アステックペイント様インタビュー ※タイトル3パターンから選択
【オーナーの不安に寄り添うアステックペイントの新たな挑戦】賃貸住宅の資産価値を保つために欠かせない外壁修繕。しかし、工事の必要性や見積もりについての判断に迷うオーナーも多いのではないでしょうか。こうした状況に対し、塗料メーカーという立場から新たな選択肢を提案している(株)アステックペイント。塗料を開発・製造・販売するだけにとどまらない、賃貸住宅の修繕をサポートする取り組みとはどのようなものなのでしょうか。同社の久山 勇人氏(プロタイムズ事業部 部長 兼 企画開発部 部長)にお話を伺いました。
「今すぐ工事が必要」と言われたら要注意?修繕業界の構造
施工店にも管理会社にも、本音の相談がしづらい理由
アパートやマンションの外壁塗装・大規模修繕は数百万円から数千万円規模になることもある大きな投資です。一方で、専門知識が必要な分野であるため、多くのオーナーは「何を基準に判断すればよいのかわからない」という悩みを抱えています。
一般的に、修繕について相談できる相手は施工店か管理会社です。しかし、施工店は工事のプロであり、施工方法や工法には詳しいものの、工事を受注することで売り上げが成り立つビジネスモデルです。一方、管理会社は入居者対応や建物管理のプロですが、修繕工事そのものの専門家ではありません。
「管理会社は管理のプロ、施工店は施工のプロです。それぞれ大切な役割がありますが、『今すぐ工事が必要なのか』『あと数年様子を見ても大丈夫なのか』という判断を、中立的な立場で伝えられる存在は多くありません」。(株)アステックペイントの久山氏はそう話します。
実際、自主管理をしているオーナーからは「施工店から提案された工事費が適正なのかわからない」「管理会社に勧められた内容で本当にいいのか判断できない」といった相談が数多く寄せられるそうです。
その背景には、業界全体の構造的な事情があります。施工店は工事を受注して初めて利益を得る仕組みで、管理会社も修繕工事の紹介などが収益につながるケースがあります。そのため、まだ工事が必要でない場合でも、そのことを積極的に伝えるのは難しい立場にあります。
きれいに見えても危険信号?手抜き工事が数年後に露呈する理由
賃貸オーナーとして、もうひとつ知っておきたいのが、施工品質を見極める難しさです。外壁塗装は完成直後にはきれいに見えても、施工工程が適切に行われているかどうかは外見だけでは判断できません。
そのため、一部では乾燥時間を短縮したり、本来必要な塗装回数を省略したりする悪質な施工が問題になることがあります。数年後に塗膜が膨れたり、剥がれたりして初めて問題が表面化することも多いのです。
さらに近年は、価格競争の激化も品質低下の一因になっているといいます。
「オーナー様から『もっと安くできないか』という要望を受け、施工店も利益を確保しようとすると、どうしても無理なコストダウンが起きやすくなります。結果として、本来必要な材料の使用量を減らしたり、工程を短縮したりするリスクが生まれてしまうのです」(久山氏、以下同)。
もちろん、多くの施工店は誠実な工事を行っています。しかし、専門知識がないオーナーにとっては、その違いを事前に見極めることは容易ではありません。
メーカーだからできる「第三者視点」の修繕サポート
診断はメーカー、工事は施工店――役割を分けた理由
アステックペイントでは、「メーカーが建物を診断し、施工は認定施工店が担当する」という独自の仕組みを採用しています。この役割分担は、業界が抱える課題を解決したいという思いから生まれました。
「以前から、価格だけを売りにした塗装工事が増え、数年で塗膜が剥がれてしまうような事例も見てきました。塗料メーカーとしては、商品の本来の性能が発揮されないまま『この塗料は良くなかった』と評価されてしまうことは本意ではありません。
こうした状況を改善するため、アステックペイントでは、メーカー自ら診断に関わり、施工品質まで責任を持つ体制づくりを進めてきました。
