シングルは踊り場、ファミリーは下落へ。首都圏賃料の最新動向をピックアップ

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公開日:2024年8月5日
更新日:2024年8月5日
シングルは踊り場、ファミリーは下落へ。首都圏賃料の最新動向をピックアップ1

不動産ポータルサイトLIFULL HOME'Sでは、掲載された物件データや不動産会社への問合せについて集計、毎月発表しています。2024年4~6月のレポートのマーケットレポートまとめ版では、賃貸物件の賃料に特徴的な動向が見られました。オーナー注目のトピックを抜粋してご紹介します。

首都圏シングル向き物件の賃料上昇は踊り場に

レポートでは、ワンルーム、1K、1DK、1LDK、2Kまでを「シングル向き」、2DK、2LDK、3K、3DK、3LDK以上を「ファミリー向き」と定義して集計しています。

2024年4~6月の首都圏(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)シングル向き賃貸物件の掲載賃料は例年と同様に、2月から4月にかけての上昇が5月以降は緩やかになる傾向を見せています。

シングルは踊り場、ファミリーは下落へ。首都圏賃料の最新動向をピックアップ2

LIFULL HOME'S PRESS調べ(2024年7月掲載)

しかし、6月の首都圏の掲載賃料は7万9,058円。前年同月比で3,227円アップの104.3%とベースラインは上昇していることがわかります。

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23区では物件が減少する一方、ニーズは上昇

なかでも東京23区では、2024年3月からシングル向き物件の掲載賃料が10万円超えの大台へ。2024年6月は10万3,268円と前年同月比109.0% 、8,498円も上昇しています。

シングルは踊り場、ファミリーは下落へ。首都圏賃料の最新動向をピックアップ2

LIFULL HOME'S PRESS調べ(2024年7月掲載)

6月の首都圏の掲載物件に占める東京23区シングル向き物件の割合は31.7%と、前年から5.1ポイント下落した一方で、問合せに占める割合は36.6%で前年から2.6ポイント上昇しています。

つまり、前年よりも掲載物件が減少したものの居住ニーズは上がっており、その需給バランスが賃料相場に反映されたのでは、と同調査では分析しています。

ファミリー向き掲載賃料は2カ月連続の下落

続いてはファミリー向き賃貸物件の動きを見てみましょう。

シングルは踊り場、ファミリーは下落へ。首都圏賃料の最新動向をピックアップ2

LIFULL HOME'S PRESS調べ(2024年7月掲載)

しばらく上昇が続いていた首都圏の掲載賃料は、2024年5月、6月と2カ月連続で前月から下落しました。2カ月連続の下落は2021年10月以来、32カ月ぶりとなります。

しかし6月の掲載賃料は東京23区が21万686円で前年同月比112.8%(2万3,932円アップ)、横浜市・川崎市が12万1,658円で同109.7%(1万775円アップ)。都心を中心に賃料水準は前年から大きく上昇しています。

シングルは踊り場、ファミリーは下落へ。首都圏賃料の最新動向をピックアップ2

LIFULL HOME'S PRESS調べ(2024年7月掲載)

政令市では神戸市が唯一下落。理由は人口流出?

近畿圏(大阪府、兵庫県、京都府)では、4~6月の掲載賃料はどの月も前月比100%台と横ばい傾向。しかし6月の掲載賃料は大阪市が11万9,540円で前年比114.1%(1万4,804円アップ)、京都市が9万6,227円で同109.0%(7,942円アップ)と、都心の賃料水準は首都圏と同様に上昇していることがわかります。

シングルは踊り場、ファミリーは下落へ。首都圏賃料の最新動向をピックアップ2

三大都市圏の政令市では神戸市だけが唯一、前年同月比99.1%と掲載賃料が上昇しませんでした。神戸市は2023年の転出超過数が政令市で最も多かったことから、人口の流出による賃貸需要の低下が影響しているのでは、と同調査では分析しています。

地方4市(札幌市、仙台市、広島市、福岡市)では、広島市のみ前年から掲載賃料が下落(前年比96.8%)。広島市の転出超過数は政令市では神戸市に次ぐ2位ということで、やはり人口流出が賃料相場の上昇を抑制していると思われます。

中古売買市場は都心と郊外で需要の二極化が進む?

売買の価格動向は賃貸物件の需要に影響を与えるため、中古物件の掲載価格も見てみましょう。

シングルは踊り場、ファミリーは下落へ。首都圏賃料の最新動向をピックアップ2

LIFULL HOME'S PRESS調べ(2024年7月掲載)

ファミリー向き中古マンションの6月の掲載価格は、首都圏全体では3,985万円で前年比95.4%となっています。

しかし東京23区では6,438万円で前年比105.9%。同様に近畿圏全体では2,649万円で前年比97.8%ですが大阪市では3,612万円で前年比105.3%。都心の価格上昇が進んでいることがわかります。

首都圏の中古一戸建ての掲載価格は、2024年6月が3,564万円で前年比95.4%。中古マンションと同様、前年より下落傾向にあります。東京都でも掲載価格は前年比95.0%と下落傾向にあるものの、反響価格は同107.8%と上昇。特に城西エリア(前年比132.2%)と城南エリア(前年比123.6%)で大きく伸びており、都心部の需要は高まっています。

シングルは踊り場、ファミリーは下落へ。首都圏賃料の最新動向をピックアップ2

LIFULL HOME'S PRESS調べ(2024年7月掲載)

ただし、神奈川県、埼玉県、千葉県では横ばいもしくは下落傾向。掲載価格と反響価格の差異を表す乖離率が、中古マンション・中古戸建てともに都市部では小さく郊外では大きい傾向にあることから、資産性や交通利便性を求めて需要の二極化が進むのでは、としています。

※この記事は2024年8月5日時点の情報をもとに作成しています

記事・文/石垣 光子

ライタープロフィール
石垣 光子(いしがき・みつこ)
情報誌制作会社に10年勤務。学校、住宅、結婚分野の広告ディレクターを経てフリーランスに。ハウスメーカー、リフォーム会社の実例取材・執筆のほか、リノベーションやインテリアに関するコラム、商店街など街おこし関連のパンフレットの編集・執筆を手がけている。

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