家賃保証会社とは?料金や仕組みなど大家さんが気になる疑問を解説

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公開日:2023年9月27日
更新日:2024年3月8日
家賃保証会社とは?料金や仕組みなど大家さんが気になる疑問を解説1

部屋を借りるときには連帯保証人が必要…少し前までは常識でしたが、最近は家賃保証会社を利用することがスタンダードになりつつあります。家賃保証会社とは、大家さんにとってどのような存在なのでしょうか。気になる利用したときのメリット・デメリット、家賃保証の仕組みについてまとめました。

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家賃保証会社とは

家賃保証会社の基本的な役割

従来の不動産賃貸借契約では、万が一借主(=入居者)が家賃を滞納したときに、代わりに家賃を支払う義務を負う第三者=連帯保証人を立てるのが一般的でした。

しかし、最近は核家族化や高齢化によって連帯保証人を頼める人が少なくなっていること、2020年の民法改正により個人の連帯保証人を立てるハードルが上がったことにより、家賃保証会社(賃貸保証会社)を利用するケースが増えてきました。

家賃保証会社は、入居者が家賃を滞納してしまった場合、入居者の代わりに大家さん(貸主)に対して家賃を支払います。連帯保証人と同じ役割です。入居者は後日、立て替えてもらったお金を保証会社に対して支払う必要がありますが、大家さんへの延滞はなくなります。

保証会社との契約プランによって範囲は異なりますが、家賃のほか管理費や共益費、更新料や原状回復の費用なども保証してくれます。

「家賃保証」と「サブリース」の違い

「家賃を保証する」という意味ではサブリースと似ているように思えるかもしれませんが、契約と仕組みがまったく異なります。

家賃保証は、あくまで滞納等が発生したときのためのもの。保証契約は保証会社と入居者の間で結ばれます。対してサブリースは、サブリース会社と物件オーナー(大家さん)が結ぶ賃貸借契約です。サブリース会社が物件を借り上げることで、手数料の支払いと引き換えに賃貸管理等を行い、空室の間も家賃が保証されるという仕組みです。

家賃保証会社の仕組み

家賃保証会社とは?料金や仕組みなど大家さんが気になる疑問を解説2

家賃保証会社を利用する場合、家賃に応じた保証委託料を入居者が契約時に支払います。保証料は初年度で家賃の半分~1カ月分程度、2年目は年1~2万円程度が相場となっています。

加入するのは入居者ですが家賃保証会社は管理会社や大家さんが選ぶのが一般的で、家賃保証会社を必ず立てること、と定めている物件もあります。

家賃滞納時の対応と保証

実際に家賃の滞納が発生した場合、どのような対応となるのでしょうか。家賃保証会社を利用している場合は、以下のような流れで立て替え払いが行われます。

①大家さんもしくは管理会社から入居者に連絡し、督促状によって支払い催促

②数日たっても入金がない場合は、大家さんから家賃保証会社へ代位弁済を請求

③家賃保証会社から大家さんに家賃を立て替え払い(代位弁済)

代位弁済により入居者は大家さんへの滞納は無くなりますが、家賃保証会社に対する返済義務が生じます。

また、たとえ立て替えがあったとしても、3カ月以上の滞納や支払いの意思がないことが明らかな場合などは、内容証明郵便により賃貸借契約の解除や物件の明け渡し請求を行うことが可能です。この場合の事務手続きは、保障会社ではなく、管理会社や大家さんの仕事となります。

家賃保証会社を利用するメリット・デメリット

家賃保証会社とは?料金や仕組みなど大家さんが気になる疑問を解説2
家賃保証会社を利用するメリット

大家さんにとって家賃保証会社を利用する最大のメリットは、家賃滞納の不安がなくなることです。自身で請求や督促、回収を行うのは手間がかかり、精神的な負担も大きいもの。家賃保証会社と契約をすることで、それらをすべておまかせできます。

また、従来の連帯保証人を立てる方法では、個人である連帯保証人が必ず家賃を払ってくれる保証はなく、時間がかかることがありました。その点、家賃保証会社であれば確実に立て替え払いをしてくれます。