もともとは戸建て住宅向けに培ってきた仕組みでしたが、『自主管理オーナーが安心して修繕を相談できる窓口が必要ではないか』という考えから、賃貸住宅にもサービスを展開。現在では、施工店や管理会社とは異なる第三の選択肢として、メーカーが修繕判断を支援する仕組みを提供しています。
私たちは工事を売るためではなく、建物にとって本当に必要な修繕を判断するために診断を行っています。メーカーという立場だからこそ、中立的な視点でオーナー様に情報をご提供できると考えています」
全国3,700社のネットワークが支える診断力
アステックペイントの強みは、全国3,700社を超える加盟・登録施工店とのネットワークを通じて蓄積してきた膨大なデータです。
建物の劣化は、築年数だけでは判断できません。海沿いでは塩害、山間部では湿気、都市部では排気ガスなど、立地環境によって傷み方は大きく異なります。同じ築15年でも、必要な修繕内容が変わるケースは珍しくありません。
同社では、こうした地域ごとの劣化傾向をはじめ、建物の構造や劣化状況、施工履歴、使用塗料、施工後の経過などのデータを長年にわたって蓄積しています。
「診断では、傷んでいるかどうかだけではなく『なぜこの症状が出ているのか』『どう補修するのが最適なのか』まで、メーカーとしての知見を基に報告書へ落とし込みます」
現地調査では施工店とともに建物を確認し、現場経験とメーカーの研究データを組み合わせて診断を実施。経験だけに頼るのではなく、長年蓄積してきたデータを根拠として提案できる点が、メーカーならではの強みとなっています。
オーナーにとっては、「今すぐ工事をするべきか」「数年後でも問題ないのか」といった判断材料が明確になるため、納得したうえで修繕計画を立てられるようになります。
「一式見積もり」にしない透明性へのこだわり
修繕工事では、見積書の内容が分かりづらいことも、オーナーの不安につながっています。「一式○○万円」とだけ書かれた見積書では、どんな塗料をどれだけ使用するのか、材料費と施工費がどう配分されているのかが分からず、複数社から相見積もりを取っても比較が困難です。
そこでアステックペイントでは、見積書の書式をシステム化。メーカー名と塗料名、使用数量、施工面積、材料費、施工費などを細かく記載する仕組みを導入しています。
「何をどれだけ使うのかが見えることで、『この金額なら納得できる』という声をいただいています」
さらに、施工品質を可視化するため、自社開発の施工管理システムを活用。施工中には使用する塗料缶の写真や施工工程の写真を記録し、施工完了後には報告書としてオーナーへ提出しています。
「高耐久の塗料で契約したのに、実際には違う塗料が使われていた」というようなトラブルも、この仕組みによって防止できます。施工店にとっては手間が増える部分もありますが、品質の証明につながるため、信頼獲得にも役立っているそうです。
「透明性を高めることで、価格だけではなく品質でも評価される業界になってほしいという思いがあります」
「マージン2割」が乗らない理由。仲介手数料ゼロの裏側
メーカーが診断や施工店紹介まで行うと、「仲介手数料が上乗せされるのでは」と心配するオーナーもいるかもしれません。しかし、アステックペイントでは紹介手数料を受け取る仕組みではありません。
見積書は施工店からオーナーへ直接提出され、アステックペイントを経由することはありません。同社の収益源は工事の仲介ではなく、自社塗料の販売です。そのため、メーカーが間に入っても仲介マージンが追加されることはありません。
久山氏は「一般的には、紹介や元請けを介すると工事費の2割前後のマージンが発生します。しかし私たちは仲介で利益を得るビジネスではないため、その分の費用が上乗せされることはありません」と説明します。
さらに、施工店から提示された見積もりについて疑問があれば、本部へ相談できる体制も整えています。
「施工店には直接聞きづらいこともあるでしょう。そのような時はメーカーへ相談してください。地域ごとの相場や施工内容を踏まえながら、見積もりが適正かどうかを一緒に確認させていただきます」
工事を受注する立場でも、管理を受託する立場でもないメーカーだからこそ、公平な視点でオーナーの判断を支援できる。この「第三者」という立場こそが、アステックペイントのサービスの大きな特徴と言えるでしょう。
