日本の賃貸経営はやっぱり厳しくなりますか?

「このまま賃貸経営を続けても大丈夫?」「人口が減って、空き家が増え、家賃も下がるのでは?」――需給バランスから考えます。必ずしも悲観的になる必要はありません。賃貸住宅の経営環境を冷静に解きほぐします。

賃貸経営の環境を大きく左右するのが、需要と供給の2つの側面です。こうしたマーケットの知識を得ることは、空室対策にも大いに役に立ちます。

需要1.人口

需要面で、もっとも重要なのは人口動態でしょう。日本の総人口は2008年を境に減少に転じました。2015年の国勢調査によると、全国の8割を超える市町村で減少しているようです。この傾向は、今後も拡大してくと予想されています。東京都と沖縄県を除いて、大都市圏でも人口減少の例外ではありません。

25年後の人口はどうなる?

東京都内でも、人口が増え続けるエリアばかりではありません。市部の多くや23区内の一部でも既に減少傾向に入っています。逆に言えば、個別に見て行くと、郊外や地方都市でも、必ずしも人口が減っていない有望なエリアがあることも知っておきましょう。

需要2.世帯数

人口だけでなく、世帯数の動きをチェックすることも重要です。人口が減っても、世帯数が増えれば賃貸住宅の需要は大きく落ち込みません。世帯の内訳がどう変わっているかを知ることも大切です。現在は、夫婦と子どもからなるファミリー世帯よりも、単独世帯のほうが多くなり、その差が広がっています。

家族類型別・世帯数の割合推計(大阪府)

単独世帯=シングル層が増えるといっても、これまでのような学生や新社会人が有望というわけではありません。下図のように、30代前半までの若年層は今後減って行き、40~50代の中高年、60歳以上の高齢者が増えて行くことを知っておく必要があります。

単身世帯の年齢比率の推計(大阪府)

供給

現状で、既に多数の賃貸用の空き家があるにもかかわらず、毎年40万戸もの賃貸住宅が新築されていることは、気になるところです。その内訳は、遊休地の土地活用、相続対策、老朽化したアパートの建て替えなどを目的に建てられるケースが多いでしょう。不動産投資ブームで、富裕層やサラリーマン大家さん向けの新築分譲アパートも増えています。

新築賃貸が増えたり、マンションや一戸建ての持ち家への住み替えが進んだりすると、既存の賃貸住宅からの流出が起ります。全体として、賃貸住宅の供給がダブつき気味であることは間違いありません。需要が減り、供給が増えれば、空室率が高まるというのは経済原則です。特に築古物件は競争が激しくなるでしょう。

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