さらに、家賃保証会社を利用することで物件契約時に近くに住んでいるとは限らない連帯保証人に署名・押印してもらう手間がなくなり、手続きがスムーズになること、家賃保証会社が入居審査を行ってくれることもメリットです。

入居者にとって選べる物件の幅が広がるのと同様に、大家さんにとっては入居対象者が増えることもメリットと言えるでしょう。

家賃保証会社を利用するデメリット

大家さんが家賃保証会社を利用するデメリットとしては、家賃保証会社の保証金の分だけ入居者の金銭的負担が増えることが挙げられます。

また、家賃滞納時の代位弁済についても報告期限があり、10日や1カ月、2カ月以内などと定められています。この期限を過ぎると滞納家賃を保証してもらえないため、注意が必要です。さらに、家賃保証会社が倒産するリスクもデメリットとなるでしょう。

賃貸物件に必要な保証料の概念

賃貸借契約の際の「保証料」とは、家賃保証会社に加入するための費用を指し、保証料は入居者が支払うのが一般的です。保証会社によっては、連帯保証人も同時に立てることで保証料が安くなる場合があります。

家賃保証会社に支払う料金

家賃保証会社とは?料金や仕組みなど大家さんが気になる疑問を解説2

家賃保証会社に支払う保証料は、賃貸借契約時の「初回保証料」と2年目から払う「更新保証料」に分けられます。保証会社によっては年単位ではなく「月額保証料」として支払うプランや、初回保証料が高く設定されているものの退去まで更新不要のプランなどもあります。

初回保証料の相場価格と計算方法

初回保証料は前項で述べた通り、共益費(管理費)などを含む総家賃の50%から1カ月分が相場です。例えば家賃8万円のお部屋であれば、初回保証料は4万円~8万円となります。

保証会社によっては「賃料の1カ月分だが最低3万円」など下限を設けたプラン、連帯保証人のあり/なしで保険料が変わるプラン、リピーター割引などを設けている場合もあります。

更新保証料の相場価格

家賃保証の更新保証料は1年ごとに年1~2万円程度が相場ですが、「賃料の10%」などの設定をしている会社も。賃貸契約の更新に合わせて、2年ごとに請求する会社もあります。

料金に影響を及ぼす要因

当然ながら、家賃保証会社が立て替え可能な費用項目や弁済費用が高いほど、保証料も高くなる傾向にあります。

初回保証料は、前項でお伝えした通り連帯保証人を追加で立てることで安くなる場合があります。大きな要因となるのが滞納歴で、もし初回更新時までに家賃滞納が発生した場合、更新保証料が高くなる会社もあります。

家賃保証会社の利用と契約の際の注意点

家賃保証会社とは?料金や仕組みなど大家さんが気になる疑問を解説2

家賃保証会社の審査および利用に必要な要件

賃貸物件の契約には入居審査が必要ですが、家賃保証会社を利用する場合は保証会社による審査も必要になります。

審査の申込書に必要事項を記入し、身分証明書や保険証、源泉徴収票などの収入が証明できる書類のコピーを提出します。審査では、年収、勤務先、勤続年数などを総合的に判断して、家賃の支払い能力があるかを確認しています。

契約前のチェックポイントと大切な注意事項

家賃保証会社による審査では、以下の条件を主に確認しています。

□ 過去に滞納がないこと
□ 安定した収入があること
□ 基準をクリアする収入
(目安としては賃料が収入の30%程度以内に納まる程度)があること

□ 勤務状況(勤続年数や雇用形態など)

年金生活をしている人などは、年収が少なくても口座残高を確認して審査を通すケースなどがあるようです。

もし過去にクレジットカードの支払い遅延や家賃の滞納があった場合は、滞納歴を共有されていることが多く、審査には通りにくくなります。

また、免許証の免許番号や国民健康保険の有効期限などから、再発行の回数や保険料の滞納歴などが予測できるため、そこでだらしない人と判断されてしまうケースもあるようです。

