住まいの選択で妥協したのは「家賃」!Z世代が重視する“住みパ”とは?住宅市場動向調査の結果から読む

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公開日:2024年9月9日
更新日:2024年9月9日
住まいの選択で妥協したのは「家賃」!Z世代が重視する“住みパ”とは?住宅市場動向調査の結果から読む1

国土交通省による「令和5年度住宅市場動向調査」の結果とりまとめが発表されました。平成13(2001)年度から毎年度実施されている動向調査で、この1年に住み替えを行った世帯を対象に、住まいの選択基準や条件を聞いています。この中から賃貸住宅に関する結果と、Z世代を含む最新の調査について抜粋してご紹介します。

賃貸住宅で住み替えた先を選んだ理由は「家賃」「環境」が上位

令和5年度住宅市場動向調査」において調査の対象となった賃貸住宅入居世帯の世帯主の平均年齢は38.9歳。30歳未満が32.5%で最も多く、次いで30代が24.0%。60歳以上も10.2%と1割程度います。65歳以上の高齢者がいる世帯は11.1%で、そのうち51.6%と約半数が1人暮らしです。

まず、住み替えた賃貸住宅の選択理由として最も多かった回答が「家賃が適切だったから」が51.1%。次いで「住宅の立地環境が良かったから」が32.1%、「住宅のデザイン・広さ・設備等が良かったから」と「交通の利便性が良かったから」が同率で30.1%となりました。

設備に関する選択理由では「間取り・部屋数が適当だから」が60.3%で最も多く、「住宅の広さが十分だから」が51.1%で続きます。以下「住宅のデザインが気に入ったから」「台所の設備・広さが十分だから」「浴室の設備・広さが十分だから」で、トップ5顔ぶれは過去3年で変わっていません。

妥協した点は「家賃が予定より高くなった」と「広さ」

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今回の調査から新しく加わった質問「住宅選択にあたり妥協したもの」は、「家賃(予定より高くなった)」が最も多く28.2%。次いで「住宅の広さ」21.4%、「間取り、部屋数」18.7%が続きます。

住まいの選択理由では「家賃が適切だったから」という回答が1位でしたが、当初の予算よりも高くなった人も多かったようです。設備の選択理由で1位の「間取り・部屋数が適当だから」も妥協した人がそれなりにいたことがわかります。

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平均築年数は17.5年、前の賃貸住宅の平均居住期間は8.1年

賃貸住宅の建築時期は「平成27(2015)年以降」、つまり築20年未満の物件が34.0%と最多でした。次いで「昭和60(1985)年~平成6(1994)年」が15.4%。平均築後年数は17.5年で、過去5年の調査で最も古くなっています。

住み替え前の住宅の平均居住期間は11.9年で、前の家が賃貸住宅だった場合は8.1年でした。住み替え前後の住宅の延床面積を比べてみると、住み替え前が平均75.7㎡、住み替え後が平均60.2㎡で、15.5㎡狭くなっています。

通勤時間は片道平均33.0分でした。住み替え前も借家に居住していた世帯の住み替え前の家賃は、平均で月額
74,101円。最多価格帯は5万円以上7.5万円未満(42.8%)となりました。

15~49歳対象の調査でも家賃中央値が前年比4,000円アップ

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ハウスコム(株)からも賃貸住宅の部屋選びの条件やライフスタイルについての調査結果が発表されています。こちらは15~49歳の男女のうち1年以内(2023年5月以降)に賃貸住宅に引っ越した人、今後1年以内(2025年4月まで)に引っ越す予定の人が対象です。

引っ越しをした(する予定)の賃貸物件の間取りで最も多いものは「1K」で21.0%でした。続いて「1LDK」が16.8%、「2LDK」16.3%。昨年度と2位3位の順位が入れ替わっており、家賃上昇の影響から、より手頃な間取りを選ぶ人が増えているのではと分析されています。

引っ越しの際に重視した(している)ことの1位は「家賃」の73.2%で、国交省の調査と同様の結果に。家賃については中央値が64,000円で、昨年調査より4,000円アップしました。年代別では特に30代(81,810円)で上昇しており、ファミリータイプを中心にした家賃値上げの影響が表れています。

家の周辺にあってほしいと思う施設の1位は昨年同様「スーパー」で78.2%。2位と3位は昨年度と順位が入れ替わり、2位「ドラッグストア」67.5%、3位「コンビニ」63.5%となりました。

8割以上のZ世代が意識する“住みパ”を上げる部屋探しとは

ハウスコム(株)では、Z世代を対象にした調査も行っています。同調査では「住みパ」として、「コストパフォーマンス(コスパ)」「タイムパフォーマンス(タイパ)」「スペースパフォーマンス(スぺパ)」をどれくらい重視するかについて質問。

これらは全世代で重視される項目ではあるものの、コスパは4.4ポイント、タイパは8.0ポイント、スペパは4.0ポイント、Z世代はそれ以外の世代より「重視している」の割合が多くなっています。

コスパを上げるための条件として意識したことに、穴場エリア・リノベーション物件・家具家電付き物件・ソーラーパネル付き物件のいずれかを回答した(割安物件を意識した)Z世代は68.7%で、Z世代以外の49.4%より19.3ポイント高くなっています。

また、「防音対策」の重視度は、Z世代が11.3%、Z世代以外は6.3%で約2倍もの差が出ており、相手との距離感やプライバシーを重視する傾向にあることがわかりました。

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部屋選びの際に意識したタイパ項目として、駅近物件・周辺施設が充実している物件のいずれかを回答した(移動短縮を意識した)Z世代は47.3%、Z世代以外は37.7%でした。宅配ボックス・24時間ゴミ出し・掃除しやすい間取りのいずれかを回答した(手間短縮を意識した)Z世代は29.6%、Z世代以外は21.5%と、いずれもZ世代の方が高い結果になっています。

スペパ項目としては、天井が高い・ロフト付き物件のいずれかを回答した(部屋の構造を意識した)Z世代は20.6%で、やはりZ世代以外の12.7%よりも高くなっています。さらにZ世代は「DIY可能物件」への関心が14.2%あり、Z世代以外7.3%の約2倍にもなっています。

まとめ

どちらの調査にも家賃上昇の影響が表れており、住み替えたときに当初の予算より上がってしまった人が多いことがわかりました。

Z世代については、住まい探しや実際の生活においても効率を重視する傾向が顕著に表れています。

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Z世代が「住みパ」を上げるために行っている工夫には「カーテンを使わないですむようにすりガラスの物件を選んだ」「通勤路に沿ってスーパーなどがあるかを意識」など、実際の生活をイメージしながら物件を選んでいる様子がうかがえます。

賃貸住宅のメインターゲットであるZ世代。彼らを中心に、住まいの選択基準は時代とともに変わっていくため、同様の調査は定期的にチェックしていきたいものです。

※この記事は2024年8月30日時点の情報をもとに作成しています

記事・文/石垣 光子

ライタープロフィール
石垣 光子(いしがき・みつこ)
情報誌制作会社に10年勤務。学校、住宅、結婚分野の広告ディレクターを経てフリーランスに。ハウスメーカー、リフォーム会社の実例取材・執筆のほか、リノベーションやインテリアに関するコラム、商店街など街おこし関連のパンフレットの編集・執筆を手がけている。

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