Withコロナ時代に知っておきたい!賃料減額要請への対応ノウハウ

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公開日:2020年9月2日
更新日:2023年3月30日
Withコロナ時代に知っておきたい!賃料減額要請への対応ノウハウ1

コロナ禍で困窮した入居者からの賃料減額要請が発生しています。どう対応すればいいのかわからず、不安なオーナーも多いのではないでしょうか。そこで、いざというときに困らないための準備と対処の仕方を、司法書士の太田垣章子さんにお伺いしました。

お話しを伺った方
Withコロナ時代に知っておきたい!賃料減額要請への対応ノウハウ2

司法書士 太田垣 章子さん

章(あや)司法書士事務所代表

2001年に司法書士試験に合格し、大阪市の司法書士事務所に就職。2002年司法書士法改正により、司法書士が簡易裁判所での訴訟代理権を取得すると同時に賃貸トラブルの対応開始。2006年に大阪で独立開業し、2012年に東京進出、現在に至る。

物件ごとの資産状況を確認し、入居者の属性も把握しておく

新型コロナウイルス感染症の影響が続く中、収入が減ったご入居者から家賃の減額を要請され、頭を悩ませる大家さんが増えています。業績悪化による企業の倒産や従業員の解雇は今後も増え続けるでしょうから、まだ影響を受けていない大家さんにとっても他人事ではありません。早めに心構えをして対応策を講じておきましょう。

物件のキャッシュフロー&ローン残高を確認

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よく寄せられるのが、「どれくらい減額すればいいのか」というご相談ですが、これは個々の大家さんの経済状況や賃貸状況によって異なるので一概にお答えできません。まずは所有物件のキャッシュフローやローン残高などを確認し、いくらまでなら譲歩しても大丈夫なのかを物件ごとに明確にしておいてください。

賃貸借契約の内容を確認し、入居者の属性把握を

Withコロナ時代に知っておきたい!賃料減額要請への対応ノウハウ2

同時にすべての賃貸借契約の内容を確認しましょう。ご入居者の年齢・属性・勤め先などを確かめ、学生や自営業・派遣社員などコロナ禍の影響を受けそうな方を把握しておきます。その際、年金生活のご高齢者や生活保護世帯の方は家賃滞納のリスクが低いので、チェックの優先順位は低くなります。

ご入居者が契約している家賃保証会社のリストアップも行い、さらに連帯保証人と緊急連絡先も再確認し、電話番号がつながる状態かを確かめておくと良いです。いざ減免要請を受けたときに困らないよう、今できることをして備えておくことが肝心です。

相手に寄り添う姿勢を示し、常に連絡がつく関係づくりを

そして、何よりも大事なのは、常にご入居者と連絡がつくようにしておくことです。借り手は自分から大家さんに連絡をして「家賃を下げて」とは言いづらいもの。切羽詰まって滞納し、相談もなく夜逃げされるといった最悪の事態を避けるためにも、ふだんから寄り添う姿勢を示しておくことが大切です。

ハガキでも携帯電話のショートメールでも、LINEでもいいので、「こんなご時世ですが、お困りごとはありませんか?」といったようなメッセージを入れておくことをおすすめします。

Withコロナ時代に知っておきたい!賃料減額要請への対応ノウハウ2

ご入居者から家賃減額の要請を受けた場合は、相手の懐に入って収入などの状況を詳しく話してもらい、大家さん側も歩み寄って減額幅や期間、条件をすりあわせていくのが基本です。そして、どこかで「できるだけ譲歩しますけれど、これが限界点です」と伝え、その上で「大変ですが何とか乗り切ってくださいね」と気遣いを示すことも忘れずに。

さらに住宅確保給付金など行政の各種補助制度を教えてあげたり、あるいは家賃の安い物件への引っ越しを手伝うといった親身なサポートをしてあげてはいかがでしょうか。

最悪のシナリオを想定し、取り決めた内容は書面で残す

気をつけてほしいのは家賃減額のやりとりを口約束で済ませないこと。最悪のシナリオも想定して、覚書として書面に残しましょう。後に滞納トラブルに発展し、明け渡し裁判になってしまったとき、双方が納得して決めた内容であることを証明できれば、有利に進めやすくなります。

また、覚書を交わしたから安心とばかりに放置してはいけません。「その後、お変わりはありませんか?」とコンタクトをとり続けてご入居者の様子を伺ってください。

Withコロナ時代に知っておきたい!賃料減額要請への対応ノウハウ2

コロナ禍でかつてない厳しい状況に直面した今、強く生き残れるのは自ら情報を得て思考し、行動につなげられる大家さんです。まずは大切な資産である物件を人任せにせず、経営者目線を持ち、手を掛けて育てていく姿勢を持っていただきたいと思います。どうしていいかわからない場合は、迷わず知識やノウハウを持つプロの専門家に相談してください。

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