5人に1人が経験済み。孤独死リスクに備えていない約半数のオーナーが今すぐ知るべきこと

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公開日:2026年6月15日
更新日:2026年6月16日
5人に1人が経験済み。孤独死リスクに備えていない約半数のオーナーが今すぐ知るべきこと1

高齢単身世帯の増加に伴い、賃貸住宅における孤独死は、もはや一部の特殊な出来事ではなくなりつつあります。ブルークリーン株式会社による調査では、賃貸オーナー・管理者の約5人に1人が孤独死を経験し、6割超が不安を抱えていることが明らかになりました。しかし、その一方で具体的な対策を講じていない人も半数近くに上りました。孤独死は「起きるかもしれない問題」ではなく、「どう備えるか」が問われる時代に入っています。調査結果から、これからの賃貸経営に必要な視点を探ります。

あなたの物件でも起きうる。5人に1人が経験した孤独死の現実

ブルークリーン株式会社が賃貸オーナー・管理者1,069人を対象に実施した調査では、「管理物件で入居者の孤独死を経験した」と回答した人は22.64%でした。じつに約5人に1人という数字は、多くのオーナーにとって決して他人事ではない現実を示しています。

5人に1人が経験済み。孤独死リスクに備えていない約半数のオーナーが今すぐ知るべきこと2

「賃貸物件の孤独死に関する調査」 ブルークリーン株式会社

高齢単身世帯は今後、さらなる増加が見込まれており、孤独死のリスクは特定地域や築古物件だけの問題ではありません。戸数が少ない個人オーナーであっても、長期保有を前提とする賃貸経営では、将来的に遭遇する可能性は十分にあります。

重要なのは、「自分の物件では起きない」と楽観視しないことです。火災保険や地震保険と同様に、発生頻度は高くなくても、起きた際の影響が大きいリスクとして捉える視点が必要です。今回の22.64%という数字は、孤独死対策を特別なものではなく、賃貸経営におけるリスクマネジメントの一環として考えるべき段階に入っていることを示しているのではないでしょうか。

オーナーが最も恐れるのは発生後の“負の連鎖”

入居者の孤独死について「不安を感じる」と回答した人は61.2%に上りました。その理由として最も多かったのが「発見の遅れによる室内悪化」で75.16%、続いて「特殊清掃や原状回復費用」が65.03%、「資産価値への影響」が56.54%、「空室期間の長期化」が50.65%でした。

5人に1人が経験済み。孤独死リスクに備えていない約半数のオーナーが今すぐ知るべきこと2

賃貸物件の孤独死に関する調査 ブルークリーン株式会社

これらの結果から見えてくるのは、多くのオーナーが懸念しているのは、孤独死そのものよりも、その後に生じる経営上の負担だという点です。

発見が遅れれば、臭気や体液の浸透によって通常清掃では対応できず、専門業者による特殊清掃や消臭作業が必要になることがあります。その結果、修繕費が膨らむだけでなく、募集再開までの期間が長引き、家賃収入の減少にもつながりかねません。

孤独死対策は福祉的な配慮だけでなく、「収益物件を守るための経営判断」でもあることを、今回の調査結果は教えてくれています。

不安は6割超なのに、対策済みは半数以下な理由

孤独死への不安を抱える人が多い一方で、「とくに対策していない」と回答した人は46.4%でした。約半数が具体的な備えを行っていない実態が浮かび上がっています。

5人に1人が経験済み。孤独死リスクに備えていない約半数のオーナーが今すぐ知るべきこと2

賃貸物件の孤独死に関する調査 ブルークリーン株式会社

実施している対策としては、「管理会社に対応を委託している」が27.4%、「緊急連絡先を複数確保している」が18.4%、「定期的な安否確認」が14.8%、「孤独死保険への加入」が12.8%、「見守りサービス導入」が10.6%となりました。

一方で、「特殊清掃業者を事前に把握・契約している」は3.2%にとどまっています。発生後の対応体制まで準備できているオーナーはまだ少数派といえるでしょう。

日常の賃貸経営では、修繕や空室対策、入居者対応など優先順位の高い業務が数多く存在します。しかし、万一の際に「誰に連絡するのか」「誰が初動対応を担うのか」「費用はどう備えるのか」を整理しておくだけでも、混乱や損失は大きく軽減できます。小さな備えの積み重ねが、大きな安心につながるのです。

「管理会社に任せているから大丈夫」に潜むリスク

孤独死対策をしていない理由として最も多かったのは、「今のところ必要性を感じていないから」の33.19%でした。次いで、「管理会社に任せている」が32.76%、「費用負担が大きい」が18.10%、「何をすればよいかわからない」が15.09%と続いています。

