るリスク!築年数と修繕履歴を見逃し厳禁

次は、「物件を検討する際、最初に確認する数値データ」と、「10年以上の長期保有を前提とした場合、重要視する物件の条件」についてです。

最新調査で明らかに!不動産のプロ100人が警告する”絶対に買わない物件”とは?2

画像引用元:データで暴く「買ってはいけない不動産」調査|アセットテクノロジー株式会社

最新調査で明らかに!不動産のプロ100人が警告する”絶対に買わない物件”とは?2

画像引用元:データで暴く「買ってはいけない不動産」調査|アセットテクノロジー株式会社

先述した通り、プロが絶対買わない物件の第1位は、「築15年以上で大規模修繕が一度も実施されていない」でしたが、物件を購入する際、最初に確認すべき数値、およびそれを長期保有する場合においても、重要視するポイントは同じ「修繕面」となりました。

大規模修繕は、物件の寿命を延ばし、資産価値を長期にわたって維持するために不可欠な工事です。多額の費用がかかりますし、その実施回数と築年数の間には密接な関係もあります。

そのため、現実的な工事費用に基づいた長期修繕計画が作成されているか。その計画を実行するための修繕積立金が十分に確保できる見通しが立っているかなどを確認する必要があります。

プロ直伝!購入前に必ず確認すべき3つのポイント

最新調査で明らかに!不動産のプロ100人が警告する”絶対に買わない物件”とは?2

画像引用元:データで暴く「買ってはいけない不動産」調査|アセットテクノロジー株式会社

これから物件の購入を検討する人に向けて、不動産のプロから「これだけは確認して」というものを聞いたところ、「管理費・修繕積立金の滞納状況」との回答が最多の47.0%となりました。

国土交通省の「令和5年度マンション総合調査」によると、平成30年度に比べて3カ月以上の滞納があるマンションの割合は5ポイント弱上昇しており、そのなかでも築年数の古いマンションほど滞納リスクが高い傾向があると言います。

「大規模修繕の実施履歴と今後の計画(46.0%)」や、「修繕積立金の残高と今後の値上げ計画(41.0%)」も確認すべきと多数の声を集めました。

最新調査で明らかに!不動産のプロ100人が警告する”絶対に買わない物件”とは?2

修繕の実施履歴は物件の「カルテ」として重要ですし、今後どのような修繕計画を立てているのかは、修繕積立金の残高や積立金の値上げ計画の有無、さらに適切な値上げかどうかの判断材料としても重要なものとなります。

いずれの情報も不動産会社を通じてマンションの管理会社に問い合わせることで入手が可能です。購入を検討している場合はもちろん、「重要事項説明書の内容があいまい」「過去数年の間に管理会社が何度も変わっている」などの違和感を覚えた場合は、必ず入手して内容を確認しておくべきでしょう。

トラブル回避の鍵は公平で透明な情報開示

最新調査で明らかに!不動産のプロ100人が警告する”絶対に買わない物件”とは?2

画像引用元:データで暴く「買ってはいけない不動産」調査|アセットテクノロジー株式会社

不動産のプロから見て、「理想的な不動産取引を実現するために、最も重要だと思う要素」を聞いたところ、最も多くの回答を得たのは、「売主・買主双方への公平で透明性の高い情報開示」(37.0%)となりました。

高額な取引となる不動産では、後で「知らなかった」「聞いていない」ということがないように、事前にきちんと情報を開示することが信頼関係の構築につながります。これは「リスクや問題点を事前に把握することで納得感が高まる(買主側)」「後々のトラブルを避けられる(売主側)」といったように双方のメリットにつながります。

さらに、これらを不動産会社が客観的な視点で確認し、それを買主に伝えることが公平性を保つ上で重要です。

まとめ|不動産購入で失敗しないための鉄則

不動産売買や仲介、管理業務に15年以上携わり、直近1年間で10件以上の取引に関与したプロ100名を対象に、「買ってはいけない不動産」に関する調査が行われました。

最新調査で明らかに!不動産のプロ100人が警告する”絶対に買わない物件”とは?2

その結果、46.0%が「一見良物件に見えても、詳しく調査すると購入を見送るよう助言した経験がある」と回答しています。

また、プロが最も「絶対に買わない」と断言する物件、またはその状況は、「築15年以上で大規模修繕が一度も実施されていない物件」で、51.0%にのぼりました。

さらに、購入検討者が見落としがちな危険なサインとしては、「管理組合の議事録に紛争の記載がある」が34.0%で最多となり、「建物診断を拒否または曖昧にする売主の態度」や「管理費の滞納率が上昇傾向にある」も3割を超えました。

加えて、10年以上の長期保有を前提とした場合に最も重視されるのは、「大規模修繕計画の妥当性と資金計画の健全性」となりました。

今回の調査から、不動産購入では立地や利回りといった表面的な条件だけでなく、管理組合の運営状況や修繕計画の実態が、将来の資産価値を左右する重要なポイントであることがわかりました。購入時には管理状態や財務面まで含めて、総合的に判断する姿勢が求められます。

※この記事内のデータ、数値などに関する情報は2025年12月9日時点のものです。

取材・文/御坂 真琴

ライタープロフィール
御坂 真琴(みさか・まこと)
情報誌制作会社に25年勤務。新築、土地活用、リフォームなど、住宅分野に関わるプリプレス工程の制作進行から誌面制作のディレクター・ライターを経てフリーランスに。ハウスメーカーから地場の工務店、リフォーム会社の実例取材・執筆のほか、販売促進ツールなどの制作を手がける。

この記事をシェアする

関連する企業レポート

関連するセミナー・イベント

関連する記事