借主要因ではありませんが、敷金0円に設定されている物件は、万が一滞納があった場合に敷金から充当できない危険性から、審査が通りにくい傾向があるといわれています。

家賃保証会社の活用法

家賃保証会社の保証範囲には以下のようなものがあります。

入居時 家賃、共益費、管理費、更新料
退去時 鍵交換費用、クリーニング費用、原状回復費用
トラブル発生時 違約金、入居者が亡くなった場合などの荷物の撤去費用

 

契約前も、保証会社が綿密な審査をしてくれるため、家賃保証を賢く利用すれば滞納の不安を払拭することができます。

家賃保証会社選びのポイント

家賃保証会社との契約は入居者が行いますが、保証会社は不動産会社や管理会社を通して貸主側が選ぶことになります。不動産会社は数社の家賃保証会社と提携しているため、提供するサービス内容から比較検討します。

家賃保証会社の経営状況はもちろん、保証限度額や立て替えまでの日数、滞納が起こってからの報告期限、督促の方法(例えば入居者に対して、対面での交渉まで行うのか、電話のみで期限が過ぎたら法的処置に移行するのか)なども確認しましょう。

(公財)日本賃貸住宅管理協会(一社)全国賃貸保証業協会などの業界団体に所属していることも会社の信頼度をはかるポイントとなります。

連帯保証人との関係

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連帯保証人の役割と責任

連帯保証人は、入居者が家賃などを支払わなかった場合に、代わりに支払い義務を負う個人です。家賃だけでなく賃貸中に発生した修繕費や退去のときの原状回復費などに対しても、借主(入居者)と同等の責任を負うことになります。

以前は損害が多大なものとなった場合も、連帯保証人はすべての責任を負うことになっていましたが、2020年に民法が改正され、賃貸借契約の場合も大家さんと保証人の間で話し合い、極度額(負担する債務の限度額)を決めることが義務となりました。

極度額をいくらにするかに法的な制限はありませんが、連帯保証人との契約書に双方の合意を得た極度額を明記する必要があり、極度額の定めのない個人の保証契約は無効となります。

連帯保証人と家賃保証会社の違い

極度額を設定し、契約書に明記することで個人の連帯保証人を見つけることがかえって困難になるという一面もあり、家賃保証会社と契約することが一般的になりつつあります。

ひと昔前までは、両親や親せきがおらず連帯保証人を頼む人がいない人が保証会社を利用するもの、というイメージがありました。しかし、最近では連帯保証人の有無に関わらず、確実に滞納家賃が回収できる家賃保証会社の利用を契約の条件に定める物件も増えてきています。

家賃保証会社との契約があれば連帯保証人は不要、という風にもとれますが、そう単純な話でもありません。保証会社が担保してくれるのは金銭のみで、入居者が起こしたトラブルや事故などについては、多くの場合、保護者の立場でもある連帯保証人のサポートが必要な場面があるからです。

連帯保証人が不要なケースとその理由

連帯保証人と家賃保証会社の両方を立てることができれば、大家さんにとっては安心ですが、必ずしもそうできるとは限りません。連帯保証人を探すのも、保証金を払うのも入居者側の負担となるためです。

そこで、間をとって、家賃保証会社を利用すれば連帯保証人が不要、としているケースが一般的になりつつあります。

また、不動産会社や保証会社と提携のクレジットカードで家賃を支払う場合は、連帯保証人不要とされる場合があります。立て替えという意味では、クレジット会社が家賃保証会社の役割をしていることになります。

同じ賃貸でもUR賃貸などであれば連帯保証人は不要ですが、入居審査はもちろん収入や貯蓄などの条件をクリアする必要があります。

家賃保証会社を上手に活用して安心の賃貸経営を

家賃保証会社とは?料金や仕組みなど大家さんが気になる疑問を解説2

国土交通省によると、家賃保証会社の利用率は2010年には4割程度だったのが、10年で8割に倍増しました。民法改正のほか、外国人入居者や高齢単身世帯の増加もこれを後押ししていると考えられます。

保証はもちろん精度の高い審査をおまかせできることや、入居者の裾野が広がることで、大家さんにとってメリットの大きい家賃保証会社。賃貸経営をよりスムーズに、安心して続けていくための心強い味方となってくれるでしょう。

※この記事内の情報は2023年9月27日時点のものです。

取材・文/石垣 光子

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