5人に1人が経験済み。孤独死リスクに備えていない約半数のオーナーが今すぐ知るべきこと2

賃貸物件の孤独死に関する調査 ブルークリーン株式会社

つまり、「不安はあるが行動には移せていない」というオーナー像が浮かび上がります。

「管理会社に任せているから大丈夫」という声もありますが、実際には管理委託契約の内容によって対応範囲は異なります。安否確認の有無や緊急時の初動対応、遺族対応まで含まれるのかなどを把握できていないケースも少なくありません。

また、「何をすればよいかわからない」という回答が一定数存在することからも、孤独死対策の情報不足が課題であることがわかります。まずは管理会社との役割分担を確認し、保険や見守りサービスの情報収集から始めることが、最初の一歩になるでしょう。

高齢単身者は“リスク”か“需要”か。

高齢単身者の受け入れについては、「積極的に受け入れている」が5.4%にとどまる一方、「条件付きで受け入れる」が27.4%、「できるだけ避ける」が18.2%、「原則断る」が12.6%でした。

約3割のオーナーが慎重姿勢を示している背景には、孤独死への不安があると考えられます。

5人に1人が経験済み。孤独死リスクに備えていない約半数のオーナーが今すぐ知るべきこと2

賃貸物件の孤独死に関する調査 ブルークリーン株式会社

しかし、高齢単身世帯は今後さらに増加していくことが予測されています。賃貸市場全体で見れば、高齢者は無視できない重要な入居者層です。見守りサービスの利用や保証会社の活用、緊急連絡先の確保などを条件化することで、リスクを抑えながら受け入れを進める姿勢が求められるようになるでしょう。

「年齢のみを理由に判断する」のではなく、「どうすれば安心して貸せるか」を考えることは、空室対策の観点からも重要です。人口減少時代の賃貸経営では、柔軟な発想が競争力につながるのです。

今日からできる孤独死対策。 予防と発生後対応の“両輪”で安心経営を

孤独死対策で重要なのは、「予防」と「発生後対応」の両方を準備しておくことです。

予防策としては、緊急連絡先の複数確保、見守りサービスの導入、定期的な安否確認などがあります。一方で、特殊清掃業者の把握、原状回復方針の整理、保険加入、遺族対応の流れを確認しておくことも欠かせません。

5人に1人が経験済み。孤独死リスクに備えていない約半数のオーナーが今すぐ知るべきこと2

賃貸物件の孤独死に関する調査 ブルークリーン株式会社

調査では、「費用負担の少ない見守りサービスの普及」を求める声が42.24%と最も多く、低コストで導入しやすい仕組みへの期待もうかがえました。

孤独死は完全に防げるものではありません。しかし、発見を早め、発生後の対応を標準化することで、被害や混乱を最小限に抑えることは可能です。日頃から「もしもの時」を想定した準備を進めておくことが、結果としてオーナー自身の精神的負担の軽減にもつながるのではないでしょうか。

まとめ

今回の調査は「孤独死は約5人に1人が賃貸経営においてが実際に経験している現実的な課題」であることを示しました。また、6割を超える人が不安を抱える一方で、約半数は具体的な対策に踏み出せていないというギャップも浮き彫りになっています。

不安の背景には、特殊清掃費用や原状回復、空室長期化といった経営への影響があります。そして、その不安が高齢単身者の受け入れを難しくしている側面も否定できません。

5人に1人が経験済み。孤独死リスクに備えていない約半数のオーナーが今すぐ知るべきこと2

しかし、高齢化が進む日本では、高齢者の住まい確保は社会的課題であると同時に、オーナーにとっては新たな入居需要でもあります。

だからこそ「どう備えれば受け入れられるのか」という視点が求められます。管理会社との連携体制の確認、孤独死保険の検討、見守りサービスの活用、緊急時対応フローの整備など、対策できることは多々あります。

孤独死対策とは、単なる事故対応ではなく、入居者の安心と安定した賃貸経営を両立させるための経営戦略のひとつです。

「起きたらどうしよう」と漠然と不安を抱えるのではなく、「起きても対応できる体制をつくる」という発想へ転換することが、これからの時代に選ばれるオーナーへの第一歩になるのではないでしょうか。

※この記事内のデータ、数値などに関する情報は2026年6月時点のものです。

取材・文/御坂 真琴

ライタープロフィール
御坂 真琴(みさか・まこと)
情報誌制作会社に25年勤務。新築、土地活用、リフォームなど、住宅分野に関わるプリプレス工程の制作進行から誌面制作のディレクター・ライターを経てフリーランスに。ハウスメーカーから地場の工務店、リフォーム会社の実例取材・執筆のほか、販売促進ツールなどの制作を手がける。

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