品質管理とW保証で工事後まで安心を支える
写真と記録で施工品質を「見える化」する3つの仕組み
塗装工事は、完成した直後には品質の良し悪しが分かりにくい工事です。そのため、アステックペイントでは「きちんと施工したこと」を見える化するための品質管理体制を整えています。
品質を支える柱となっているのが、「使用量記録」「施工記録」「検査報告書」の3つです。
まず、使用量記録では、現場で実際に使用した塗料の数量を記録します。建物の面積に対して適正な量の塗料が使われたかを確認できるため、「必要量より少なく塗られていた」といったリスクを防ぐことにつながります。
施工記録では、各工程を写真付きで記録します。下塗り・中塗り・上塗りの様子や、使用した塗料缶、施工状況などを専用システムへ登録し、施工の過程を可視化しています。
さらに、施工完了後には検査報告書を作成。工事内容や施工記録をまとめ、オーナーへ提出します。これらを支えているのが、同社が独自に運用する施工管理システムです。
「何千件という施工を管理するため、人の目だけでは限界があります。そのため、システム化することで品質を担保しています」と久山氏。
認定施工店は、このシステムを利用して施工記録を提出しなければ保証書が発行されない仕組みになっています。つまり、「記録を残すこと」そのものが品質管理のルールとなっており、施工店任せにならない体制が構築されているのです。工事の結果だけでなく、施工プロセスまで管理することが、同社の品質管理の大きな特徴です。
万が一、施工店が廃業しても安心。「W工事保証」という備え
修繕工事では、施工後の保証も重要なポイントです。一般的には施工店が保証を行いますが、近年は塗装会社の廃業や倒産が増加しており「保証期間中に施工店がなくなってしまった」というケースも決して珍しくありません。
せっかく10年保証で契約していても、施工店が廃業すれば相談先がなくなってしまう。そうしたリスクに備えて用意されているのが、アステックペイントの「W工事保証」です。
これは、施工店による保証に加え、メーカーであるアステックペイントが保証をバックアップする制度です。万が一、施工店が廃業した場合でも、メーカーが保証を引き継ぐため、保証期間中も安心して相談できます。
「実際に施工店が廃業し、私たちが保証を引き継いだ事例もあります。決して多くはありませんが、万一に備える仕組みとして用意しています」
保証内容に該当する不具合が発生した場合は、メーカーが内容を確認し、必要な補修工事を実施。オーナーにとっては、施工店の経営状況まで心配する必要がないという安心感があります。
久山氏は、「保証は『あって終わり』ではなく、最後まで責任を持って対応できる体制であることが大切です」と話します。メーカーが施工品質だけでなく保証まで担うことで、長期的な建物維持を支える体制を整えています。
全国約270店舗。厳しい審査を通過した施工店だけを認定
メーカーが診断を行っても、実際に工事を担当する施工店の品質が伴わなければ意味がありません。そのためアステックペイントでは、全国3,700社を超える加盟・登録施工店の中から、厳しい審査をクリアした施工店だけを「プロタイムズ」として認定。現在、全国で約270店舗が加盟しています。
加盟審査では、施工技術だけでなく、以下のような多角的な項目を確認しています。
・施工品質基準(PQA基準)への適合
・有資格者の在籍
・各種保険への加入状況
・過去の処分歴の有無
・面談による経営姿勢の確認
さらに加盟後も、定期的な研修や技術講習を実施。施工品質だけでなく、接客や提案力についても継続的な教育を行っています。
特徴的なのは、施工後にオーナーへ満足度アンケートを実施している点です。アンケート結果はすべて確認し、評価が低かった場合は内容を分析し、施工店へフィードバックを実施。加盟後も施工品質や顧客満足度を継続的にチェックすることで、ネットワーク全体の品質向上につなげています。
「施工店が成長しなければ、メーカーも成長できません。施工店とともに品質を高めていくことが大切だと考えています」
月額2,000円台〜。遠方オーナーでも建物診断を「丸ごと任せられる」仕組み
