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[提供:ビットキー]

スマートロックで変わる賃貸経営—導入の実態と大家が知っておくべきこと

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公開日:2026年6月26日
更新日:2026年6月30日
スマートロックで変わる賃貸経営—導入の実態と大家が知っておくべきこと1

「鍵を持ち歩かなくて済む」「スマホで解錠できる」——そんな利便性で近年、賃貸住宅でも急速に普及が進んでいるスマートロック。その背景には入居者ニーズの変化はもちろん、業界を取り巻く様々な要因があります。賃貸市場向けスマートロックサービスを提供する(株)ビットキーの広報担当・北島香織氏に、スマートロック市場の現状や導入メリットを伺いました。

スマートロックとは?いまさら聞けない基本

「スマートキー」と「スマートロック」の違い

スマートロックとは、スマートフォンやICカード、暗証番号などを利用して解錠できる電子錠の総称です。北島氏によると、市場が大きく立ち上がったのが“スマートロック元年”と呼ばれる2015年頃なのだそう。

「当時のスマートロックは基本的に家庭用で、IoT家電として個人の方が自宅用に購入し、両面テープでペタッと貼れる手軽なものが主流でした。

それが日本に入ってきて、以前から鍵メーカーさんが発売されていたICカード・暗証番号で解錠するいわゆる“電子錠”もありましたが、スマホで開けしめできる「スマートロック」とは区別されていました。徐々に電子錠もスマホで開け閉めできる機能を搭載し、今ではスマートロックとして販売するメーカーさんが増えています。

よく似た言葉に『スマートキー』がありますが、こちらは車の鍵をイメージされる方が多いと思います。厳密にどちらと決まっている訳ではないのですが、鍵を開ける方を「キー」、閉める方を「ロック」と呼び、住宅ではサムターン(ドアの内側のツマミ)を制御する機器が多いことから、住宅業界では一般的に『スマートロック』という呼称が広く使われるようになりました」(北島氏、以下同)。

普及が進むことで、スマートロックに対する入居者ニーズも年々高まっています。

「(株)リクルートの調査では、スマートロックは住宅設備の中で男女のニーズ差が小さい設備という結果が出ています。男性は利便性、女性は防犯性を評価していると考えられますが、男女どちらにも支持されているという特徴があります。

さらに、最近の製品はひとつの方法だけでなく、スマホ・ICカード・暗証番号を組み合わせて使えるものがほとんどです。例えばスマートフォンを忘れた場合でも暗証番号で入れますし、お子さんはICカード、というような使い方もできます」

スマートロックというと「スマートフォンがないと使えない」と思われがちですが、実際には複数の解錠方法を備えることで、幅広い世代が利用できるように進化しています。

 

種類は3タイプ。あなたの物件に合うのはどれ?

現在主流となっているスマートロックには、設置方法によって以下の3種類があります。

①貼り付けタイプ

両面テープで既存のサムターンにかぶせて設置します 。工事不要で初期費用も抑えられますが、粘着力によっては落下のリスクがあります。

②工事式タイプ

錠ケースやハンドルを一度取り外して、ドアに固定します。落下の心配がありませんが、取り付け工事の手間がかかります。

③工事式・外部電源(配線)

工事式のメリットに加えて、配線工事によって、電池切れの心配がありません。しかし、配線の引き込み工事が必要なため、工事式タイプ以上に導入の手間や費用がかかります。

それぞれメリット・デメリットがあるため、費用や物件の状況によって選びたいもの。スマートロックに詳しい管理会社や信頼できる業者に相談するのがおすすめです。

 

普及はどこまで進んでいる

賃貸アパートのスマートロック普及率

賃貸物件では、スマートロックはどの程度普及が進んでいるのでしょうか?

「スマートロックの普及については、富士経済が昨年、主要ベンダーにヒアリングして算出したデータがあります 。2025年の見込みとして、既存の賃貸アパートで31.7%、新築の賃貸アパートで41.4%という結果になりました。」

「既存・新築ともに3〜4割ほど導入されている見込みです。一方で賃貸マンションは少なく、アパートの方が先行しています。さらに富士経済では2040年の予測値も出していて、既存賃貸アパートは約7割、新築賃貸アパートでは5割程度が普及するとしています」

 

なぜ既存物件でも普及が進むのか?

