空室の原因を分析するには、まず競合物件の把握から!

やみくもに空室対策のノウハウを仕入れても、どの方法が効果的かは判断しにくいものです。まずは「所有物件が周辺地域の賃貸市場で、どんなポジションにあるか」を客観的に把握することが大切。ネットを活用して、競合物件の情報を知ることから始めましょう。

「不動産会社が動いてくれない」と文句を言う前に・・・

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「周辺にアパートは何軒くらいありますか?」

「同じタイプの家賃相場はいくらですか?」

と質問を受けて、即座に答えられるオーナーは少ないのではないでしょうか。

「物件概要に書かれたこと以外に、アピールできるポイントは?」と聞かれて、「特にない」と答えるオーナーもいます。

自分の物件のことも、知っているようで意外に知らないかもしれません。

それでいて、「空室が埋まらないのは不動産会社の営業の努力が足りない」と文句を言っているケースも多いようです。

そんな状態では、効果的な空室対策を打つことはできません。オーナー自身が、自分の物件の強み、弱みを掴んでおくべきです。そのためにはマーケティングが必要ですが、難しく考えることはありません。インターネットの不動産ポータルサイトを活用して、周辺地域の賃貸市場を探ってみましょう。

オーナーが自分でできる「競合調査」のやり方

まず、物件の最寄り駅または地名と「部屋探し」という言葉をネットの検索画面で入力します。すると、「HOME’S(ホームズ)」や「SUUMO(スーモ)」「アットホーム」といった部屋探しサイトの一覧が表示されますから、いくつか閲覧してみます。

物件数の多いエリアなら、一つの駅周辺でも数百から数千件の物件がリストアップされるでしょう。そこで、 駅からの距離や間取りなど、自分の物件に近い条件を入れて絞り込むのです。

それでも物件数が多過ぎたら、「バス・トイレ別」「エアコン付き」など、設備の条件を追加してふるいにかけます。そうすると、条件が似た競合物件が浮き彫りになりますから、募集家賃の相場、敷金・礼金などの初期費用がどうなっているかをチェックしましょう。

LIFULL HOME'S「見える賃貸経営」

最近は賃貸オーナー向けの便利なサイトもあります。

例えば「HOME’S不動産投資/見える!賃貸経営」では、地域ごとの家賃相場や利回り、空室率(公的統計)が一目瞭然。そのエリアで賃貸物件を探すユーザーの希望間取りや希望家賃のほか、広さ、築年数、駅徒歩などのデータが見られるので、エリアの入居希望者ニーズを把握するのに役立ちます。

さらに、サイトに掲載されている物件のシェアと、ユーザーの検索回数が表示されているので、例えば「この地域では、15~20㎡の掲載物件は25%のシェアがあるが、入居希望者の検索では15%のシェアしかない。需給ギャップが大きい」ということが明らかになります。

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「見える!賃貸経営」トップページ

SUUMO「賃料・設備相場チェッカー」

またSUUMOの「賃料・設備相場チェッカー」では、その地域の特定の間取りの物件に、どんな付帯設備がどのくらい付いているかまでわかります。※利用には会員登録が必要です。

例えば、ある駅の木造アパートの1Kでは、「エアコン/96%」「フローリング/77 %」という具合に装着率が出てくるのです。

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「賃料・設備相場チェッカー」の画面イメージ

仮に、その地域で50%以上設置されている設備が自分の物件に付いていなければ、かなりのハンデと言えます。逆に装着率の低い設備が自分の物件に付いていれば、強みになります。また、このデータを使えば、リフォームで新たに設置すべき設備の優先順位も整理することができるでしょう。

まずは自分でいろいろ見てみることから始めよう

インターネットを上手く活用すれば、このようにオーナー自身で手軽に市場調査ができるのです。まずは動いてみることが大切。これを機にぜひチャレンジしてみてください。

文/木村 元紀

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