相続トラブルの火種にも。“実家じまい”は早めの対話が鍵!最新調査で判明した親子の意識差と課題

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公開日:2026年1月20日
更新日:2026年1月21日
相続トラブルの火種にも。“実家じまい”は早めの対話が鍵!最新調査で判明した親子の意識差と課題1

核家族化が進んだ現在、「家族が集まる機会は年末年始ぐらい」という方も多いかと思います。(株)「すむたす」は相続や実家の処分に関する親子間コミュニケーションの実態について、親世代・子世代それぞれに対しアンケート調査を実施しました。今回は、“実家じまい”をめぐる親子の意識差と課題を、調査結果から整理して解説します。

話し合い実施率はわずか32.5%。7割の家庭で“未着手”

相続トラブルの火種にも。“実家じまい”は早めの対話が鍵!最新調査で判明した親子の意識差と課題2

画像引用元:実家じまいに関する親子間コミュニケーション意識調査|株式会社すむたす

すでに「実家じまい」について親子間で話し合ったことがあると回答した人の割合は32.5%という数値となり、「すむたす」が2025年7月に実施した同アンケート調査の結果よりも4.6%の微増という結果に。実に7割近くの親子では、未だ話し合いがされていないことが明らかになりました。

“空き家”がすでに社会問題として認識されている昨今においても、その予備軍となる「実家じまい」について話し合われている家族の割合が依然として多くないという事実は、リスク増加の危険性に直結します。

話し合わない最大の理由は「まだ考えていない」

ではなぜ、話し合いが行われないのか。その理由についての調査結果も見ていきましょう。

相続トラブルの火種にも。“実家じまい”は早めの対話が鍵!最新調査で判明した親子の意識差と課題2

画像引用元:実家じまいに関する親子間コミュニケーション意識調査|株式会社すむたす

1位は「まだ具体的に考えていなかったから(親63.1%・子43.6%)」で、「話し合う必要性を感じていなかった(親40.0%・子20.5%)」、「話を切り出すきっかけがなかった(親12.3%・子25.6%)」などが続く結果となりました。どちらも「自分たちははまだ大丈夫」という考えが透けて見え、まだ当事者意識を持つには至らないということが背景にあるようです。

他には、「子ども/親が嫌がると思ったから(親7.7%・子9.0%)」、「子ども/親に心配・負担をかけたくないから(親6.2%・子2.6%)」などの回答も、少数派ながら挙げられています。お互いに気をつかっていることに起因していることでしょうが、相続は親子だからこそ話しておかなければならないことでもあります。

相続トラブルの火種にも。“実家じまい”は早めの対話が鍵!最新調査で判明した親子の意識差と課題2

また、お祝いムードが強い年末年始にはそぐわない、と敬遠されているとも考えられます。そういった場合では年末年始の時期ではなく、例えばお盆のように無理なく死生観を共有できる時期に話し合いの機会を設けるなどの工夫をしてみると良いかもしれません。

一方、親子間で話し合いをした人に、「どんなことを話し合ったか」を聞いてみたところ、「自身/親が逝去後の住まいの処分について(62.3%)」、「自身/親が存命の間の住まいについて(43.4%)」が上位を占める結果に。

相続トラブルの火種にも。“実家じまい”は早めの対話が鍵!最新調査で判明した親子の意識差と課題2

画像引用元:実家じまいに関する親子間コミュニケーション意識調査|株式会社すむたす

話し合いをした人たちは、実家じまいの具体的な内容にまでしっかり踏み込んだ会話ができているといえます。

子は“話しているつもり”でも、親は“変化なし”——意識のズレ

次は、「過去1年の間で話し合いの頻度や内容に変化はあったか」と質問してみました。

相続トラブルの火種にも。“実家じまい”は早めの対話が鍵!最新調査で判明した親子の意識差と課題2

画像引用元:実家じまいに関する親子間コミュニケーション意識調査|株式会社すむたす

この質問への回答は、親と子の間で大きな乖離が見られる結果となりました。

子の約5割で「話し合いの頻度や内容に変化があった」と回答しているのにもかかわらず、親の約8割で「変化はなかった」と回答しています。これは子の方から「実家じまい」の話題を振りつつも、親側ではそうとは受け取っておらず、世間話くらい程度の認識であったことが考えられます。

このズレを正すためには、「自分たち、子の立場ではこう考えている。親の立場ではどう考えているか」など、当事者意識を持ちつつ話しを進めることが重要です。気をつかった結果、「世間ではこうした例があるようだよ」というような話の進め方では、「自分たちには、まだ関係のない話かな」と、流されてしまうことにもなりかねません。

