家具・家電付き賃貸物件のニーズが上昇中!大家さんのメリット・デメリットは?

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公開日:2024年10月2日
更新日:2024年10月2日
家具・家電付き賃貸物件のニーズが上昇中!大家さんのメリット・デメリットは?1

家具付き賃貸住宅のニーズが高まっています。日本では少数派でしたが、アドレスホッパー(他拠点生活者)やシェアリングエコノミーの興隆によって注目を集めつつあります。最近は家具だけでなく、冷蔵庫や洗濯機などの大型家電付きの賃貸住宅も登場しました。家具・家電付き賃貸に関する最近の調査結果や、家具・家電付きにすることによって賃貸オーナーにどんなメリット・デメリットがあるかをまとめました。

家具・家電付き賃貸物件はワンルームが中心

家具・家電付き賃貸物件のニーズが上昇中!大家さんのメリット・デメリットは?2

現在、家具・家電付き賃貸物件はどのくらい普及しているのでしょうか。2024年9月某日時点の「LIFULL HOME’S賃貸」で検索したところ、東京都全体での家具・家電付きの物件数は、賃貸住宅全体の約5.6%という割合でした。

ワンルームと1Kに限るともう少し上がり、家具家電付きの割合は約9.2%。東京都の1人暮らし用賃貸の約1割弱が家具・家電付きということになります。

しかし、2LDK以上で検索するとわずか0.4%程度。ファミリータイプの賃貸では、家具・家電付き賃貸物件はほとんどないことがわかりました。

家具付きかどうかを意識しているのは約半数

アジア各国で賃貸住宅を開発・提供するウィーヴ リビングがおこなった調査によると、国内の10代から60代の回答者の26.1%が「部屋を借りる際に、家具付き・家具なしについて考えたことがない」と回答。

家具付きを積極的に探している人は24.7%、家具なしを積極的に探している人は24.9%、残りの約1/4が「わからない」「指定なし」と回答。つまり半数以上が無関心(家具付き・家具なしを明確にしていないか、まったく考えていない)ということになります。

しかし年代別では「部屋を借りる際に、家具付き、家具なしについて考えたことがない」の割合が60代以上で38.1%もいる一方で、20代+30代では18.5%と60代以上の半分程度。若い世代では家具付き賃貸の認知度が上がっていると言えるでしょう。

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20代・30代の家具・家電付きの賃貸への関心は高め

ここで、家具・家電付きの賃貸物件に関する別の調査を見てみましょう。賃貸住宅向けサブスクリプションサービス「noiful(ノイフル)」を手がけるパナソニック(株)による調査です。

対象者は引越し予定者と賃貸居住者。家具・家電付き賃貸物件の認知率をきいたところ、89.8%が「知っている」、40.7%が「利用したことがある/利用している」もしくは「利用を検討したことがある」と回答しました。

特に、利用経験や検討については30代で48.6%、20代で51.2%。前項の調査と同じく、若い世代で家具・家電付き賃貸住宅への関心が高まっているのが分かります。

家具・家電付き賃貸物件のイメージは、「入居日から快適に過ごせそう」74.9%、「引越し(入居)が楽に済みそう」74.5%、「引越し(退去)が楽に済みそう」72.2%の3項目が上位で、どの年代でも7割以上を占めています。

家電購入のきっかけと引っ越しで購入予定の家電は?

家具・家電付き賃貸物件のニーズが上昇中!大家さんのメリット・デメリットは?2

家電を購入するきっかけやタイミングについての質問では、全体では「使っていたものが壊れた」57.4%、「使っていたものが古くなった」48.1%という物理的な理由に続いて「引越しに合わせて」42.3%が上位でした。

賃貸物件への引越し予定者に、引越しにあわせて購入や買い替えを検討している家電を聞いたところ、全年代・20代・30代・40代で「洗濯機」が、50代・60代で「冷蔵庫」が1位でした。

洗濯機と冷蔵庫はどの年代でも上位に挙がっており、引越しの際の運搬にお金のかかる大型家電でもあるため、いっそ処分して新調しよう、となりやすいのかもしれません。

この他に上位に挙がっていた家電には掃除機(ロボット掃除機、スティッククリーナー含む)、テレビ、オーブンレンジ・電子レンジなどがありました。

家具・家電付きにした場合のメリットとデメリット

家具・家電付き賃貸物件のニーズが上昇中!大家さんのメリット・デメリットは?2

ここで、賃貸経営において家具・家電付きにした場合のメリット・デメリットを考えてみましょう。

家具・家電付きにした場合のメリット

・学生や単身赴任の方のニーズが高く、空室対策につながる
・家賃を高めに設定しやすい

家具・家電付きにした場合のデメリット

・家具を揃える費用がかかる
・入居期間が短くなりやすい傾向がある
・故障した場合の修理はオーナー負担になりやすい

住む期間が限定される学生や単身赴任のサラリーマンにとって、身軽な状態で住めて次に引っ越すときも処分などの手間がかからない家具・家電付き賃貸物件は高いニーズがあります。そのため学校や企業の工場・支社があるエリアに立地する物件であれば、家具・家電付きにする効果は高いと言えるでしょう。

ネックはやはり費用面。主な家具・家電であるベッドとデスク、冷蔵庫、洗濯機、電子レンジなどを揃えると20万円ほどの投資となります。家賃を5,000円上げると3年と少し、10,000円上げると1年半程度で回収できることになります。

あまり家賃を上げ過ぎてしまうと空室対策の効果が薄れてしまうため、周辺の相場も含めてよく検討しましょう。

まとめ

家具・家電付き賃貸物件は購入費やメンテナンス費がかかることから、二の足を踏んでいる賃貸オーナーも多いかもしれません。しかし数か月にわたって空室が続くような状態が解消できるとすれば、費用対効果は高いのではないでしょうか。

若い世代には家具・家電付き賃貸住宅の認知度が上がっており、今後は物件自体が増えていくことも予想されます。「家具・家電付き」が差別化につながるうちに検討してみるのも良いかもしれません。

※この記事は2024年9月30日時点の情報をもとに作成しています

記事・文/石垣 光子

ライタープロフィール
石垣 光子(いしがき・みつこ)
情報誌制作会社に10年勤務。学校、住宅、結婚分野の広告ディレクターを経てフリーランスに。ハウスメーカー、リフォーム会社の実例取材・執筆のほか、リノベーションやインテリアに関するコラム、商店街など街おこし関連のパンフレットの編集・執筆を手がけている。

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