今の家賃は適正? どう設定すればいい?

現在の家賃が周辺相場に比べて割高なら、見直しが必要になるかもしれません。では、いくらぐらいに設定すればいいのでしょうか。競合物件の状況を踏まえながら、適正家賃の調べ方について解説します。

家賃推移の統計を見ると、ここ数年は横ばい状態のデータが少なくありません。そこで「家賃は安定している」と思うのは早計です。というのも、こうしたマクロな統計データは、毎年新築される新規募集家賃も含めた平均値を示しているからです。

所有物件のエリアや競合物件の家賃相場を調べる時は、駅からの所要時間、間取りタイプ、築年が同じくらいの物件と比較することが大切です。たとえば、築年と家賃との関係でいえば、1年で1%ぐらい下がる傾向があるという指摘もあります(下記グラフ参照。三井住友トラスト基礎研究所調べ)。築20年なら新築時より2割前後は下がっていると意識しておいたほうが良いかもしれません。

では、具体的に家賃相場をどう調べればいいのでしょうか。「地域の賃貸ニーズはどうやって調べればいいですか?」の記事でも簡単に紹介しましたが、1つは、ネットが有効です。

§2-7図は、SUUMOの賃貸カテゴリー内の「家賃相場」です。地域を行政区分や沿線・駅で絞り込むと、間取り別の家賃一覧が表示されます。さらに「マンション・アパート・一戸建て」などの住宅の種類、駅徒歩(5分きざみ)、築年(5年きざみ)の違いを合わせて、クロス集計したデータを見られるので非常に便利です。自分の所有物件に近い条件を想定して調べてみましょう。

他にも家賃相場を調べられるサイトがあるので、いくつか検索してみましょう。ただし、こうした賃貸ポータルサイトに出ているデータは「募集家賃」です。必ずしも入居者のニーズと一致しているわけではありません。実際に契約が成立した「成約家賃」とは落差があることを知っておきましょう。

通常は、「成約家賃」のほうが「募集家賃」より低めになっています。物件によって家賃交渉が入り、引き下げられるケースがあるからです。中には、物件広告を出してすぐに反響があるような人気物件で、募集家賃のまま成約することもあります。成約家賃と併せて、募集家賃に対する反響の良し悪し、入居状況を併せて調べることが大切です。

またエリアも、行政区分では広いため、成約家賃を知るには、管理会社や仲介会社へヒアリングする必要があります。「自分の物件と一緒に内見する物件はどれですか」とか、ズバリ「競合物件は何ですか」と尋ねてみましょう。複数の競合物件の成約家賃と比較して、自分の物件の良し悪しを評価(§2-8参照)し、プラス・マイナスをすることによって適正な家賃が導きだせるわけです。

ただし、こうして導き出した家賃で募集して、1ヶ月に反響がゼロ、もしくは問い合わせはあっても内見がないような場合は割高な可能性があります。改めて見直しをするか、販促力を強化する対策が必要でしょう。