準備意識にもギャップ。子は整理を望む一方で親は「特にない」

次は、親が子に「『実家じまい』について準備しておいてほしいことはなにか」についての調査結果です。

相続トラブルの火種にも。“実家じまい”は早めの対話が鍵!最新調査で判明した親子の意識差と課題2

画像引用元:実家じまいに関する親子間コミュニケーション意識調査|株式会社すむたす

最多の回答となったのは「わからない/特にない(76.5%)」でした。

これは、親の側から言えば「自分たちには、まだまだ先の話」という、当事者意識の希薄さが背景にあるものと推察できます。

しかし、遺される側の子の立場から言えば、住まいはもちろん、保険の手続きやサブスクの解約など、右往左往しないように、情報収集やID・パスワードの整理などはしておいてほしいもの。

相続トラブルの火種にも。“実家じまい”は早めの対話が鍵!最新調査で判明した親子の意識差と課題2

画像引用元:実家じまいに関する親子間コミュニケーション意識調査|株式会社すむたす

子が親に「『実家じまい』について準備しておいてほしいことはなにか」の質問の回答に、それが表れています。

回答の上位を占めたのは、「不用品の整理・処分(43.6%)」「重要書類の整理(33.6%)」といった具体的な作業でした。この結果を見ても子の側には明確な当事者意識があると言えます。

親の側も「自分たちには、まだ先の話」と楽観視することなく、元気なうちにこそ、少しずつでもモノや個人情報の整理や準備など、子とすり合わせをしておくことが大切です。

帰省回数と話の深まりは比例しない

こうした話し合いの頻度や内容の濃さと、帰省の回数との間には関係性があるのでしょうか。

相続トラブルの火種にも。“実家じまい”は早めの対話が鍵!最新調査で判明した親子の意識差と課題2

画像引用元:実家じまいに関する親子間コミュニケーション意識調査|株式会社すむたす

親と子の両方に、「この1年で話し合いの頻度や内容に変化があったか」と質問をし、その回答を帰省の回数別に分類して比較してみたところ、「年に4回」、もしくは「年に1回」でも大きな差のないことがわかりました。

帰省の頻度に関係なく、明白な意図をもって話し合いに臨まない限り、お互いが次の行動に移れるような実のあるコミュニケーションにならないことは、この結果からも明らかです。

4人に3人が重要書類の保管場所「知らない」

最後に、実家をいざ相続だ、売却だ、となったときに必要になる「権利書(登記識別情報)」や「実印」について、子はその保管場所を把握しているかの調査結果です。

相続トラブルの火種にも。“実家じまい”は早めの対話が鍵!最新調査で判明した親子の意識差と課題2

画像引用元:実家じまいに関する親子間コミュニケーション意識調査|株式会社すむたす

重要書類について、その保管場所を把握していると回答した子の割合は、23.6%に留まり、約4人に3人は「把握していない」ということが明らかになりました。

この場合のリスクは、相続登記ができない、つまりは「売却できない」「権利関係が複雑化する」「固定資産税等が高額になる」などです。さらに期限までに申請手続きをしないと、罰則の対象になります。

存命中でも認知症などになる場合も想定されます。不用品の片付け等はハードルが高くても、「大切な書類の場所だけは聞いておく」ことが、リスク管理として重要と言えるでしょう。

まとめ

核家族化が進むなか、「実家じまい」は多くの家庭にとって避けて通れない課題となっています。

調査によると、親子間で実家の処分や相続について話し合った経験がある人は3割強にとどまり、約7割は未着手でした。

話し合えていない理由の最多は「まだ具体的に考えていなかったから」で、特に親世代には「自分たちはまだ先」という意識が根強く見られます。

その一方、子世代は不用品整理や重要書類の把握など、現実的な準備を求めており、ここに大きな温度差が存在します。

また、話題に出しても親側には深刻な話として受け取られていないケースも多く、それは帰省頻度が「年に1回」でも「年に4回以上」でも、対話の頻度や内容の深度とは関係ありません。明確な意図を持って話し合いに臨むことが重要です。

さらに、権利書や実印の保管場所を知らない子が多数派であることは、将来の相続・売却リスクを高めます。「実家じまい」は元気なうちにこそ少しずつ共有すべき家族の課題であり、早めの対話が将来の負担を軽減すると言えるでしょう。

※この記事内のデータ、数値などに関する情報は2025年12月25日時点のものです。

取材・文/御坂 真琴

ライタープロフィール
御坂 真琴(みさか・まこと)
情報誌制作会社に25年勤務。新築、土地活用、リフォームなど、住宅分野に関わるプリプレス工程の制作進行から誌面制作のディレクター・ライターを経てフリーランスに。ハウスメーカーから地場の工務店、リフォーム会社の実例取材・執筆のほか、販売促進ツールなどの制作を手がける。

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