日本最大級のネットワークを生かして建築家とオーナーの橋渡し

ー日本最大級の建築家ネットワークを構築されていますね。

丸山　日本の住宅は似たような家が多いですよね。とは言え、自分らしく、こだわりぬいた家を建てたいと思っても自分で建築家を探して依頼するのはハードルが高い。

我々がその間に入ることで、建築家と家を建てることが身近になり、一生自慢したいと思える家に住む人が増えて、日本の住宅文化が豊かになることを願っています。

ーただ、当初は建築家からの反対も多かったとか。

丸山　弊社の仕組みでは、建築家が提案したプラン（デザインやコスト）をお施主さんが気に入れば設計契約となるので、打ち合わせに時間をかけても契約に至らないケースもあるわけです。だから建築家たちは猛反対でした。

でも安藤忠雄さんたちに認められ、現在では日本最大級のネットワークとなっています。

ーどのようなプロセスで建てることになるのですか？

丸山　お施主さんにはまずＡＳＪ会員になっていただきます。そして、弊社のコンサルタントがヒアリングを行い、要望に合致するふさわしい建築家を無料で紹介します。その後はお施主さんが納得するまで何度でも打ち合わせができますし、建築家を変えることも可能です。

ー建築家と建てる家は個性的で付加価値が高く、競合物件との差別化を図ることができるのが魅力です。ただ、建築家に頼むと、コストが高くなるというイメージがあると思いますが。

丸山　資金計画も明確にして契約していただきますから、メーカーと比較しても総額はそれほど変わりません。逆にメーカーでは対応しきれない狭小地や変形敷地を得意とする建築家も多いので、諦めていた土地の活用も可能性があります。

コロナ禍で変化した入居者の住まいへの意識にも柔軟に対応

ー今回のコロナ禍が賃貸住宅に与える影響はどのようにお考えですか？

丸山　リモートワークが急激に普及し、長く家の中にいる時間が増え、「寝るところだけあればいい」といった考えではなく、家の中を過ごしやすく豊かにすることの意識に気づき始めたと思います。

例えば、ヨーロッパでは、住宅にものすごくお金をかけます。いつ、誰が来てもいいようにインテリアにも凝っています。日本でも、家に対する思想が欧米並みに転換するのではないか、ライフスタイルのイノベーションが起きるのではないか、と期待しています。

ーコロナ禍で賃貸入居者の住まいへの意識も変わりつつあります。建築家と賃貸住宅を建てようと考えるオーナーも増えそうですね。

丸山　建築家による賃貸住宅建築のこれまでの事例もありますので、ぜひオーナーの皆様にはご覧になっていただきたいですね。「建築家はハードルが高そう」と思わずに、まずはお気軽にご相談いただけたらと思います。

※この記事内のデータ、数値などは2020年9月2日時点の情報です。
取材・文／本多 智裕　人物撮影／豊島 正直

建築家による賃貸住宅建築の事例

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