アパートでスマートロックの導入が先行している理由としては、全国に拠点のある大規模管理会社が普及を進めている一面が大きい、と北島氏。

「全国展開する管理会社様は、エリアによっては管理物件が遠方にあることも多く、マンションよりも戸数が少ないアパートの方が『鍵トラブルや交換、受け渡しのために現地に行く』という負担がより重くなります。

入居者様のための便利設備、という位置づけだったスマートロックですが、業界の人手不足が深刻化するなか、管理会社様にとって業務を支えるインフラになりつつあります」

 

スマートロックを導入したオーナーの声

いまや一部の高級物件だけのものではなくなりつつあるスマートロック。賃貸オーナーとしては、導入によってかかる手間や費用、導入の効果が気になるところです。すでに市販品などでスマートロックを導入したオーナーにお話を伺いました。

スマートロックで変わる賃貸経営—導入の実態と大家が知っておくべきこと2

① 高橋様(神戸市・10戸導入)築古再生×スマートアパート

■導入のきっかけ

新しいものが好きで、自宅と別宅にスマートロックをつけてみたらすごく便利で。これはイイ!と、そのあと賃貸経営を始めた物件にも導入しました。粘着テープで貼り付けるタイプを使っています。

■物件と導入経緯

最初に購入した物件が築古の区分マンションで、スマートロックを付けたことで入居者さんに喜んでもらえたんです。その後に購入した全室空室の古いアパートにも、“神戸発のスマートアパート”というコンセプトで全戸につけました。2022年9月の物件購入と同時に国の補助金を申請し、お金が入ったのが翌年7月末でした。

■入居者層と入居状況・家賃

入居者は20代の若い方が多いです。家賃は1K・27㎡で5万5,000円。RCであれば平均的な家賃ですが、築古アパートではかなり高い方ですね。アパートが林立している激戦区ですが、ずっと満室です。

■入居者の反応

気に入ってくれた方は「これがないと住めない」とおっしゃいます。荷物をたくさん持って帰ってきた時に指紋認証で開いたり、ICカードをかざして開けたり。「こんな便利なのない」と喜ばれています。

 

② D様(横浜市・9戸導入)女性目線の安全性重視

■導入のきっかけ

2年半前に新築した単身者向けアパートで、管理会社さんから提案されて、新築時から導入しました。

■賃貸経営におけるメリット

部屋を出る時に軽くタッチするとオートロックになる点ですね。鍵の閉め忘れがないし、若い方はバッグを持たないミニマムなスタイルで出かけることが多いので、メリットを感じてもらいやすいのではないでしょうか。

若い女性が職場で鍵を複製されていた事件をニュースで見て、私も娘がいるので本当に怖いと感じたんです。スマートロックなら複製の心配がなく、リスク管理になると考えています。

■現在の家賃と入居者の反応

家賃は6万円台後半〜7万3,000円。20㎡の広さとしては若干高めですが、他の設備も充実させたので妥当だと考えています。女性は3〜4人くらいでしょうか。退去時のアンケートで「鍵のわずらわしさがなくて便利だった」と書かれていました。いま探している次の物件にもスマートロックを入れたいと思っています。

■家賃アップの可能性

家賃は設備の総合点で決まるため、一概には言えません。スマートロック単体なら1,500円~2,000円アップくらいが妥当かなと考えています。

■デメリット

今のところ不具合はありません。ただ、今後の電池切れや機械の不具合は少し心配です。メーカーのカスタマーセンターがあるとは聞いていますが、実際どうなるのかは未知ですね。

 

スマートロックで変わる賃貸経営—導入の実態と大家が知っておくべきこと2

③ 横濱さくら様(横浜市・40戸導入・横浜湘南不動産勉強会 代表)自主管理×トラブルゼロ運営

■導入状況と入居者層

2021年以降の新築は全て導入し、既存物件も入退去のタイミングで入れ替えています。入居者層は18歳〜60代まで幅広いです。高齢の方でも問題なく使えています。

■導入のきっかけとかかった費用

インターネットの業者さんから宅配ボックスなどと一緒に提案されました。導入費用はその時によって違いますが、だいたい5〜10万円程度でしょうか。もっと安いものもあると思いますが、オーナーとして一番嫌なのは「入居者が困ること」。そのため、信頼性を重視して今の製品を選んでいます。

