低コストで効果が出やすいリフォーム・リノベの箇所は?
空室があっても、大規模なリフォーム・リノベーションをするほど予算に余裕がない場合は、ローコストでも効果が期待できるワンポイントリノベーションを検討しましょう。壁紙や天井などを一新することで、それほどコストをかけずとも他物件との差別化が可能です。
居室で最も簡単に差別化できるのは、壁紙の色柄の変更
老朽化物件の空室を埋めたいけれど、大規模なリフォーム・リノベをするほど予算に余裕がない場合に検討したいのが、ローコストでも効果が期待できるワンポイントリノベーションです。
費用の目安は、賃料の3カ月から1年分以内。金額は20万円台から最大60万円台くらいです。
この金額でできることは限られますが、アイデアを駆使すれば、驚くほど部屋の印象を変えることが可能です。
キーワードとなるのは「差別化」です。注意するのは、「誰にアピールするか」を明確にすること。ターゲットに響かない差別化では意味がありません。
単身者かファミリーか、男性か女性か、どんな趣味の人か、年齢は?といった具合に入居者ターゲットを絞り込みます。そして、自分がその立場なら「どんな部屋に魅力を感じるか」を考え、コンセプトや方法を検討します。
では、低コストで効果が出やすいリフォーム箇所とは、具体的にどこでしょうか。
おすすめは、居室で最も簡単に差別化を図ることができる、壁紙や天井などの色柄の変更です。中でも壁紙は効果的です。
例えば、壁の一面に若者に人気の高いビビッドな色のアクセントクロスを張るだけで、魅力的な雰囲気の空間に変わります。入居者募集サイトに掲載する場合にも、写真映えするので目立つことができます。
ワンポイントリノベーションの例
扉の色に合わせて落ち着いた空間を演出するため、薄いブルーの壁をチョイス。リノベーション費用:3500円/㎡(材料費+施工費)
取材協力・写真提供:nu(エヌ・ユー)リノベーション
近年は、海外のセンスの良い壁紙をインターネットで安く買えるようになりました。一度貼ってから簡単にはがせる糊も登場するなど、自分の手で楽に貼ることもできるようになっています。
カラークロスの値段は様々ですが、低価格のものなら、一般的な白いクロスに比べ、負担増は平米あたり300円程度に収まります。壁一面分を貼っても数千円の違いに過ぎず、費用対効果が高いところも魅力です。
まとめ|リフォームで差別化を
これまでの賃貸住宅は万人受けする無難な間取りや設備で、内装も白い壁にフローリングといった組み合わせが大半でした。貸し手市場ならそれでもよいのですが、今は完全なる借り手市場。多少のリフォームでは目立たないので、思い切ったデザインや色使いを試してみましょう。
文/木村 元紀