賃貸物件の空室情報はどんな風に流通している?流れを解説!
賃貸物件は、入居者が退去すると空室が発生します。その空室情報はどんなルートでどう流れて、次の入居者まで届くのかは知っていますか?今回は空室が出てからネットに載るまでの流通の仕組みを解説します。
空室情報が流通するまでの流れを知ろう
空室期間が長引いてしまう理由の1つが、物件情報の公開が遅れることです。
そんな時はどこかで情報の“交通渋滞”が起きて、流れが停滞しているかもしれません。
「自分の空き部屋の情報がどうなっているか」をチェックするためには、空室が発生してから募集広告がユーザーに発信されるまでの流れをオーナー自身も把握しておいたほうがいいでしょう。
物件情報が流通する仕組み
物件情報が伝わるルートは大きく2つに分かれます。インターネット全盛の時代ですが、リアルな情報ルートもありますので、両面から解説しましょう。
管理会社に空室情報が伝わる。図面などを制作
入居者からの退去予告は、まず管理会社に伝わるのが一般的でしょう。
管理会社では、空室情報を受け取ると即座にオーナーに知らせ、新たな入居者募集の依頼を受けます。そして、物件案内図面(ファクトシート/マイソク※)を作成し、仲介部門があれば情報を共有。そこが元付けとなるわけです。
※マイソク:旧・毎日速報センターが作成して配付を始めた図面の略称。現社名はマイソクとなりアットホームと提携。
次に、管理会社が自社で図面を作ったり、図面制作代行や配布サービスを行う会社を活用して、客付け仲介会社に空室情報を提供する、という流れにになります。
仲介会社が客付けを開始。オーナーが客付け仲介会社に直に集客を依頼することも
物件案内図面を受けとった客付け仲介会社では、自社用にアレンジした上で店頭に展示したり、賃貸情報誌などに出稿したりして、募集広告を出します。
もちろん店頭に来たお客様にも希望条件が合えば紹介します。
オーナーが自主管理している物件の場合は、客付け仲介会社に直に集客を依頼することも可能です。
自主管理オーナーはもちろん、管理会社に委託していても、集客力が弱く連絡も遅い、動きが鈍い場合には、独自に客付け仲介会社にアプローチするケースも増えています。
仲介会社専用のネットワークで空室情報を管理
空室情報を得た管理会社(または元付け仲介会社)は、必要に応じてレインズに登録します。
レインズは、国交大臣に指定された「指定流通機構」が運営するオンライン・ネットワークのことで、「Real Estate Information Network System(不動産流通標準情報システム)」の頭文字を取った略称です。
会社間で情報をやり取りする閉じたシステムですから、オーナーや一般ユーザーが直接アクセスすることはできません。(※)
※売却を依頼した売主の場合は、取引状況を確認できる「ステータス管理」という機能があります。
専任媒介や専属専任の媒介契約を結んだ売買物件は、仲介会社が一定期間以内にレインズへ登録することが義務付けられています。
賃貸物件の場合は、レインズへの登録は任意です。レインズに積極的に登録しているかどうかによって、管理会社の姿勢がわかるともいえるでしょう。客付け仲介会社は、自らレインズにアクセスして仲介できる物件情報を収集し、自社の媒介物件として集客活動をします。
集客に力を入れている管理会社では、民間運営の賃貸ポータルサイトへも物件情報を登録して、広く入居者を募集するところもあります。
また、最近ではオーナー自らが物件を登録して募集をかけたり、入居希望者と直接やりとりのできるサイトも登場しています。
様々な手段で仲介が行われる、現代の賃貸物件
現代は、入居者側もネットを活用して多くの情報を集める時代です。
多くの媒体を介して入居者に見てもらうため、物件情報を一度入力するだけで複数のサイトへ一括登録できる業務支援サービスを活用する管理会社も増えてきました。
独自に物件紹介サイトを運営しているフランチャイズ系の客付け仲介会社、業界団体の検索サイトなどもあります。
客付けの方法にも、多様な流通チャンネルがあるといっていいでしょう。
空室情報の流れを把握しておくと、管理会社や仲介会社がしっかり対応してくれているかの判断もつきやすいです。また、管理会社に任せきりではなく、オーナー自身も空室情報の把握し、賃貸経営者としての対応や判断をすることも大切です。
文/木村 元紀
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