■賃貸経営におけるメリット

鍵をなくす方は意外と多く、夜11時半に「鍵も財布もなくしました」と電話が来たこともあります。鍵の交換費用は約3万円、時間外ならさらに高くなります。スマートロックなら、番号で開けられるのでそのリスクがありません。

内見の時にもスマートロックをご紹介すると、「すごーい!」と驚いてもらえます。鍵のかけ忘れもないし、設備が良いと決まりやすいですね。デメリットはほとんど感じません。

 

大家が導入するメリットは「入居者の便利さ」だけじゃない

業務効率化こそが導入の決め手

スマートロックというと、「鍵を持ち歩かなくて済む便利な設備」というイメージが強いかもしれません。しかし北島氏によると、近年は別の理由で導入が進んでいるといいます。

「既存物件でも導入が進んでいるように、入居者様向けの便利設備という役割に加え、近年は管理会社様の業務効率化も大きな目的になっています。」

賃貸管理では、

・鍵の受け渡し

・スペアキー管理

・紛失時対応

・内見時の鍵貸し出し

・退去時の回収

など、多くの業務が発生します。

賃貸管理向けの機能を備えたスマートロックなら、入退去時の鍵発行や削除、空室中の原状回復業者との鍵のやり取りもデジタル上で管理できるため、こうした手間を大幅に削減できます。

 

家賃への転嫁はどれくらい可能?

大家さんの声にもあったとおり、北島氏も「スマートロック導入による家賃アップの事例が増えている」と話します。

「管理会社様に確認したところ、1,500~3,500円の上乗せが多い印象です。ある兵庫県内の管理会社では、築18年・駅徒歩9分のアパートに導入した結果、最大3,500円の月額アップを実現しました。最初の空室が想定より早い2〜3週間で決まったため、その後の空室も段階的に上げていったそうです。

さらに、既存入居者14名にアンケートしたところ、 『家賃が上がっても入れてほしい』という回答も複数ありました。管理会社様の方針にもよりますが、都心に限らず、地方でも学生がセキュリティを重視する傾向が強まり、導入が進んでいるエリアもあります」

 

市販品との違いは?―ビットキーの特徴

家電量販店やECサイトでも購入できるスマートロックが増えているなかで、「(株)ビットキーの賃貸向けサービスは何が違うのか」と疑問に思うオーナーもいるかもしれません。

北島氏によると、同社の強みは単なる電子錠ではなく、賃貸管理の仕組みそのものに合わせて設計されている点にあります。まず、大きな違いが、賃貸向けならではの機能「入居モード」です。

一般的なスマートロックの多くは、購入者が、設置した部屋の入退室履歴を確認できたり、権限を自由に変更できたりします。しかし賃貸住宅では、それが入居者のプライバシーへの不安やトラブルにつながりかねません。

近年は、鍵を無断で複製した不正侵入事件などもあり、鍵の取り扱いは非常に注目されています。ビットキーでは、入居中は『外から暗証番号を変えられない』『入退室履歴を見られない』『鍵の権限を削除できない』といった制限をかけられる仕組みにしています。これは、管理会社様から非常に強い要望があった機能で、評価されているポイントでもあります。入居者のプライバシーを守りながら、管理上必要な機能だけを残した設計となっています。

また、オートロック付きマンションへの対応も特徴として挙げられます。

「住戸だけスマートロックにしても、エントランスで物理鍵が必要なら意味がありません。そこで弊社はオートロックドア向けのスマートロックも提供し、エントランスから部屋まで物理鍵を持ち歩かずに解錠できるようにしています」

 

大手鍵メーカー4社との提携が意味すること

ビットキーは、美和ロックをはじめとする国内の大手鍵メーカーと連携した製品も提供しています。

「スマートロックを普及させるためには、既存の鍵との互換性が重要です。メーカー各社と連携することで、より多くの物件に対応できるようになっています」

賃貸住宅は物件によって築年数や設備がさまざま。特定のドアしか対応できない製品では普及が進みません。幅広い物件への対応力も、同社が管理会社から支持される理由の一つとなっています。

