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[提供:スギテック]

大規模修繕の前に知っておきたい「建物診断」という選択肢|スギテック

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公開日:2026年8月24日
更新日:2026年8月31日
大規模修繕の前に知っておきたい「建物診断」という選択肢|スギテック1

第三者診断で資産価値を守るスギテックの取り組み

「そろそろ大規模修繕の時期かもしれない」。そう思いながらも、何から始めればよいのか、提示された工事が本当に必要なのか分からず、判断に迷うオーナー様は少なくありません。そこで役立つのが、建物の状態を客観的に調べ、修繕の要否や優先順位を見極める「建物診断」です。調査から改修工事まで手掛ける有限会社スギテックは、工事ありきではない第三者の立場から、オーナー様の経営判断をサポートしています。建物診断の意義や同社の強みについて、代表取締役の杉山達哉氏に聞きました。

大規模修繕の前に知っておきたい「建物診断」という選択肢|スギテック2

有限会社スギテック 代表取締役 杉山達哉氏

「築10年だから修繕」は本当に正しい?まずは建物診断という考え方

大規模修繕の前に知っておきたい「建物診断」という選択肢|スギテック2

建物の状態を赤外線カメラで確認する

築年数ではなく、建物の状態を見て修繕時期を判断

賃貸マンションやビルを所有していると、築10年前後を迎えた頃から、大規模修繕を勧められる機会が増えてきます。一定の周期を目安に維持管理を考えることは大切ですが、杉山氏は「すべての建物が同じ築年数で修繕を必要とするわけではありません」と話します。

 

「きちんと施工された建物であれば、15年から20年程度、性能を維持できるケースもあります。反対に、施工品質や建築時のコストダウンなどの影響で、築10年を待たずに外壁の浮きや不具合が発生する建物もあります。築年数だけでは、修繕の要否は判断できないのです」

 

同じ築年数、同じ構造の建物であっても、施工状況や使用材料、立地、日射、風雨などの条件によって劣化の進み方は異なります。まず現状を調べてから、いつ、どこを直すべきかを考える。それが建物診断の基本的な役割です。

 

施工会社からすれば、足場を架けるなら塗装やシーリング、防水などをまとめて施工した方が合理的という考え方もあります。しかし、一度にすべてを直すことが、必ずしもオーナー様にとって最良とは限りません。

大規模修繕の前に知っておきたい「建物診断」という選択肢|スギテック2

青いテープで囲まれた範囲がすべて浮き。打診で1枚ずつ確認して特定する

安全に関わるタイルの浮きや雨漏りの危険があれば早急な対応が必要ですが、単なる色あせなど美観上の変化であれば、経営状況に応じて時期を調整できる場合もあります。必要性と優先順位を切り分けられれば、限られた修繕資金を効果的に配分できます。

 

健康診断と同じ発想で必要な工事を見極める

「建物診断は、人間の健康診断と同じです」と杉山氏。健康診断を受けても、異常がなければ治療は行いません。建物も、調査の結果に問題がなければ、日常の維持管理を続けながら適切な時期を待つことができます。一方、劣化の兆候が見つかれば、深刻になる前に対処できます。

 

「私たちの調査は、工事を勧めるためのものではありません。建物の状態を正しく把握していただき、『まだ大丈夫』なのか、『この部分は早めに対応した方がよい』のか、その判断材料をご提供するためのものです」

 

調査には、当然費用がかかります。目安として、3階建て・20戸程度のマンションなら約50万円、商業施設など規模の大きな建物では100万円以上になる場合もあります。ただし、金額は建物の形状や調査範囲、使用する手法などによって変わります。

数千万円規模になることもある大規模修繕を、根拠が曖昧なまま実施するリスクを考えれば、診断費用は適切な経営判断のための投資ともいえます。どの工事が必要で、どの工事は待てるのか。優先順位が分かれば、長期修繕計画や資金計画も立てやすくなります。

