頼れる仲介会社を味方につける!募集力の見極めは契約実績にあり
空室を埋めるには、大家さんがどの仲介会社に募集を頼むか?選び方がカギを握ります。
「入居者募集に強い会社はどこにある?」――最寄り駅前にある仲介会社を選ぶべきか、人が集まる大きなターミナル駅の仲介会社か。
これまでの実績をリスト化すると、どの仲介会社に頼めばいいかが自ずと絞られてきます。
仲介会社に大家さんの物件を知ってもらおう!
入居希望者のお部屋探しはインターネットが主流の時代となりましたが、入居付けをしてくれる仲介会社に、大家さんが所有している物件情報を知ってもらうことも忘れてはいけません。
入居者の2~3割は、事前にインターネットで物件を見て仲介会社を訪問したあと、その仲介会社から提案された別の物件の募集広告を見て内見し、ネットで問い合わせた物件以外に決めている、というデータもあるからです。
大家さんが持っているアパートが募集中だということを仲介会社が知らないと、紹介のテーブルにすらあげてもらえません。
多くの仲介会社を使って入居者にPR!大家さんも営業を
大家さんの中には「親の代から付き合いのある駅前の仲介会社に任せているから大丈夫」といった方は珍しくありません。
その仲介会社が不動産流通サイト「レインズ」や、不動産ポータルサイトに募集中の物件情報を出していれば、どの仲介会社も情報を得られるので、たくさんの会社に依頼しなくても良いという見方もあります。
しかし、物件自体の競争力が弱い場合、そもそもインターネットの物件検索の時点で内見の候補から漏れてしまう可能性もあるのです。
物件の管理を依頼している管理会社が仲介業務を担うことがありますが、中には物件情報をオープンにせず囲い込み、社内の仲介部門や自社系列の仲介会社にしか情報を出していない場合もあります。
そうなると部屋探しをしている人たちに物件情報が伝わらず、客付けの機会が少なくなってしまうことになります。
大家さんは仲介会社の選び方が大事になってきますし、大家さん自らが、いろんな仲介会社に営業することを考えたほうがいいでしょう。とはいえ、多くの不動産会社の中から、どこにアプローチすればいいのかわからないかもしれません。
ちなみに、あるファンド会社が運営する高級賃貸マンションの仲介を担う専門会社では、入居付けをしてくれる可能性のある仲介会社をデータベース化し、100社以上に情報を出しているそうです。個人の大家さんがそこまでの対応をすることは難しいでしょう。
ポイントは「所有物件に興味を持ってくれる入居希望者」が、よく行ったり、選んでいる仲介会社を見つけることです。
仲介会社の選び方のカギは、過去の契約実績のリスト化
有力な仲介会社を見つける1つの方法としては、過去の賃貸借契約書や重要事項説明書に記載されている「仲介会社のリスト」を作ることです。
その中から契約実績の高い仲介会社の上位3~5社をピックアップします。こうした書類が残っていなければ、管理会社にヒアリングしてもいいでしょう。
こうして仲介会社を調べてみると、意外な事実が判明するかもしれません。
たとえば、もっとも多く入居者を決めているのは物件の最寄り駅を拠点とする仲介会社だと思いがちです。下図でいえばA社が浮かびます。
しかし、実際に決定率が高いのは、隣の急行停車駅にあるC社だったり、ターミナル駅のF会社だったりします。
入居者は、初めから最寄り駅や住所を指定して探すわけではありません。学校や会社から30分以内など「所要時間の範囲」を決めてから、内見したい物件候補を絞り込みます。
そのため、物件情報が集まりやすいターミナル駅の仲介会社に行くことも多いのです。
今回は、大家さんが所有する物件の“営業マン”ともいえる仲介会社の選び方についてご紹介しました。
最寄り駅周辺の仲介会社だけでなく、近隣の仲介会社まで選択のエリアを広げ、ぜひ募集力が強い仲介会社を見つけ出してください。
文/木村 元紀
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