古い団地は「部屋数を減らす」リノベーションで現代的に生まれ変わる!
今の入居者が求めているのは、部屋数よりもリビングのゆとり。特に古い団地のような和室の多い間取りは敬遠されがちです。DKと居室の間の壁を取り払えば、広いLDKが実現できます。デザインや使い勝手にも工夫を加え、差別化に成功したリノベ事例を紹介します。
昭和レトロ感を活かし、新築にはない情趣を生み出した成功事例
ひと昔前までは、ファミリー向け物件と言えば部屋数重視で、2DKや3DKが主流でした。しかし、少人数世帯が増えてライフスタイルが多様化してきたことから、近年は部屋数よりも広いリビングが求められるようになっています。
細かく仕切られた間取りは、あまり人気がありません。特に高度成長期に建てられた物件は、昔ながらの和室中心の間取りが多いため、空室が長引きがちです。
古い部屋はリノベーションに一工夫!
今、こうした場合の対策として多く行われているのが、居室とDKの間の壁を撤去して、ひと続きの広いLDKに変えるリノベーションです。
ただし、古い部屋に新たな魅力を生み出すには、それだけでは不十分。古さを味わいに変える演出や、入居者目線に立った暮らしやすい工夫が必要です。
そこで、最近注目されている、昭和の面影を色濃く残す団地リノベーションの事例を紹介。
半年以上空室だった築54年の団地の和室2間+DKを、洋間の1LDKに変えて成功した事例です。
2DKの団地を1LDKにリノベーションした事例(写真提供:株式会社S-FIT)
床をフローリングに変え、壁にブルーのアクセントカラーをプラス。元和室の押入は、寝室のウォークインクローゼットにした。
ポイントは、団地の雰囲気に合わせてレトロモダンなデザインを採り入れたことです。
床は全てフローリングで統一して視覚的な広がりを生み出し、ライティングレールやブルーのコーナー壁でモダンな印象にしました。
一方、キッチン壁はリーフ柄のタイル張りにして味わいを出し、扉にはアンティークガラスの握り玉を使い、レトロな感じが漂うデザインにしています。
こうした演出で新築にはない情趣が生まれ、20代~30代のカップルに人気の物件に蘇りました。
文/木村 元紀
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