のこす側とのこされる側、財産管理の意識はどう違う?最新調査から読み解く双方の事情

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公開日:2024年9月18日
更新日:2024年9月19日
のこす側とのこされる側、財産管理の意識はどう違う?最新調査から読み解く双方の事情1

仲の良い親子や親族間であっても、老後の財産管理や相続についての話はなかなかしづらいものです。そのまま時間だけが経ってしまい、いざそのときに後悔する…そうならないように、少しでもお互いの思惑を知っておくことが大切です。のこす側とのこされる側、それぞれを対象にした意識調査の結果を見てみましょう。

老後の財産管理について話し合ったことがない人が7割超

まずは全国50代~70代の男女を対象に「老後の不安」について調べた結果から見ていきます。

のこす側とのこされる側、財産管理の意識はどう違う?最新調査から読み解く双方の事情2

「終活において、準備しておきたいことを教えてください」と質問したところ、複数回答で1位になったのは「身辺整理(61.4%)」でした。6割の人が終活として、財産の整理だけでなく、身の回りの不用品や人間関係について整理し、のこされた家族が困らないようにしたいと考えています。

2位以下は「特にない(30.1%)」「相続税対策(21.4%)」「お墓や葬儀の手配(19.7%)」「エンディングノートの作成(18.9%)」「遺言書の作成(16.7%)」「その他(0.5%)」が続きました。

老後の財産管理については、71.8%の人が家族や親族と話し合ったことはないと回答。年代別では50代が75.1%、60代が72.9%、70代が63.2%と、年代が上がるにつれて話し合う割合は増えています。しかし「定期的に話し合っている」という人は全体のわずか3.9%にとどまりました。

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4割が話しづらいと感じる一方で約半数が話し合いを希望

のこす側とのこされる側、財産管理の意識はどう違う?最新調査から読み解く双方の事情2

老後の財産管理について家族や親族と話し合わない理由を聞いたところ、「家族や親族との仲は良いが、財産の話はしづらいため」と回答した人が最も多く、38.5%でした。

「どのように財産管理すればよいか分からないため(32.1%)」「家族や親族との仲が悪いため(8.0%)」という回答が続きますが、「その他」と回答した人も21.4%いました。その具体的な内容は「財産がない」「(話し合うには)まだ早い」「家族がいない」などの回答が挙がっています。

しかしながら、話し合ったことがない人に「今後話し合いたいと思いますか?」と聞いたところ、「はい」と回答した人が53.9%と、約半数は話し合いの意向があるようです。こちらもやはり年代が上がるにつれて「はい」の割合が高くなっており、70代では67.4%にのぼります。

懸念する家族間トラブルは「介護」「亡くなった後の手続き」

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「老後、最も懸念する家族間でのトラブルを教えてください」という質問には「特にない」と回答した人が最多で36.1%。「介護(23.6%)」「亡くなった後の手続き(14.8%)」「認知症(13.0%)」「遺産相続(5.6%)」「財産管理(3.9%)」「住居(3.0%)」が続きます。

介護については負担が誰かに偏ることでトラブルになりやすいため、介護サービスの利用や費用はどうするかについて、元気なうちに家族と話し合っておきましょう。

最後に老後の収入源について、複数回答で聞いたところ「公的年金」が最も多く、84.2%。8割以上の人が年金を頼っているという結果になりました。

以下「自身の金融資産(33.2%)」「私的年金(24.2%)」「投資などの不労所得(17.5%)」「就労による収入(16.9%)」「親など家族の遺産(5.0%)」「生活保護(3.0%)」「子どもなどからの仕送り(0.4%)」が続き、「特にない(10.0%)」と回答した人は1割でした。

少し前に「老後2,000万円問題」が話題になりましたが、自身の金融資産や私的年金による準備をしている人はそれぞれ3割前後にとどまっています。

親の死を経験した97.3%が親との会話は不十分だったと回答

のこす側とのこされる側、財産管理の意識はどう違う?最新調査から読み解く双方の事情2

それでは子ども側はどのように考えているのでしょうか。「みんなの遺品整理」を運営する(株) LIFULL seniorによる意識調査を見てみましょう。対象者はご両親またはどちらかの死を経験した、もしくはご健在の40歳以上の男女です。

まず、親の死を経験した人に「親が生前のうちに十分に話し合えなかった話題」について質問したところ、「特になし」と回答したのはわずか2.7%。「会話が不十分だった話題がある」と感じている人が97.3%もいることになります。

不十分だったと感じる話題の内容については、「家の片付け・遺品整理」が最も多く、44.2%でした。2位以下は「遺産や相続(41.5%)」「老後の医療・介護ケア(38.5%)」「親の老後の資金計画(36.5%)」が続きます。

さらに、親の死に伴い遺品整理を対応した方に「親の家の片付け・遺品整理はどの程度大変だったか」を聞いたところ、「非常に大変だった(34.0%)」「大変だった(40.4%)」を合わせて7割以上の方が大変さを感じていました。

その理由には「肉体的な負担(49.8%)」「感情的な負担(46.5%)」「時間を要した (41.2%)」が上位を占めています。多くの荷物や大きな家具などの処分に苦労した人、故人の持ち物を処分することを躊躇した人など、多くの人が負担を感じたようです。

親が健在な人で遺品整理について話し合えているのは5.8%

のこす側とのこされる側、財産管理の意識はどう違う?最新調査から読み解く双方の事情2

親が健在の方に「”親の今後”について十分に話し合えていると思う話題」について伺ったところ、「特になし」と「健康状態」の2つが最も多く34.5%。「老後の医療・介護ケア」17.4%が続きます。

親の死を経験した方の44.2%が親との話題で不十分だと感じていた「家の片付け・遺品整理」については、親が健在の方ではわずか5.8%。親が健在なうちは優先度が低い話題のようです。

親が健在の方に、親の今後について十分に話せていない理由を聞いたところ「話を切り出すタイミングがわからない(27.3%)」、「具体的に何を話せばよいかわからない(25.9%)」「親が将来の話を避ける(25.6%)」が上位でした。

親の死を経験した方にも、当時十分に話せなかった理由を聞くと「親が話題を避けていた」(30.8%)、「話を切り出すタイミングがわからなかった(29.6%)」に次いで「話す必要性を感じていなかった(28.8%)」が上位という結果に。デリケートな話題に、親・子双方が切り出すのをためらっている状況がうかがえます。

まとめ

子や家族に「財産の話はしづらい」と感じている人が4割もいる一方で、親の死を経験した人のフリーコメントでは「親が急逝したことで何も準備できていなかった」「病気や認知症が進み要望が聞けなかった」という後悔の声が挙がっていました。

家の片付けや遺品整理は、突然の入院などによって急きょ対応しなければならないこともあります。遺言書やエンディングノートとまではいかなくても、財産の所在や契約中の自動継続サービスの有無、もしものときに知らせてほしい人の連絡先などを残しておくようにしましょう。

※この記事は2024年9月17日時点の情報をもとに作成しています

記事・文/石垣 光子

ライタープロフィール
石垣 光子(いしがき・みつこ)
情報誌制作会社に10年勤務。学校、住宅、結婚分野の広告ディレクターを経てフリーランスに。ハウスメーカー、リフォーム会社の実例取材・執筆のほか、リノベーションやインテリアに関するコラム、商店街など街おこし関連のパンフレットの編集・執筆を手がけている。

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