 

導入の流れと費用感を整理する

設置時間15分、工事費は管理会社やビットキー負担——コストの実態

スマートロックに興味はあっても、「導入費用が高そう」と感じるオーナーは少なくありません。しかし北島氏は、「従来のイメージとは大きく変わってきています」と話します。

現在、広く流通しているスマートロックは買い切り型が主流で、1台数万円から十数万円の初期投資が必要です。その点、ビットキーはサブスクリプション方式を採用しています。

「これまで、初期費用の高さがスマートロック導入の壁になっていました。そこで私たちは月額利用型にすることで、管理会社様もオーナー様も導入しやすい仕組みをつくりました」

設置作業は専門スタッフが行い、1戸あたり早くて15分。共用部工事が必要な場合もありますが、その際の工事費は基本的に管理会社やビットキーが負担します。

また、サブスクモデルのため、経年劣化による故障や機器交換にも対応しやすい仕組みになっています。

「通常利用による故障であれば、交換費用はサブスクの範囲内で対応できます。これも管理会社様から評価いただいている点ですね」

 

入居中の部屋はどうなる?

設置は主に空室時に行われます。例えば複数戸のアパートで1室だけ空室なら、その部屋から先に設置します。

ただし入居中の住戸への導入も可能です。その場合は事前に入居者へ案内し、工事日程を調整します。

 

気をつけたいこと―トラブルと対策

スマホ電池切れ、設置できないドアの種類

便利なスマートロックですが、事前に知っておきたい注意点も。最初のリスクとして考えられるのはスマートフォンの充電切れです。もしスマホが使えなくても解錠できるよう、入居者には暗証番号やICカードも必ず登録してもらうようにしましょう。

また、一般的なレバーハンドルタイプのドアであれば多くの物件で導入可能ですが、現時点では対応が難しいドアがあります。古いアパートに多い丸ノブタイプや、団地で見られる特殊な鍵は対応できない場合があるため、事前に確認しておきましょう。

 

緊急時のサポート体制は?

ビットキーには専門のカスタマーサクセス部門があります。どの部屋にどのスマートロックが付いているかを把握しているため、管理会社と連携しながら対応できます。

「サポート窓口は電話対応も実施しています。近年はチャット対応のみの企業も増えていますが、緊急時は電話で相談したい、という方は多いのではないでしょうか。ビットキーでは平日・土日ともに9:00~18:00の間であれば、電話相談が可能です。入居者様が困ったときに、すぐ相談できる環境は大切だと考えています」

 

スマートロック導入を検討中のオーナーへ—まず相談すべき窓口とは

管理委託オーナーはまずお付き合いのある管理会社へご相談を

ビットキーは管理会社向けサービスとして展開しているため、オーナーと直接契約する仕組みではありません。もし、この記事を読んで興味を持っていただけたら、まずは管理会社へ「スマートロックを導入したい」とご相談いただくのがもっともスムーズな方法です。

管理会社とビットキーに取引がある場合は、手続き後に設置へ進むことができます。また、今は導入していない管理会社でも、管理業務上メリットが多いことから、今後の取り扱いを検討してもらえる可能性もあります。

 

自主管理オーナーは「いま」より「これから」に注目を

現在は管理会社経由での導入が前提となっていますが、市場全体は急速に拡大しています。スマートロックはもはや『便利な設備』ではなく、管理効率化をも実現するインフラになりつつあります。

普及データの項でも触れた通り、2040年には既存アパートの約7割でスマートロックが導入されるという予測もあります。空室対策、管理効率化、セキュリティの向上、入居者満足度向上——それらを実現する選択肢として、スマートロックはますます存在感を高めていきそうです。

「まだ検討中」というオーナーも、いざ導入の際に自身の経営方針に合う製品・サービスを選び取れるように、今のうちに情報収集をしておきたいものです。

 

ライタープロフィール
石垣 光子(いしがき・みつこ)
情報誌制作会社に10年勤務。学校、住宅、結婚分野の広告ディレクターを経てフリーランスに。ハウスメーカー、リフォーム会社の実例取材・執筆のほか、リノベーションやインテリアに関するコラム、商店街など街おこし関連のパンフレットの編集・執筆を手がけている。

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