リフォームにいくらかけたらいい? 予算の目安は?

空室対策で「リフォームにコストを掛けるか、それとも家賃を値下げするか」――迷いどころに、どう判断すればいいのでしょうか。家賃倍率や利回りなど、2つの観点からリフォームの費用対効果を考えてみます。

「なるべくリフォーム費用は節約したい」というオーナーは多いようです。かといって、家賃を下げて部屋が埋まったとしても、その効果は長続きしないかもしれません。思い切ってリフォームすることによって競争力が高まり、満室経営につながる可能性があります。では、どのくらいのコストをかけるのが適切なのでしょうか。家賃倍率とリフォーム利回りという2つの判断基準があります。

家賃倍率

賃貸経営を実践しているオーナーに聞くと、リフォームにかける予算は「家賃の○ヶ月分を目安にする」という声が少なくありません。しかし、その内容は、

「通常は、家賃の2~3ヵ月分」(年間家賃収入の1/6~1/4)

「最大で、家賃の6ヵ月分」( 〃 1/2)

「家賃の半年分から3年分以内」( 〃 1/2~3倍)

と反応はさまざまです。

このようにバラツキが出る理由は、想定しているリフォームの内容がそれぞれ違うからです。家賃の2~3ヵ月分というのは、原状回復工事に併せて内装材のグレードを上げたり、小さめの設備を採り入れたり、といった表装リフォームのレベルでしょうか。

同6ヵ月分では、「原状回復工事+α」として、システムキッチンや洗面台など、大型の設備を導入するレベルまで含むと考えられます。同じく数年分になると、ユニットバスの交換、バス・トイレ分離、和室から洋室へ間取り変更など、リノベーションといってもいい内容まで想定したものでしょう。

「家賃の〇ヶ月分」というのは一見わかりやすいようですが、実は、費用対効果を実際に計る指標としては少し曖昧です。家賃の何ヵ月分で投資額を回収できるという意味合いで使われるわけですが、実際に投資額の回収に充てられるのは、家賃収入全額ではありません。家賃収入から経費を差し引いた利益分で回収する形になるため、経営状態によって判断がわかれてきます。

リフォーム利回り

コンサルタントなどのプロが用いる指標に「リフォーム利回り」があります。これは、リフォームを実施したことによって家賃が上昇した金額、つまり利益が増えた分を投資額で割った比率で表します。計算式は§3-1の通りです。

たとえば、月額家賃が6万円の部屋を50万円かけてリフォームし、5,000円のアップが見込めるとすると、年間の家賃上昇額は6万円で利回りは12%になります。競合が激しいエリアでリフォームによる家賃増額が難しいこともあるでしょう。その場合は、リフォームしなかったら家賃が下落していると予想されます。その家賃下落を抑えられた金額を「家賃上昇額」に相当するものとして、同じように計算してもいいでしょう。

この「リフォーム利回り」の水準が以下の通りなら妥当といえるようです。

・原状回復工事プラスアルファ(表層リフォーム):20%以上(5年以内に回収)

・設備更新、間取り変更など(リノベーション):12%以上(約8年以内に回収)

※参考:『「築20年超え」のアパート・マンションを満室にする秘訣』(西島昭著)

これらの指標を参考にしてみてください。

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