戸建て賃貸、賃上げ、AIの活用…。2026年に予測される「不動産投資のトレンド」

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公開日:2026年1月7日
更新日:2026年1月8日
戸建て賃貸、賃上げ、AIの活用…。2026年に予測される「不動産投資のトレンド」1

金利上昇に物件価格や家賃の高騰などがひときわ目立った2025年は、不動産投資市場にとって大きな転換点といえる一年でした。2026年の不動産投資市場はどういった変化を見せるのでしょうか?不動産投資と収益物件の情報サイト・健美家が、2025年のレポートや調査データをもとに「2026年の不動産投資のトレンド予測」を公開。その内容を参考にして今後の流れを読み解いていきます。

戸建て賃貸が主力に。購入比率43.4%、反響率も上昇

物件価格の高騰や審査の厳格化による不動産投資への融資の引き締めを受け、投資対象を縮小化する動きがより加速しています。例えば「一棟アパート」から、現金や少額融資で購入可能な「戸建て賃貸」へと投資対象が変化していることが挙げられます。

戸建て賃貸、賃上げ、AIの活用…。2026年に予測される「不動産投資のトレンド」2

画像引用元:不動産投資トレンド予測(2026)|不動産投資と収益物件の情報サイト「健美家」

健美家が2025年10月に実施した「不動産投資に関する意識調査」によると、投資家が購入した物件種別において戸建て賃貸は43.4%と、一棟アパートの48.4%に迫る勢いであったことが明らかになりました。これは戸建賃貸が主要カテゴリの一角に定着しつつあることを示します。

このことは健美家における戸建て賃貸の登録物件数の増加にともなう形で、問い合わせの数がそれを上回るペースで増加しているという事実からも明らかだといいます。「物件数が増えても1物件あたりの注目度は下がるどころか、むしろ上昇している」という事実は、投資家からの戸建への需要が堅調であることの証明です。

戸建て賃貸、賃上げ、AIの活用…。2026年に予測される「不動産投資のトレンド」2

画像引用元:不動産投資トレンド予測(2026)|不動産投資と収益物件の情報サイト「健美家」

同様に、健美家が2025年10月に調査した「戦略に関する意識調査」によると、年収500万円未満の層において「一棟ものから、融資が不要な(または少額の)戸建・区分にシフトした」との回答が全体平均の約2倍にあたる13.7%を占める結果に。この結果からも特に、資金に余裕がない層において、投資対象が戸建て賃貸にシフトしている実情がうかがえます。

これらのことから、2026年は金利上昇によるリスクを抑えながら少額で始められる「戸建て賃貸」が、不動産投資の新たな「太い柱」として堅実な地位を確立する一年になると予測されています。

キャピタル重視の動き。都心・好立地へのシフト、買い時理由は“上がるから”50.7%

次のトレンド予測は、投資家の軸足が「利回り(=インカム)より、資産価値重視(=キャピタル)」に変化するというものです。

戸建て賃貸、賃上げ、AIの活用…。2026年に予測される「不動産投資のトレンド」2

画像引用元:不動産投資トレンド予測(2026)|不動産投資と収益物件の情報サイト「健美家」

2025年11月の「収益物件 市場動向マンスリーレポート」によると、すべての種別(投資用区分マンション・一棟アパート・一棟マンション)において、直近12年の最高価格を更新。その反面、利回りは過去と比較してもおしなべて低水準の状況です。

価格が高騰し、利回りが低水準―。投資家から敬遠されるに十分と言えますが、それでも取引が活発な現状を踏まえると、前述した「インカムよりキャピタル」という投資家のスタンスの変化は明らかでしょう。

戸建て賃貸、賃上げ、AIの活用…。2026年に予測される「不動産投資のトレンド」2

画像引用元:不動産投資トレンド予測(2026)|不動産投資と収益物件の情報サイト「健美家」

さらに、2025年10月の「戦略に関する意識調査」によれば、年収3,000万円以上の高所得層では、「都心部の資産価値重視(インカムよりキャピタル狙い)にシフトした」との回答が23.6%と突出して高い結果に。

戸建て賃貸、賃上げ、AIの活用…。2026年に予測される「不動産投資のトレンド」2

画像引用元:不動産投資トレンド予測(2026)|不動産投資と収益物件の情報サイト「健美家」

その一方、投資用不動産が買い時だと思う理由において、「価格がもっと上がるから(50.7%)」という回答が上位を占めていることから、資産価値重視(=キャピタル)を見越した“駆け込み需要”が市場を支えていることは明らかです。

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画像引用元:不動産投資トレンド予測(2026)|不動産投資と収益物件の情報サイト「健美家」

こうした「キャピタル重視」の傾向は、2025年6月の「投資家の自宅に関する不動産投資家アンケート」内で、投資家自身の「現在の住居」について聞いた質問の回答結果からもうかがえます。「投資目線で考えている(完全に+ある程度)」と回答した割合は過半数(50.9%)に達しました。これは「いざとなれば貸せる・売れる」というリセールバリューをより重視する投資家の立ち位置を鮮明にしていると言えます。

このように、都心のような好立地の物件は「利回り」を追求する投資対象としてではなく、「資産価値の優先」を目的としたマネーの受け皿として、2026年も投資家に選ばれ続けると予測されています。

賃上げ継続。24.3%が値上げ、更新期に戦略的改定

次に予想されるトレンドは「賃上げの継続」。2025年に不動産投資界隈を席巻した、コスト増を賃料に転化する流れは止まらないだろうと予測されています。

戸建て賃貸、賃上げ、AIの活用…。2026年に予測される「不動産投資のトレンド」2

画像引用元:不動産投資トレンド予測(2026)|不動産投資と収益物件の情報サイト「健美家」

2025年10月の「戦略に関する意識調査』よれば、金利上昇やコスト高騰による投資戦略の変更先として、「所有物件の賃料を上げた」と回答した投資家は全体の24.3%に達したとのことです。

