現役大家さん458名に聞いた!コロナ禍で賃貸経営にどんな影響を受けた?

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公開日:2020年6月2日
更新日:2022年11月29日
現役大家さん458名に聞いた!コロナ禍で賃貸経営にどんな影響を受けた?1

昨今のコロナ禍で賃貸経営にはどのような影響があったのでしょうか?「入居者から依頼されたこと」や「入居者から一番多かった相談事」など、オーナーズ・スタイルでは現役大家さんにアンケートを実施し、新型コロナ感染拡大が与えている影響について調査しました。ぜひ参考にしてみてください。

調査方法

  1. 【調査期間】2020年5月14日(木)~5月24日(日)
  2. 【対象者】賃貸経営情報誌「オーナーズ・スタイル」のメールマガジン読者。すべて大家さんで主に賃貸住宅を所有し賃貸している人
  3. 【調査方法】メールマガジン読者5548人へアンケートを配信
  4. 【有効回答者数】458人

アンケート集計結果の概要

大家さんはやさしい!?入居者からの減免要請を6割の大家さんが受諾。入居者に助成金制度を紹介するケースも多数

新型コロナウイルス感染拡大のため、2020年5月後半の時点で、約3割の大家さんが家賃の減免・猶予、もしくは退去などの影響を受けています。戸数では計2860戸のうち177戸で全体の6.2%。

大家さんが受けている入居者からの要請では、家賃の減免48.5%、退去35.1%、家賃の支払い猶予25.4%などがあります。

それらの要請を、部分的であっても受諾した大家さんは62.0%と多く、受諾しなかった大家さんは20.7%と少ないです。また受諾しなかった大家さんの半分以上が住宅確保給付金などの支援制度の申請を入居者に勧めています。

アンケート回答時点で影響のなかった大家さんのうち25.7%が今後は影響が出ると考えています。

いま大家さんが抱えている主な心配事は、空室の長期化、家賃の下落、家賃の減免要請があった際にどう判断すべきかなど。そして、多くの大家さんが減免・猶予など国の支援策を期待しています。

30.3%の大家さんが、新型コロナウイルス感染拡大の影響あり

Q1:コロナの影響でご自身の物件の入居者やテナントから、家賃の滞納や、交渉・相談、もしくは退去の通告などが発生していますか?
現役大家さん458名に聞いた!コロナ禍で賃貸経営にどんな影響を受けた?2

有効回答数:458

30.3%の大家さんが、新型コロナウイルス感染拡大の影響があったと回答。家賃の滞納や、減免・遅延の相談、もしくは退去の通告などが発生しています。

所有物件2860戸のうちの177戸(6.2%)に、家賃滞納などが発生

Q2:家賃の滞納や、減免・遅延の相談、もしくは退去の通告などが「あった」と答えた方にお聞きします。何戸中、何戸ですか?
現役大家さん458名に聞いた!コロナ禍で賃貸経営にどんな影響を受けた?2

有効回答数:100

影響のあった大家さん達の所有物件計2860戸のうちの177戸(6.2%)に、家賃の滞納や、減免・遅延の相談、もしくは退去の通告などが発生しました。

家賃滞納などが発生したのは4月の家賃から(45.5%)が最も多い

Q3:家賃の滞納や、減免・遅延の相談、もしくは退去の通告などが「あった」と答えた方にお聞きします。それは何月分の家賃からですか?(いくつでも)
現役大家さん458名に聞いた!コロナ禍で賃貸経営にどんな影響を受けた?2

有効回答者数:134

家賃の滞納や、減免・遅延の相談、もしくは退去の通告などが発生したのは4月分の家賃からが最も多く45.5%、次いで5月分からが33.6%、6月分からが22.4%となっています。

入居者からの要請で最も多いのは、家賃の減額(48.5%)

Q4:家賃の滞納や、減免・遅延の相談、もしくは退去の通告などが「あった」と答えた方にお聞きします。交渉・相談・通告などの内容について教えてください。(いくつでも) 
現役大家さん458名に聞いた!コロナ禍で賃貸経営にどんな影響を受けた?2

有効回答者数:134

入居者からの要請や通告の内容で最も多いのは、家賃の減額で48.5%、次いで退去の通告(35.1%)、 家賃支払い猶予(25.4%)、家賃の滞納・未払い(15.7%)となっています。

入居者からの要請を受諾した大家さんは62.0%

Q5:家賃の滞納や、交渉・相談、もしくは退去の通告などが「あった」と答えた方にお聞きします。それらへどう対応されたかを教えてください。
現役大家さん458名に聞いた!コロナ禍で賃貸経営にどんな影響を受けた?2