計画修繕を実践するオーナーは約16%。なぜ進まないのか
賃貸住宅では、建物を長く維持するために計画的な修繕が重要とされています。しかし、実際に長期修繕計画を立て、継続的に実施しているオーナーは決して多くありません。
「修繕が必要だと分かっていても『何から始めればいいか分からない』『相談先がない』という方が非常に多いと感じています」と久山氏。
特に自主管理オーナーの場合、建物の状態を定期的に確認する機会が少なく、劣化が進行してから初めて修繕を検討するケースも。その結果、大規模な補修が必要となり、想定以上の費用が発生してしまうこともあります。
「傷み始める前や、傷み始めた段階で適切なメンテナンスを行った方が、結果的には修繕費を抑えられるケースが多いのです」
建物を「壊れてから直す」のではなく、「計画的に維持する」という考え方を広めたい。その思いが、新サービスの開発につながっています。
月額2,000円台~で提供する理由
こうした課題を解決するために始まったのが、「すまーと建診サポート」です。建物診断や長期修繕計画の支援などを一棟当たり月額2,000円台(年額/税込27,500円)から利用できるサービスですが、この価格設定には明確な理由があります。
「サービス設計にあたっては、建物メンテナンスサービスの相場を調査。そのうえで『一般的な価格の半額程度なら導入しやすいのではないか』という考えから、現在の価格帯を設定しました。利益を出すことが目的ではなく、まずは自主管理オーナー様にも利用していただき、修繕を後回しにしないきっかけになればと思っています」
遠方に物件を所有しているオーナーにとっても、現地確認や定期診断を任せられる点は大きなメリットとなりそうです。
なぜ塗料メーカーが建物管理まで支援するのか
塗料メーカーがここまで建物管理に踏み込むのは珍しい取り組みです。その理由について久山氏は、「良い塗料だけでは、お客様に本当の価値は届けられないからです」と話します。
「どんなに性能の高い塗料でも、施工方法が間違っていれば性能は発揮されません。施工店が健全に経営できること、良い施工が行われること、オーナー様が安心して建物を維持できること。そのすべてがつながって初めて、メーカーとしても成長できると考えています。
だからこそ、診断から施工、品質管理、保証、さらには長期修繕計画まで、一連の流れを支える体制づくりに取り組んできました」
単に塗料を販売する会社ではなく、建物の資産価値を長期的に守るパートナーへ。それが、アステックペイントが目指す塗料メーカーの姿なのです。
建物の資産価値を守る第一歩は「正しく知ること」
賃貸経営では、建物の修繕は避けて通れません。しかし、修繕のタイミングや工事内容、費用の妥当性など、専門的な判断をオーナー自身が行うのは簡単ではありません。
「修繕はまだ先でいいのか」「見積もりは適正なのか」「信頼できる施工店はどう選べばいいのか」。こうした悩みを抱えるオーナーにとって、施工店や管理会社とは異なる第三者の視点からアドバイスを受けられることは、大きな安心材料になるでしょう。
「良い塗料と良い施工。その両方がそろって初めて、本来の性能を発揮できます。だからこそ、メーカーとして診断から品質管理、保証まで責任を持って取り組んでいます。修繕について少しでも不安や疑問があれば、ぜひ気軽にご相談ください」と久山氏。
なお、2026年9月に開催される「賃貸経営+相続対策大家さんフェスタ2026福岡」では、アステックペイントの担当者へ直接相談することも可能です。お近くにお住まいで修繕について疑問や不安を抱えているオーナーは、この機会に話を聞いてみてはいかがでしょうか。
ライタープロフィール
石垣 光子(いしがき・みつこ)
情報誌制作会社に10年勤務。学校、住宅、結婚分野の広告ディレクターを経てフリーランスに。ハウスメーカー、リフォーム会社の実例取材・執筆のほか、リノベーションやインテリアに関するコラム、商店街など街おこし関連のパンフレットの編集・執筆を手がけている。
アステックペイント
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