退去理由の半数が「対応の遅さ」。管理会社の対応力が空室を生む時代にオーナーが今すぐ見直すべきポイント

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公開日:2026年1月14日
更新日:2026年1月14日
退去理由の半数が「対応の遅さ」。管理会社の対応力が空室を生む時代にオーナーが今すぐ見直すべきポイント1

自分の理想をカタチにした注文住宅でもない限り、暮らしていれば不備や不満があるのは当然です。それが賃貸住宅であれば、相談やクレームの行く先は管理会社となります。そこでどのような対応をされたのか、アセットテクノロジー(株)が実施した「賃貸物件管理会社サービス品質に関する入居者意識実態調査」によると、管理会社によってかなりの差があることが判明しました。この課題に対して、オーナーはどのように対応すべきなのでしょうか。

【調査結果】81.7%の入居者が管理会社の対応に不満

退去理由の半数が「対応の遅さ」。管理会社の対応力が空室を生む時代にオーナーが今すぐ見直すべきポイント2

画像引用元:賃貸物件管理会社サービス品質に関する入居者意識実態調査|アセットテクノロジー株式会社

現在、賃貸住宅に入居中、もしくは過去3年以内に賃貸住宅に入居していた経験があり、かつ相談やクレームといった管理会社とのやり取りをした経験がある324名を対象に、そのやり取りについて不満があったかどうかを聞いたところ、「何度も不満(21.7%)」「数回、不満(46.6%)」「1回程度不満(12.0%)」をあわせた81.7%の割合で「不満」を感じていたことが明らかになりました。

不満内容の1位は「設備の故障の対応が遅い」

次に「不満」を感じたことのある人に、その不満の内容を聞いてみました。

退去理由の半数が「対応の遅さ」。管理会社の対応力が空室を生む時代にオーナーが今すぐ見直すべきポイント2

画像引用元:賃貸物件管理会社サービス品質に関する入居者意識実態調査|アセットテクノロジー株式会社

5割近くの人が不満の理由に挙げた「設備の故障・修理対応が遅かった(47.5%)」がトップ。次いで「連絡してから返信・対応までの時間が長かった(35.8%)」、「連絡しても対応してもらえなかった(28.3%)」がトップ3を構成する結果に。

未対応は論外ではありますが、修理や返信などの対応がスピード感をもって行われなかったということが不満の大部分を占めたと言えるでしょう。

昨今の猛暑などでエアコンなどの機器の故障は一歩間違えれば命にかかわる問題。しかもトップシーズンは電気工事会社の手配が追い付かないとも報道でも取り上げられています。管理会社に同情する気持ちもなくはないですが、少なくとも相談やクレームが入った場合は、後回しにせず最優先で対応することが重要と考えられます。

さらに、入居者の入れ替わりの際などに、故障が考えられる機器はメンテナンスや場合によっては交換が必要になることをオーナー自ら確認しておくことも、入居者から見た管理会社の実情を考えれば必要かもしれません。

20.4%が退去、55.5%が退去を検討する深刻度

こうした管理会社への不満は、入居者の心理や行動にどのような影響を与えたのでしょうか。

退去理由の半数が「対応の遅さ」。管理会社の対応力が空室を生む時代にオーナーが今すぐ見直すべきポイント2

画像引用元:賃貸物件管理会社サービス品質に関する入居者意識実態調査|アセットテクノロジー株式会社

管理会社の対応に不満を感じたことが1回でもある人に「その後」を聞いたところ、20.4%の人が「実際に契約更新せずに退去した」と回答しました。

さらに、「退去を真剣に検討したが、結局更新した(38.9%)」「一時的に退去を考えたことがある(16.6%)」など、55.5%の割合で退去を検討したことがあると回答。「対応に不満=空室リスクが約8割に上昇」という事実は、オーナー側から見ても看過できることではありません。

数字にはなかなか表れにくいものですが、管理会社の対応力にはオーナーも目を光らせておくべきでしょう。

退去理由のトップは「スピード感のない対応」

実際に退去、または退去を検討した人たちにとって、何が決め手になったかも聞きました。

退去理由の半数が「対応の遅さ」。管理会社の対応力が空室を生む時代にオーナーが今すぐ見直すべきポイント2

画像引用元:賃貸物件管理会社サービス品質に関する入居者意識実態調査|アセットテクノロジー株式会社

5割近い人が挙げた「緊急性の高い問題(設備故障・騒音等)への対応が遅かったから(48.8%)」がトップとなり、不満を感じた対応と同様、「スピード感」が重要だということは、この結果からも明らかです。

次いで、「こちらの困りごとに真摯に向き合ってもらえなかったから(33.8%)」「対応の進捗が分からず不安だったから(31.3%)」との回答が上位を占めました。

実際に被害を被っている入居者と管理会社との間には、かなりの温度差があることが、この結果からもわかります。さらに酷いところだと「何度連絡しても改善されなかったから(23.9%)」といった回答も決して少なくなく、管理会社の不誠実さは想像していたよりも深刻なようです。

不満経験者の8割以上が「管理会社の口コミ」を重視

賃貸住宅を探す際、家賃や立地、間取りや設備など、重視する部分は数多くあります。では「管理会社」の評判や口コミはどれほど重視されているものなのでしょうか。

退去理由の半数が「対応の遅さ」。管理会社の対応力が空室を生む時代にオーナーが今すぐ見直すべきポイント2

画像引用元:賃貸物件管理会社サービス品質に関する入居者意識実態調査|アセットテクノロジー株式会社

管理会社に不満を感じたことがある人限定ではありますが、「管理会社の評判や口コミを調べるようになった(52.1%)」「管理体制がしっかりしている物件を優先するようになった(37.7%)」「どの管理会社が管理しているかを必ず確認するようになった(29.1%)」など、一度でも不満を感じた人にとって、管理会社の評判や口コミは、賃貸住宅を探す際の重要な要素になったことがわかります。

