築古ワンルームが劇的進化!差別化デザインリノベ術
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人気物件のデザインのポイントをチェック!
では、同社で人気の4物件を取り上げて、差別化デザインの工夫ポイントを具体的に見ていこう。
CASE1 ヴィンテージ感のあるカフェ部屋
ヴィンテージ感のあるカフェ風の部屋に改装し、都会的なライフスタイルを満喫したい入居者のニーズをとらえた事例だ。天井を抜いて梁を現し、内装に足場板の古材を採用。漁船ランプや木製キッチンカウンターでカフェの雰囲気を出している。足場板のようなダメージ感が魅力の中古素材は汚れも味になるので、退去時のメンテナンスの必要性が少なく、先々のコストが抑えられる利点もある。
・物件名/「iCafe 019 余丁町」 ・所在地/新宿区余丁町 ・構造/鉄筋コンクリート造(8 階建の6 階部分) ・築年/ 1984 年 ・リノベーション年/ 2015年 ・専有面積、バルコニー面積/35.04m²、5.7m² ・賃料/12 万7000 円 ・管理費/ 9000 円
CASE2 大きなキッチンが主役の部屋
閑静な住宅街の管理の行き届いたワンルームの事例。自宅に友人を招いてお酒や料理を楽しみたい女性単身者が多いことから、4口コンロの多機能でお洒落なタイル貼りキッチンを主役にしている。椅子を置けばバーカウンターとしても使えるよう、カウンターはワイドに造作。33m²と広めの部屋なので、大型キッチンを据えても住空間に圧迫感が生まれない。
・物件名/「Kitchen 016 西落合」 ・所在地/新宿区西落合 ・構造/鉄筋コンクリート造(5 階建の5 階部分) ・築年/ 1983 年 ・リノベーション年/ 2016年 ・専有面積、バルコニー面積/ 33.09m²、12.42m² ・賃料/ 9 万9000 円 ・管理費/ 8000 円
CASE3 壁一面を本棚&ギャラリーに
公園や美術館があり、古本屋も点在する街「上野」の物件。読書好きの入居者を意識して、「本棚」をコンセプトにデザインしている。蔵書の日焼けを防ぐために、本棚は窓から遠い壁に設置。壁一面の本棚は知的なインテリアとしても機能する。一方、窓際には8階の眺望の良さを生かしてベンチ風のカウンターを造り付け、腰掛けて読書ができるスペースに。
・物件名/「Hondana 017 上野」 ・所在地/台東区東上野 ・構造/鉄筋コンクリート造(9 階建の8 階部分) ・築年/ 1992 年 ・リノベーション年/ 2016 年 ・専有面積、バルコニー面積/ 30.29m²、11.91m² ・賃料/ 10 万5000 円 ・管理費/ 1 万円
CASE4 海外ホテルのような上質空間
雷門に近い浅草のワンルーム。ホテルをイメージした落ち着きのある演出が特長だ。34m²と広いので、キッチン+居室スペースで13畳大を確保。石タイル貼りのフロアから一段高くして、フローリングの寝室スペースを設けている。木とタイルで緩やかに生活スペースをゾーニングした上質な空間は、まさに海外のホテルのよう。二人暮らしのニーズにもマッチする。
・物件名/「Organic 008 浅草雷門」 ・所在地/台東区寿 ・構造/鉄骨鉄筋コンクリート造(11 階建の4 階部分) ・築年/ 1996 年 ・リノベーション年/
2014 年 ・専有面積、バルコニー面積/ 34.65m²、5.33m² ・賃料/ 11 万9000 円 ・管理費/ 9000 円
このように、4つの人気物件はいずれもコンセプトが明確で、他に2つとない部屋となっている。入居者を想定してテーマを決め、ここにしかない暮らしを提案できるデザインリノベーションで、魅力的な差別化を図りたい。
※この記事内のデータ、数値などに関しては2017年9月5日時点の情報です。
取材・文/菱沼 晶 人物撮影/阿部 栄一郎