施工会社だからこそ分かる「どう直すべきか」まで提案できる強み

大規模修繕の前に知っておきたい「建物診断」という選択肢|スギテック2

打診による調査

大規模修繕の前に知っておきたい「建物診断」という選択肢|スギテック2

ゴンドラでの外壁工事

調査と施工、双方の知見で建物全体を捉える

スギテックは、商業施設やマンション、教育施設など、大規模建築物の外壁改修や屋上防水工事を手掛ける施工会社として歩み始めました。工事に伴う調査を外部へ委託する施工会社が多いなか、同社は調査を自社の強みにできると考え、建物診断の技術と実績を積み重ねてきました。現在は年間200~250件の建物調査を行っています。

 

建物調査を専門とする会社は、劣化箇所を特定し、報告書を作成できます。一方、工事会社は各分野の施工には詳しくても、調査を外注しているケースがあります。スギテックの特徴は、両方を一社で担い、調査結果を具体的な修繕方法までつなげられる点にあります。

 

「お客様が本当に知りたいのは、悪い場所だけではなく、『どう直したらいいのか』です。私たちは施工会社でもありますから、不具合が起きた原因、適した補修方法、必要な工事の範囲まで具体的にご提案できます」

 

修繕工事は、防水、塗装、タイル、シーリングなど、専門分野ごとに業者が分かれがちです。それぞれに高い専門性がある一方、オーナー様が複数の見解を取りまとめ、建物全体として判断するのは容易ではありません。

 

杉山氏はゼネコンで現場監督を務めた経験を持ち、各専門工事を横断して建物全体を管理してきました。そのため、表面に現れた不具合だけを見るのではなく、下地や他の部位との関係も含め、原因と対策を総合的に検討できます。「今やるべき工事」と「経過を見てもよい工事」を分けられることが、オーナー様にとって大切だと考えています。

 

「工事をしない」という結論も尊重する第三者性

診断後は、写真や解析結果をまとめた調査報告書を作成し、問題のある箇所や劣化の程度、対応の優先順位を説明します。大規模な建物では、報告書が数百ページに及ぶことも。

大規模修繕の前に知っておきたい「建物診断」という選択肢|スギテック2

調査結果図。劣化箇所を展開図上に色分けして記載

必要に応じて修繕提案書や見積書も用意しますが、工事まで依頼することは必須ではありません。診断だけで終了することも、報告書をもとに別の施工会社へ工事を依頼することも可能です。

 

「調査そのものに価値があると考えています。結果が『今回は工事をしない』となっても、それがお客様にとって良い判断なら、調査は成功です」と杉山氏。工事を受注するために不安をあおるのではなく、正しい情報を示し、オーナー様自身が納得して決められる状態をつくることを重視しています。

 

同社は(公社)ロングライフビル推進協会(BELCA)の調査診断部会に所属。対象となる外壁診断では、診断後から補修着手までの間に外壁落下事故などが起き、建物所有者が法律上の損害賠償責任を負った場合に備える保険制度も活用できます。

 

 

責任期間は診断開始から最長2年間で、適用には所定の条件があります。調査後すぐに工事を決めず、資金計画と照らし合わせながら時期を検討できる点は、オーナーの安心材料になるでしょう。

赤外線・ドローン・AI解析で、見えない劣化を客観的に診断

赤外線調査を基本に、必要な箇所をドローンで補う

外壁タイルの浮きなど、目で見ただけでは分からない劣化を捉える手法の一つが赤外線調査です。日射を受けた外壁では、健全な部分と、タイルが浮いて空気層ができている部分とで熱の伝わり方が異なります。その表面温度の差を赤外線カメラで可視化し、異常が疑われる箇所を抽出します。足場を設けず、建物の外側から調べられるため、入居者への影響も比較的抑えられます。

大規模修繕の前に知っておきたい「建物診断」という選択肢|スギテック2

浮きのある部分は周囲より温度が高く表示される

ただし、カメラで撮影すれば自動的に正しい診断結果が得られるわけではありません。日射や気温、風、壁面の向きなどが画像に影響するため、適切な条件で撮影し、得られた温度差が劣化によるものかを読み解く知見が欠かせません。

