ハウスメーカー、工務店、設計事務所…選ぶポイントは?
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安定した賃貸経営を続けるには、プラン内容や品質性能が大きくモノをいいます。そのカギを握るのが、パートナーとなる建築会社。何を基準に、どう選べば成功するのでしょうか。大切なパートナー選びに欠かせないポイントを解説していきます。
建築会社の門を叩く前にやっておくべきこと
賃貸経営の成否を握るのは、建築を担うパートナー選びといわれる。しかし、「有名なハウスメーカーに依頼したから安心」と思っていたら、「予想以上に借入金が膨らんでしまい、収支が苦しい」といった声も聞こえてくる。
実は、これは必要なダンドリを踏まないで、いきなり建築会社にコンタクトをとってしまったから起きた失敗といえる。何も準備せずに飛び込めば、相手のペースに巻き込まれやすい。これを防ぐには、先に自分の目的や目標を立てて、それに合わせたプランを練ってから建築会社を選ぶという順番にするべきだろう。
賃貸住宅といっても、木造の戸建て賃貸から鉄筋コンクリートの賃貸マンションまで、工法や規模はさまざま。建築会社それぞれに得意不得意がある。自分の目的や目標、所有している土地の形状やマーケットに合わせたプランが得意な会社に行くのがベストだ。
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1)目的と目標を決定する
アパート建築の目的が相続対策なのか、節税なのか、安定収入の確保なのかをはっきりさせる。現在の収入や資産状況に照らして、分不相応な計画は避ける。
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2)市場調査を徹底する
家賃相場を調べ、地元の不動産会社にヒアリングして地域ニーズを把握。どんなプランが有望かを知る。公的な統計情報から人口動態などを調べるのも大切。
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3)基本計画を考える
目的と地域性に合わせて、どのくらいの規模・プラン・予算で建てるか、自分なりに収支を計算して賃貸事業の基本計画を立てる。経営者意識を忘れないように。
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4)建築会社を検討する
基本計画に適した施工会社・建築会社を複数選び、希望条件を伝え、市場調査・プラン・事業収支計画を提案してもらう。実施計画と概算見積りを総合的に検討。
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5)建築会社を決定する
建築会社には、どんな種類がある?
事前準備ができたら、いくつかの建築会社を絞り込もう。建築会社は、さまざまな種類があり、それぞれに特徴がある。
この中で知名度が高いのは、全国展開して1社で数百、数千棟を施工しているハウスメーカーだろう。会社の数でいえば圧倒的に工務店が多い。地域密着型の工務店には、家族経営の零細企業から、営業範囲を広げて施工棟数を増やしてパワービルダーに成長している会社まである。デザイン性などを重視し、特徴を出したいなら、設計事務所という選択肢もある。
建築会社の種類と特徴
ハウスメーカー
メーカーごとに独自開発されたプレハブ工法で、標準的間取りの設定された2~3階建ての企画型プランの賃貸住宅が中心
時代のトレンドを先取る商品企画力に優れており、工場生産率が高いので品質が安定している
アフターケアや、融資のあっせんなど一貫したサポート、サービスメニューが揃う
工務店
木造や鉄骨造、鉄筋コンクリート造の在来工法の注文建築が中心
狭小地や変形地など敷地条件に応じて柔軟に対応できる
設計事務所
施工精度を守る工事監理を行う。コンサルタントなど他分野の専門家と連携
デザイン性に優れたプランや特徴的なコンセプトを提案する