建築費・工期を3割削減する新工法「シンプルツーバイフォー」とは?天井高3mを実現する、プレカット不要のシンプルな仕組みを解説
建築費の高騰が続き「新築を建てたいが収支が合わない」とお悩みのオーナーも多いのではないでしょうか。材料費・人件費の上昇に加え、工期が長引けば家賃収入が入るのも遅くなり、キャッシュフローが悪化します。これらを解決するべく生まれたのが「シンプルツーバイフォー工法」。工事費原価を同社実績で最大30%削減、工期は2〜3ヶ月に短縮する新工法の仕組みをご紹介します。
建築費高騰時代のオーナーが直面する現実
近年、木材価格の高騰や職人不足により、賃貸住宅の建築費は上昇し続けています。
木造賃貸住宅の建築費は坪70万円〜100万円が当たり前という水準になりつつあり、コスト面の壁から新築計画を見送るオーナーも少なくありません。さらに、プレカット工場の混雑や人員不足により、着工から竣工までの期間が延びるケースも増えています。
工期が1カ月延びればその分の家賃収入が失われ、利回りにも直結します。「新たに賃貸物件を建てたいのに、コストと工期の不安で踏み切れない」——そんなオーナーのお悩みを解決する新しい建築工法が生まれました。さらに、物件の差別化につながる天井高3mの開放的な空間を実現するというのです。
それが、現在特許出願中の「シンプルツーバイフォー工法」。九州・久留米で生まれ、すでに賃貸物件の入居者からも喜ばれている同工法。どのような建て方なのか、開発者である同社の代表を務める島さんにお聞きしました。
角材1種類で建てる「シンプルツーバイフォー工法」とは
シンプルツーバイフォー工法は、長さ3m・105mm角の杉柱1種類と構造用合板だけで建てる木造工法です。一般的なツーバイフォー(2×4インチ材)とは異なり、より太い105mm角の柱を50cm間隔で立て、合板で面を構成します。
最大の特徴は、プレカット(工場での木材事前加工工程)を一切使わないこと。ホゾ加工や複雑な金物を使わず、柱同士を「突付けビス留め」という独自の方法で接合します。電動工具だけで施工できるため、職人の技術に依存しにくく、品質のばらつきも抑えられます。
シンプルツーバイフォー株式会社 代表の島 裕實さん
「考え方の基本は、”やらなくても、家の安全性や完成度に影響がない手順を探す”ことからでした」と話す代表の島さん。父親も大工職人だったという代表は、40年以上前から”もっとシンプルに、もっと合理的に建てられないか”を追求してきました。
「昔ながらの建前や屋根上の作業は危険も伴いますし、工程が多いほど施工ミスも起こりやすくなる。だったら、必要以上の工程を減らせないかと考えてきました」(島代表、以下同)
実際、同工法では床組みをなくし、ベタ基礎を床面近くまで立ち上げることで床下空間を省略。屋根も下地材を減らし、ガルバリウム鋼板を直接施工する仕組みを採用しています。結果として、材料や工程、段取りを大幅に削減できるのです。
さらに、プレカット工場に依存しない点も大きな特徴。通常の木造建築では、工場での打ち合わせや加工待ちが必要になりますが、同工法ではその工程が不要なため、工期短縮にもつながります。
「材料の種類が少ないので、現場で『この場所にはどの材料を使うか』を探す必要がありません。施工する職人も、慣れるほどスムーズに、早く建てられるようになると思います」
施工の合理化によって、職人不足という建築業界全体の課題にも対応しているのです。
オーナーに大きな3つのメリット「コスト・工期・天井高」
賃貸オーナーにとって、同工法の魅力は大きく3つあります。それが「コスト」「工期」「天井高」です。
①コスト
まず注目したいのがコスト面。在来工法と比較して、工事費原価を最大約30%削減(同社実績)できるのです。例えば、本体建築工事費が2000万円かかるケースなら、約1400万円まで抑えられる可能性があり、その差額は約600万円。建築費高騰が続く現在、このインパクトは非常に大きいでしょう。
「コスト面の不安から、新築計画を見送るオーナーも増えています。だからこそ、価格面のメリットは重要だと思っています」
坪単価の目安は約48万円。建物規模や仕様によって変動はありますが、一般的な木造賃貸住宅で坪70万円以上かかるケースが多いことを考えると、大きな差があります。
②工期