当然、こうした負の連鎖を経験した人たちは、不満を感じた管理会社の良くない評判や口コミを残していくことも考えられます。こうした行動が他の入居検討者に影響を及ぼすことも十分考えられるため、オーナー側としても「物件の管理を任せられる会社なのか」というジャッジには厳しい目が求められます。

管理会社任せにしない“オーナーの関わり方”が空室リスクを下げる

では、入居者は管理会社にどういったことを期待しているのでしょうか。

退去理由の半数が「対応の遅さ」。管理会社の対応力が空室を生む時代にオーナーが今すぐ見直すべきポイント2

画像引用元:賃貸物件管理会社サービス品質に関する入居者意識実態調査|アセットテクノロジー株式会社

「トラブル発生時に親身に相談に乗ってくれること(41.4%)」「連絡に対する返信・対応が迅速であること(40.1%)」「騒音などのトラブルを適切に解決してくれること(32.7%)」のトップ3に続き、「対応の進捗状況をこまめに連絡してくれること(24.1%)」「緊急時でも連絡が取れること(15.4%)」等の回答が挙がりました。

入居者が特別なことを求めているわけではなく、まずは同じ目線で話を聞き、最優先で対応するといった当たり前のことが求められていることがわかります。

生活時間の他、文化・習慣の異なる人が隣近所となる賃貸住宅では、クレームや相談事はゼロにはなりません。緊急時でも連絡がつく体制やトラブル対応時のマニュアルの整備などは欠かすことのできないものと、管理会社はもとよりオーナーも日ごろから準備しておくべきです。

わからない状態が長い時間続くことは大きなストレスになり、さらにそれが放置され続ければ関係性は修復不能なまでに破綻します。こうなると場合によっては「直接、オーナーに相談を」となることもあるでしょう。

5割超の人が「オーナーに伝えた・伝えたい」

対応力の低い管理会社にあたってしまった場合、オーナーに直接クレームを入れたり相談したりした人、またはしたいと思った人はどれくらいいるのでしょうか。

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画像引用元:賃貸物件管理会社サービス品質に関する入居者意識実態調査|アセットテクノロジー株式会社

「直接伝えたことがある(20.8%)」「伝えたかったが、伝える方法が分からなかった(32.1%)」「伝えても改善されないと思い、伝えなかった(18.1%)」との回答が上位にランクイン。

管理会社を飛び越え、オーナーと直談判した人は2割を超え、伝えたかったが諦めた人は5割を超えました。

ここで問題としたいのは、「伝え方が分からず諦めた」人が3割以上にのぼったということです。

これはほとんどの場合、連絡先が分からなかったということと想像できますが、「適切な『管理』のできない管理会社」が8割以上を占めるのが実情である以上、故障やトラブルについての対応は管理会社まかせにはせず、窓口を含めオーナー自身が行うといった直接対応をするべき段階にあるとも言えるわけです。

ではなぜ、オーナーとの直談判を望んだのでしょうか。

退去理由の半数が「対応の遅さ」。管理会社の対応力が空室を生む時代にオーナーが今すぐ見直すべきポイント2

画像引用元:賃貸物件管理会社サービス品質に関する入居者意識実態調査|アセットテクノロジー株式会社

「このままでは他の入居者も困ると思ったから(44.5%)」がトップの回答となりました。単に負の感情にまかせた結果ではないことが、この結果からもわかります。

他にも「オーナーなら改善してくれると期待したから(35.2%)」「管理会社が動かないので、オーナーに知ってほしかったから(30.4%)」「管理会社を変更してほしかったから(22.0%)」といった、オーナーに対する潜在的な期待感の高さが見え隠れする回答が上位を占める結果となったことも注目に値します。

まとめ

賃貸住宅における入居者の不満の実態が今回の調査で明らかになりました。

管理会社に相談やクレームをした経験のある人のうち、実に81.7%が「不満を感じたことがある」と回答。なかでも「設備の故障・修理対応が遅い」「連絡しても返信が遅い」といった、スピード感の欠如が大きな不満要因となっています。

退去理由の半数が「対応の遅さ」。管理会社の対応力が空室を生む時代にオーナーが今すぐ見直すべきポイント2

こうした不満はその後の入居者の行動にも直結しており、20.4%が実際に退去を決断。さらに55.5%が退去を検討した経験があると答えました。退去理由のトップも「緊急性の高い問題への対応が遅かったから」で、管理会社の初動対応や進捗共有の重要性が浮き彫りになったかたちです。

さらに、一度不満を経験した入居者の8割以上が、物件探しの際に管理会社の評判や口コミを重視するようになった点も注目すべき点です。管理の質は、まさに物件の評価や集客力にも大きな影響を与えていると言えます。

入居者が管理会社に求めているのは、特別なサービスではありません。親身に話を聞き、迅速に対応し、状況をきちんと伝える―。その「当たり前」を提供できていない管理会社が少なくない以上、オーナー側も管理会社まかせにせず、対応力を見極め、必要に応じて関与する姿勢が、空室リスクを防ぐ重要なポイントとなります。

※この記事内のデータ、数値などに関する情報は2026年1月7日時点のものです。

取材・文/御坂 真琴

ライタープロフィール
御坂 真琴(みさか・まこと)
情報誌制作会社に25年勤務。新築、土地活用、リフォームなど、住宅分野に関わるプリプレス工程の制作進行から誌面制作のディレクター・ライターを経てフリーランスに。ハウスメーカーから地場の工務店、リフォーム会社の実例取材・執筆のほか、販売促進ツールなどの制作を手がける。

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