借り上げ(サブリース)で成功するために 契約に潜むリスクを知る!|編集長ブログ
こんにちは。大家さんのための賃貸経営マガジン「オーナーズ・スタイル」の統括編集長の上田です。今回は「サブリース」の問題点やリスクについて解説していきます。
契約する前に知っておきたい「借り上げ(サブリース)」の注意点
安定した賃貸経営の手段として、利用を選択するオーナーさんが増えているといわれる「借り上げ(サブリース)」。賃貸経営にかかわる様々な仕事や気苦労からオーナーさんを解放してくれる、大変便利なサービスです。
ですが、一方で、多くの事例ではないにしても、「この契約を結んで後悔している・・・」と、するオーナーさんが、少なからずいらっしゃることも事実なのです。借り上げ(サブリース)に生じている問題点やリスクについて、主に契約のかたち・契約内容に起因することを中心に、以下に挙げてみましょう。
通常は「新築・一棟」での契約です
一部の管理会社の場合を除いて、通常、借り上げ(サブリース)契約の対象となるのは、新築物件です。
その理由は、第一に収益性。物件が古くなれば、多くの場合、賃料は下がり、入居率も低下しがちとなる一方で、修繕の手間などが増えてきます。つまり、収益性が下がります。管理会社にとっては、儲からず、かつリスクを含む可能性が高い物件となるわけです。
同様に、たとえ新築であっても、立地や設備に難点をもつ物件の場合、やはり収益性が問題となります。古い物件同様、契約をしてもらえないことがあるわけです。
ほかにも、管理会社は、物件が新築ではない場合、既に入居している人の中に不良入居者がいる可能性や物件に隠れた瑕疵が存在する可能性、これらをリスクとして警戒します。「自社が責任を持って管理していける物件か?」管理会社側としては判断がつきにくい、ということです。
さらには、借り上げ(サブリース)では、一棟まるごとでの契約が結ばれる場合がほとんどです。通常、一室単位では契約してもらえません。空室発生時の減収リスクが大きく、管理の効率もよくないことが、その理由です。
借り上げ賃料があとから大幅に下げられる・・・!?
借り上げ賃料の見直しは、一般的には2年ごとの契約更新時に行われます。
「30年一括借り上げ」などの長期契約・保証を謳う場合でも、「賃料は2年ごとに見直しする」あるいは、「10年目に見直し・それ以降は2年ごとに」など、契約書にはしっかりと明記がされているはずです。こうした賃料見直しの際、予想外に大幅な値下げを要求され、オーナーさんが当惑するケースが、実は、たびたび見られるのです。
なぜならば、管理会社にとって、空室が出にくく、収益性が高いのは新築後の2~4年程度まで。そこを過ぎると大抵は入居者の獲得が難しくなっていき、物件の維持費などもかさんできます。
賃貸経営がどんどん厳しくなるため、管理会社側としては、「借り上げ賃料を大幅に切り下げてほしい。了承してもらえないなら解約を・・・!」と、迫らざるをえないことにもなるわけです。
なお、こうしたことが起こる背景としてありがちなのが、「契約当初の借り上げ賃料が、そもそも高すぎた」と、いうケース。なんとか契約をとりたいがため、管理会社が無理な金額を提示していた場合などに、以上のようなことが起こりやすいようです。
賃貸経営の難度が上がる10年過ぎで、サヨウナラ?
借り上げ(サブリース)契約においては、契約期間は「新築後10年」と定められている場合が多いようです。ところが、築10年目といえば、新築物件との競争が苦しくなるなど、賃貸経営の将来に不安が感じられ出す頃でもあるのです。
そのため、オーナーさんにとってはまさに、「これからがプロに借り上げてほしい時期・・・」なのですが、同様に、管理会社も、この時期以降を不安と見ているのです。
そのため管理会社によっては、オーナーさんへ借上げ賃料の大幅減額を要求する程度では済まず・・・
「契約期間は満了しました。更新はありません。以上をもってサヨウナラ!」そんな予期せぬことが起こるなどします。
■修繕や設備の交換・・・大抵は「オーナー負担」です
ほとんどの借り上げ(サブリース)契約において、エアコンや給湯器など、設備のメンテナンスや交換費用については、「オーナーさんが負担する」と、定められています。
「楽々賃貸経営を実現してくれるサービスなのだから、きっとその辺も管理会社が負担を・・・」などと、思い込みで勘違いをされないよう、くれぐれもご注意を!
■原状回復時の出費にもご注意!
上記同様です。入居者が退去したのちの原状回復費用のうち、入居者負担分となったものを除いた、経年劣化部分の修繕費などについても、「オーナーさんの負担」と、定められている場合が一般的です。