次に工期です。一般的な木造住宅では3〜5カ月程度かかるところを、同工法では2〜3カ月程度まで短縮可能。倉庫であれば約1カ月で完成した実績もあります。
工期が短くなれば、その分早く家賃収入を得ることができます。賃貸経営では”完成が1カ月遅れる”だけでも大きな機会損失になるため、これはオーナーにとって見逃せないポイントです。
③天井高
そして3つ目が、天井高3mの開放感です。
一般的な住宅の天井高は2.4m前後が主流ですが、同工法では1階で最大3m、2階でも最大2.85mを実現可能。数字で見ると60cm程度の差ですが、実際に室内に入ると体感的な広さは大きく変わります。都市部の狭小地でも、高さを出すことで実際の専有面積以上の開放感を感じることができます。
「入居者の方から『天井が高くて気持ちいい』という声をいただいています。特に、長期入居が望める戸建て賃貸では、広さや開放感を重視する方が多いですね」
さらに、床下空間をなくした構造により、水害時に床下浸水しにくい点や、シロアリが入りにくい点もメリットです。また、木残材も在来工法の5分の1以下に抑えられるなど、環境負荷低減にもつながっています。
大学と連携して強度検証が進行中。施工実績も着々と増加
新しい工法と聞くと、「本当に強度は大丈夫なのか」と不安を感じるオーナーもいるでしょう。
その点で同社が力を入れているのが、大学との共同研究です。2024年から久留米工業大学と連携し、本工法の有効活用研究や強度実験を進行中。ビス接合部分の強度実験なども進められています。
建築学会九州支部で発表された論文では、シンプルツーバイフォー工法の戸建て建築事例を、必要壁量に対してX方向約3.9倍、Y方向約2.9倍の壁量が存在すると評価されています。論文内で「シンプルツーバイフォー工法は、建設費の抑制や工期の短縮、臨機応変な建設が可能」と紹介しています。
同工法は現在特許出願中であり、福岡・佐賀エリアを中心に16棟以上の施工実績があります。用途も戸建て住宅だけでなく、賃貸アパート、事務所、倉庫など幅広く展開。実際に賃貸物件として稼働している事例も増えています。
「簡単に建てられても、弱い建物では意味がありません。柱が多く荷重が分散される構造なので、台風や地震にも強い建物となります。構造がシンプルなぶん将来的な修繕コストもスリム化できるはず。施工の合理化だけでなく、”安心して長く使える建物”を目指しています」
【実例紹介】天井高3m・坪単価48万円の賃貸アパート
2024年に施工された賃貸アパートの事例では、床面積約55㎡、天井高2.95mの戸建て住宅を約800万円(税込)で建築。坪単価は約48万円、工期は約2.5カ月でした。一般的な坪単価70万円〜100万円で換算すると建築費は約1,190万円〜1,700万円となることを考えると、大きなイニシャルコスト削減につながることが分かります。
一般的な住宅と比べても圧迫感が少なく、室内に入ると開放感は一目瞭然。ドア高さ約2mのさらに上に約95cmの空間が広がる感覚は、数字以上の広さを感じさせます。
「広く快適に暮らしたいという入居者のニーズに合うと思います。1棟すべてに本工法を使わずに、基礎のみ、屋根のみなどといった部分的な適用も可能で、建てたい建物に応じて取り入れることができます」
まずは気軽に情報収集を。資料請求・無料相談を受付中
シンプルツーバイフォー工法は、「建築費を抑えたい」「工期を短くしたい」「入居者に選ばれる賃貸をつくりたい」というオーナーにとって、非常に有力な選択肢のひとつと言えるでしょう。
新しい工法で特許出願中の今だからこそ、早く情報を得ることで先行者メリットを得られる可能性が高いといえます。
「ぜひ他社の坪単価や工法とも比較してみてください。メリットの大きさを実感いただけるはずです」と代表の島さん。
まずは資料請求や無料相談から、気軽に情報収集してみてはいかがでしょうか。工務店向けのライセンス導入相談も受け付けています。ぜひお問い合わせください。
ライタープロフィール
石垣 光子(いしがき・みつこ)
情報誌制作会社に10年勤務。学校、住宅、結婚分野の広告ディレクターを経てフリーランスに。ハウスメーカー、リフォーム会社の実例取材・執筆のほか、リノベーションやインテリアに関するコラム、商店街など街おこし関連のパンフレットの編集・執筆を手がけている。
