戸建て賃貸、賃上げ、AIの活用…。2026年に予測される「不動産投資のトレンド」2

画像引用元:不動産投資トレンド予測(2026)|不動産投資と収益物件の情報サイト「健美家」

この背景にあるのが「収益物件価格の広範な上昇」です。2025年7〜9月期の「収益物件 市場動向四半期レポート」によると、築20年以上の区分マンションの平均価格は、この3年間で約1.6倍(1,151万円→1,869万円)にまで上昇していることがわかります。

新築・築浅はもとより、築古物件まで価格が上昇している今、従来の「築年数が経てば家賃を下げる」という図式は成り立たず、購入価格に見合うだけの収益を確保することは非常に困難となります。

さらに、金利の上昇や建築費・資材費の高騰、利回りの低下を背景とした「運営コストの上昇」が追い打ちをかけます。高騰する物件価格に加え、上昇する修繕費、管理コスト、返済額がキャッシュフローを圧迫し、健全な賃貸経営の維持が難しくなっているのです。

戸建て賃貸、賃上げ、AIの活用…。2026年に予測される「不動産投資のトレンド」2

画像引用元:不動産投資トレンド予測(2026)|不動産投資と収益物件の情報サイト「健美家」

これらのことからも、昨年に引き続き2026年も事業継続のため、賃料は「上昇」、または「現状維持」となる傾向が強い一年となることが予測されています。

AIは“戦略参謀”で活用。利用率42.0%、相談用途が58.5%で最多

第4のトレンド予測は「AIを“戦略参謀”として使うオーナーの増加」です。

戸建て賃貸、賃上げ、AIの活用…。2026年に予測される「不動産投資のトレンド」2

画像引用元:不動産投資トレンド予測(2026)|不動産投資と収益物件の情報サイト「健美家」

健美家が2025年8月に実施した『AIツールの利用に関する不動産投資家アンケート』によると、投資家の42.0%がすでにAIツールを利用していることがわかりました。

戸建て賃貸、賃上げ、AIの活用…。2026年に予測される「不動産投資のトレンド」2

画像引用元:不動産投資トレンド予測(2026)|不動産投資と収益物件の情報サイト「健美家」

その利用目的は「戦略を考える時の相談」が58.5%でトップ。これは「メール・文章作成(47.2%)」「物件のシミュレーション(39.6%)」を超えるものであり、投資家がAIに対し、客観的な意見や多角的な視点を提供してくれる「パートナー」としての価値を見出していることがわかります。

AIを活用することで、購入前キャッシュフローの試算や募集文面のブラッシュアップ、改修プランの比較など、時間を食う作業の効率化に直結します。

さらに、同アンケートでは残りの58.0%となる「現在はAIを利用していない層」からも調査を実施。

戸建て賃貸、賃上げ、AIの活用…。2026年に予測される「不動産投資のトレンド」2

画像引用元:不動産投資トレンド予測(2026)|不動産投資と収益物件の情報サイト「健美家」

それによると「物件購入時のシミュレーション(利回り・キャッシュフロー計算)(58.6%)」、「情報収集(税制・ニュースなど)(44.3%)」、「戦略を考える時の相談(41.4%)」といった投資戦略において重要な分野においてのAI活用に興味を抱いている傾向が強く、こうした未利用層が実際に導入をしていくことで、AIの活用率はさらに高まっていくだろうと予測されています。

入れ替わりが加速。様子見13.7%、売却18.0%――参入機会が広がる

最後のトレンド予測は、「投資家の『新陳代謝』の活発、および新規参入の増加」です。

「戦略に関する意識調査」によると、現在の投資戦略として「購入自体を一時中断し、様子見している(13.7%)」「不動産賃貸業を縮小した(5.4%)」といったように、市場から一歩引く姿勢を見せる層が、一定数存在することが明らかになっています。

さらに、「所有物件を売却した(する予定)」という回答も18.0%に達しており、利益確定などのために物件を手放す動きも少なくない割合で出始めているようです。

これらの結果を合わせて考えると、既存の投資家の2~3割程度は、一時的に静観する立場を取りつつ、物件の放出に動いていることがわかります。この動きは、これから不動産投資を始めてみたいと考える層にとっては手を出しやすい好機となるでしょう。

まとめ

2025年は金利上昇や物件価格・家賃の高騰が進み、不動産投資市場に大きな変化をもたらしました。

2026年は、少額で始める戸建賃貸、資産性で選ぶ都心物件、更新期に合わせた賃料最適化、AI活用による意思決定の高速化が鍵になるでしょう。

売却案件の増加期は指値+融資戦略で拾う好機でもあります。まずは保有資産の棚卸しと更新カレンダーの洗い出しから着手し、AIを使ったCF試算で「売る/持つ/入れ替える」を具体化していきましょう。

※この記事内のデータ、数値などに関する情報は2025年12月25日時点のものです。

取材・文/御坂 真琴

ライタープロフィール
御坂 真琴(みさか・まこと)
情報誌制作会社に25年勤務。新築、土地活用、リフォームなど、住宅分野に関わるプリプレス工程の制作進行から誌面制作のディレクター・ライターを経てフリーランスに。ハウスメーカーから地場の工務店、リフォーム会社の実例取材・執筆のほか、販売促進ツールなどの制作を手がける。

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