 

また、地上からの撮影はカメラの性能を生かしやすい一方、建物の形状や高さによって死角が生じます。そこで、地上から確認できない箇所の撮影をドローンで補います。

大規模修繕の前に知っておきたい「建物診断」という選択肢|スギテック2

地上から確認できない箇所をドローンで撮影する

「ドローンは万能ではなく、あくまで撮影するための手段です。地上から撮影した方が精度を確保しやすい場合もあります。まず正しい診断という目的があり、そのために建物ごとに適した方法を選ぶことが大切です」

 

目新しい機器を使うこと自体が目的ではありません。赤外線カメラ、ドローン、目視や打診など、それぞれの特性を理解し、現場条件に応じて組み合わせる姿勢が診断の信頼性を支えます。

 

撮影後の解析が、建物診断の品質を左右する

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撮影した画像を一枚ずつ確認し、温度差の原因を解析する

現地で画像を撮影した後は、一枚ずつ確認し、温度差の原因を解析します。この工程には2週間から1カ月ほどかかる場合もあり、杉山氏は「撮影よりも、その後の解析が重要です」と強調します。

 

同社では、従来は経験を積んだ技術者が担ってきた赤外線画像の解析に、現在はAIも活用しています。外壁タイルの目地や浮きが疑われる箇所を機械的に判定することで、解析作業の効率化に加え、判定のばらつきを抑え、結果の客観性を高めています。

 

大規模修繕の前に知っておきたい「建物診断」という選択肢|スギテック2

浮きが疑われる箇所を判定した例

技術開発の背景には、施工現場で培った問題解決力があります。同社は、紙の図面に記入した調査結果を持ち帰り、CADへ入力し直す手間を減らすため、タブレット上で入力した情報を図面データへ反映できる「スマートST」を独自に開発。

大規模修繕の前に知っておきたい「建物診断」という選択肢|スギテック2

調査結果をその場でタブレットに入力する「スマートST」

こうした実績が某大手ゼネコンの目に留まり、AIを活用した解析技術の共同開発につながりました。

「私たちは現場で仕事をしてきた会社です。技術開発そのものが目的ではなく、現場で困っていることをどう解決するか、という発想からシステムをつくっています」。調査、解析、施工の現場を知るからこそ、技術を実務に落とし込み、オーナー様が使える判断材料へと変換できるのです。

熊本新拠点から九州へ 賃貸オーナーの経営判断を支えるパートナーへ

九州全域で建物診断を身近な選択肢に

本社のある京都を本拠地とし、東京にも拠点を置くスギテックは、2026年秋に熊本営業所を開設する予定です。杉山氏は全国各地で赤外線調査や建物診断に関するセミナーを行うなか、九州全域をカバーする拠点の必要性を感じてきたといいます。九州の地理的な中央付近に位置する熊本を足掛かりに、まずは建物診断を中心として地域での対応力を高めていく考えです。

 

赤外線調査は、壁面を温める日射や気温などの影響を受けます。比較的温暖で、調査に適した期間を確保しやすい九州は、計画的に診断を行いやすい地域です。一方で、沿岸部では塩害などへの配慮も必要になります。地域や建物ごとの条件を把握し、適切な時期と方法を選ぶことが重要です。

 

「まずは工事ではなく、建物診断を九州へ広げていきたいと考えています。診断であれば地域の施工会社とも協力できます。私たちが調査を行い、地元の会社が工事を担当する形も可能です」

 

調査のみであれば、すでに北海道から鹿児島まで対応しており、建物の規模を問わず相談可能。一般的には現地調査を1日程度で行い、その後の画像解析、報告書と必要に応じた提案書の作成まで、おおむね1カ月が目安となります。

大規模修繕の前に知っておきたい「建物診断」という選択肢|スギテック2

全国の調査に対応する移動調査拠点

建物の規模や調査方法によって期間は前後します。外部からの調査が中心のため入居者への大きな影響はありませんが、カメラやドローンで撮影する場合は事前に告知します。

 

