相続4件につき1件以上が空き家に?次の相続で空き家が発生する可能性は4割近くにも!
2023年4月27日から「相続土地国庫帰属制度」がスタート。一定の要件を満たした場合に相続した土地の所有権を国庫に帰属させることができる制度で、空き家や所有不明土地の発生を防ぐために定められました。では実際に、相続の際に空き家が発生する可能性や、事前にその対策をしている人はどれくらいの割合になるのでしょうか。相続の手続きに関するワンストップサービスを行う(株)ルリアンが調査をしています。
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親の死を経験した人のうち遺産相続の経験者は2割
日本全国の35~79歳までの男女7,336人(有効回答数)を対象に行われたインターネット調査で、約半数(48.2%)が「親の死を経験したことがある」と回答。全体では、20.7%が「親の遺産の一部または全部を相続したことがある」と回答し、約5人に1人が遺産相続を経験しているということになりました。
年代別では、親の死による相続を経験した人が50~54歳では15.7%となっていますが、55~59歳では30.0%と倍増しています。基本的には、年代が上がるごとに、親の死による相続を経験した割合は上がっていき、70~74歳では58.6%にものぼります。
相続した家が空き家になったのは27.6%
次に、親の死による遺産相続を経験した人492人に質問しています。
相続した住宅のうち4件につき1件が空き家となっていることが分かりました。
総務省が平成30年に実施した「住宅・土地統計調査」では、空き家数は848万9千戸となっており、その時点での過去最多を記録。全国の住宅の13.6%を占めているとの結果が出ました。この調査は5年に1度実施されるため、令和5年の調査では、空き家数とその割合がさらに増えることが考えられます。
ちなみに、出身地と現在の居住地との距離(移動時間)の相関関係では、「空き家になったケースがない」人の割合が最も多いのは「現在も出身地の市町村に住んでいる」人で、72.8%となっています。やはり近くに住んでいると、引き継いで住む、売却するなどの対処がしやすいのでしょう。
次の相続で空き家発生の可能性は?「ある」が約4割
それでは、今後の空き家発生の可能性はどのように考えられているのでしょうか。
前回の相続で空き家が発生した経験のある人とそうでない人で分けてみると、経験者は可能性あり・なしがほぼ半々ですが、経験していない人は「可能性あり」12.4%、「可能性なし」が85.2%。経験者は次回の相続でも空き家の発生を想定していますが、経験していない人のほうが楽観的であることが分かります。
親にしておいて欲しかった生前対策は「物の整理・不用品処分」
親と子から見た終活の内容についてはどうでしょうか。それぞれに聞いた結果は以下のようになっています。
まず、「親が生前に行っていた相続対策」の問いに対しては「特にない」と回答した人が最多で62.6%。続いて「遺言書作成」が16.9%、「物の整理・不用品の処分」が15.7%、「生前贈与など相続対策」が15.2%となっています。
「子どもの目から見た『親にやっておいてほしかったと思う生前対策』」の問いにも「特にない」の回答が49.4%と最多でした。「物の整理・不用品の処分」が26.2%、「遺言書作成」が19.5%、「生前贈与など相続税対策」が18.9%と続いています。
親子とも「特にない」が最多ですが、実際に行っていたのは「遺言書作成」がトップなのに対し、やっておいてほしかったことは「物の整理・不用品の処分」でだいたい4人に1人の割合となっています。相続した土地や家を売却、処分、活用するためにも「物の整理・不用品処分」が最も望まれていることが分かりました。
相続の手続きについて経験者と未経験者で認識に違いあり
最後に、次の相続で発生する手続きについての質問です。上位3位は「行政への死亡届の提出」「亡くなった親の年金受給停止手続き」「遺品の整理」でした。
相続経験者と未経験者の差が大きかった項目については、以下の結果となっています。
差が開いた上位3項目は「相続人確定のための戸籍調査」が差分12.1%で最多に。続いて「遺産分割協議書の作成」が差分11.9%、「金融資産(株式、債券、保険等)の名義変更」が差分9.2%となっています。
遺産についてのより具体的な手続きに、経験者と未経験者の差が出ているように見受けられます。
令和元年の国交省の調査によると、空き家の取得方法で最多の54.6%が「相続」によって取得されています。さらに建築時期が古いものほど「相続」の割合が高く、「昭和25年以前」築では78.7%。古い家ほど、片付けや取り壊しに手間や費用がかかることが想定されます。
「まだ親が元気なのに相続の話はしづらい」「いま住んでいる家を処分するなどの話はしたくない」…この気持ちは当然といえるでしょう。しかし、いざという時にあわてないためにも、親子で将来の話をしておくのは必要なこと。
あらかじめ相続に備えておくことで、愛着のある土地や家も、有効活用の可能性につなげやすくなるのではないでしょうか。
※この記事内の情報は2023年5月23日時点のものです。
取材・文/丸石 綾野
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