【SUUMO入居者ニーズ】関西圏の賃貸市場動向と対策~オーナーズ・スタイル主催『賃貸経営+相続対策 大家さんフェスタ 』講演録~
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人口減少が社会問題となって久しく、賃貸経営を取り巻く環境は厳しい状況です。しかし、SUUMOに蓄積されたデータから入居者に選ばれるポイントを紐解き、入居率アップに繋げましょう。今回は2019年8月31日(土)に大阪梅田のハービスホールにて開催されたオーナーズ・スタイル主催イベント『賃貸経営+相続対策 大家さんフェスタ in梅田』でのセミナーを講演録としてお届けいたします。
㈱リクルート入社後、「SUUMOリフォーム」シリーズ編集長、SUUMO副編集長を務める。
築浅の次に築31年以上の物件の反響が高い
SUUMOが収集した2019年1~3月のデータから、大阪市の最新賃貸市場を概観しましょう。SUUMO掲載物件の掲載シェアと反響シェア(図表1・2)から築年数に注目すると、入居希望者からの反響が最も高いのは築5年以内の物件で、掲載シェア15%に対し反響シェアは22.7%です。
つまり築5年以内の物件はニーズがあるのに対し、供給が少ないということです。しかし、築31年以上の反響シェアも18.7%で、築5年以内物件の次に問い合わせが多いことも分かります。
築31年以上物件は掲載シェアよりも反響シェアが低いですが、設備導入などで改善の余地は十分にあります。
初期費用が望めない傾向。内見数・店舗訪問数が減少
平均をお話します。反響物件の賃料平均は上昇傾向で、特に2LDKは2010年の8.6万円から2019年の10.1万円と上昇しています。新築賃料が高いのが大阪市の特長ですが、3LDKの新築反響物件も、17.4万円から18.1万円と上昇しています。
一方、敷金なし物件が、2019年では82%にまで増え、平均額も0.88カ月と、敷金を設定しづらい市場状況がわかります。礼金なし物件の割合はあまり変化がなく、2019年時点で35%ですが、金額は1.54カ月と減少しています。
訪問店舗数と物件の見学件数は共に下降しており、インターネットで物件を絞り込んでから店を訪れ、数件見学しただけで契約する入居者が増えています。
また、今年、スマートフォンサイトで物件を検索する人が44.7%と、PCサイト利用者の41.2%を上回りました。PCだけでなく、スマートフォンで所有物件がどのように表示されるか、チェックしておくべきでしょう。
いまは、「礼金・敷金をいただきづらくなっているうえに、内見数が減っている」。そんな状況で、入居者ニーズの高い物件に仕上げることが重要となってきます。