福岡の大家さんフェスタで、建物の悩みを直接相談

スギテックは、福岡で開催される「賃貸経営+相続対策 大家さんフェスタ」に出展(土日両日)予定です。会場では「修繕の時期かもしれないが、何から始めるべきか」「施工会社から見積もりを受け取ったものの、工事の根拠が分からない」といった相談にも応じます。

 

建物は、長期にわたって収益を生み、次世代へ受け継がれる大切な資産です。状態を把握しないまま修繕を先延ばしにすることにも、必要性が分からないまま多額の工事費を投じることにもリスクがあります。客観的な診断結果があれば、修繕の要否と優先順位を整理し、将来の支出を見通しやすくなります。

 

「これまでは、人の経験や感覚を頼りに建物を管理する部分が大きかったと思います。もちろん、その経験も大切です。これからはデジタル技術も活用し、建物の状態を客観的に把握することで、資産価値を守っていただきたい。工事をするかどうかは、診断結果を見てから考えればよいのです」

 

築年数を迎えたから、勧められたからという理由だけで工事を決めるのではなく、まずは建物の現在地を知る。建物診断は、オーナーが主体的に修繕計画を立てるための第一歩です。修繕のタイミングや進め方に迷っているなら、福岡フェスタの会場でいちど相談してみてはいかがでしょうか。

【スギテック 杉山様より】自社建物での実績を、新築時の材料選定・長寿命化提案へ

弊社の京都本社は、1・2階を事務所、上階を学生マンションとするRC造の建物で、2017年の竣工から9年が経過しています。

これまで数多くの建物に携わり、調査・診断から補修・改修までを繰り返し行ってきたからこそ、私たちは建物の「ウィークポイント」を理解しています。

新築時の外装材選定では、どうしてもイニシャルコストや意匠性が優先され、長期的な耐久性や機能性については十分に検討されないケースもあります。

しかし、建物を長期的に維持していくためには、新築時の材料選定が非常に重要です。

弊社では、数多くの建物調査や改修工事、そして自社建物の経年観察を通じて、どのような材料が劣化を抑制し、建物の長寿命化につながるのかを蓄積してきました。

高グレードな材料を採用すれば、イニシャルコストでは数百万円単位の差額が生じる場合があります。しかし、その差額を新築時に投資することで、将来の大規模改修までの期間を延ばし、長期的な修繕費用やライフサイクルコストを抑えられる可能性があります。

実際に弊社京都本社の外装には、弾性系の防水材料を採用しています。竣工から9年が経過した現在も、外装表面にはひび割れは確認されていません。

大規模修繕の前に知っておきたい「建物診断」という選択肢|スギテック2

2017年竣工の京都本社。外装には弾性系の防水材料を採用している

RC造である以上、コンクリート躯体には乾燥収縮などによる微細なひび割れが発生している可能性があります。しかし、弾性系材料が下地の動きに追従することで、ひび割れが外装表面に顕在化することを抑制していると考えられます。

私たちは、完成した建物の「劣化を調べ、直す」だけではありません。

これまで培ってきた調査・診断・改修の経験を、新築時の材料選定や仕様検討にフィードバックし、「将来、どこが劣化するのか」「どうすれば改修周期を延ばせるのか」まで見据えた建物づくりを提案できることも、弊社の大きな強みです。

建物を直してきた経験を、これから建てる建物の長寿命化へ。

調査・診断会社だからこそ分かる劣化の実態を、新築時の材料選定や仕様に反映し、建物のライフサイクル全体を見据えたコンサルティングにつなげていきます。

 

ライタープロフィール

石垣 光子(いしがき・みつこ)

情報誌制作会社に10年勤務。学校、住宅、結婚分野の広告ディレクターを経てフリーランスに。ハウスメーカー、リフォーム会社の実例取材・執筆のほか、リノベーションやインテリアに関するコラム、商店街など街おこし関連のパンフレットの編集・執筆を手がけている。

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