有効回答者数:122

入居者からの要請や通告に対して、要請を受諾した大家さんは62.0%、受諾しなかった大家さんは20.7%でした。受諾しなかった大家の半分以上が家賃補助や住居確保給付金の申請を入居者に勧めていました。

今後は影響が出るだろうと思っている大家さんは25.7%

Q6:「今のところ影響はない」と答えた方にお聞きします。今後、コロナの影響でご自身の物件の入居者やテナントから、家賃の未払いや交渉・相談、もしくは退去などが発生すると思いますか?
現役大家さん458名に聞いた!コロナ禍で賃貸経営にどんな影響を受けた?2

今までコロナ禍の影響がなかった大家さんでも、25.7%の方が今後は影響が出るだろうと思っています。

困っていることや心配事の第1位は「空室の長期化(38.1%)」

Q7:新型コロナウイルスの影響でいま困っていることや、将来への不安、誰かに相談したいことがあれば、教えてください。(いくつでも)
現役大家さん458名に聞いた!コロナ禍で賃貸経営にどんな影響を受けた?2

有効回答者数:433

困っていることや心配事で最も多い「空室の長期化(38.1%)」「家賃の下落(35.6%)」「滞納の増加(34.4%)」以外に「賃料の減免・猶予をすべきか否かの判断」「その際の注意点」「賃料の減免・猶予をした大家への国の支援策」などもあります。

Q5への主なフリーコメント

家賃の滞納や、交渉・相談、もしくは退去の通告などが「あった」大家さんはどう対応した?

「要請を受諾した」大家さんのコメント

やむを得ず了解しました
全面的な協力を約束
少々遅れても良いと返事
6カ月間のみ約3割値引きをしました
免除要請、減額要請は断った。延納には応じる旨の回答をした
個別の事情を聴いて、個々に期限を設けて支払猶予に応じた
期間を決めて減額ないし、前月払いを当月払いとした
早期退去のため、違約金が発生する契約になっているが、違約金と敷金を相殺してもいいと、回答した
4・5月の賃料を半額、6~8月の3カ月分は敷金充当。その後再度6月分減額要請来たが、何となく言いやすいオーナーへ要請している感じがしたので、断った
店舗休業期間を勘案して賃料半額を2カ月間
4月からの新大学生だったので、3カ月30%の減額を受け入れました
中国からの留学生ですが、日本に来れる日も学校の再開も未定のため、解約してはどうか?と返事しました。解約なら2カ月前に告知との契約ですが、5月末の解約もOKしました
外国人留学生で日本に戻って来られない。日本に戻ってくるまで家賃支払い猶予とした
不動産管理会社に相談してもオーナー次第と言われて2割の減額に応じました
家賃滞納がなかったので、速やかに減額に応じる対応をした
家賃支払いの猶予は了承、減額については入居者一律30%減額を6月実施
家賃の減額ではなく、収入が戻るまで家賃の支払を停止するようにした
とりあえず支払いの猶予をして補助金が貰えるのを待つ
理美容関係だったので、影響を考慮して希望通り3カ月間半額にしました
家賃の20%の減額に応じました
4~5月賃料を半額に減額。6~8月賃料は敷金充当の合意書交わすが、5月中旬に再度減額要請。しかしさすがに断った
家賃の支払いは猶予したまま払える時に払っていただく旨を書面で取り交した
通常の賃貸借契約から定期借家契約へ変更し、家賃を減額した
家賃の支払いが遅れることを了承
猶予までなら検討の余地あり、と回答

 

「検討中、相談中」の大家さんのコメント

交渉中
検討中
不動産会社に相談中
管理会社・保証会社へ相談するように回答した
本人より家賃補助申請するので待ってほしいと言われました。待っている状態です

 

「受諾せずに助成金申請等を勧めた」大家さんのコメント

政府の家賃補助申請に相談してもらう
市の住居確保給付金の受付先を教えて申請するよう促した
住宅確保給付金の活用の提案をして申告して貰った
住居給付制度の利用を勧めた
公的家賃補助金のご案内を入居者様にしました
減額や猶予は受け入れず、行政の支援施策を紹介した
当方も支払いのやりくりがあるため、減額には応じられない。(法人事業者だったので)事業者向けの補助金制度があるので申請を行って欲しい、と伝えた
私の提案として、預かり敷金を家賃の半額分を2カ月間充当しましょうかと言ったら、借主が敷金は扱いたくないと言うので、私は減額だけでは無理ですと答え、市の住居確保給付金の受付先を教えて申請するよう促した
管理会社にまずは個人が対応できる社会福祉協議会の融資等を案内してもらうように伝えた

 

Q7への主なフリーコメント

新型コロナウイルスの影響で困っていることや、将来への不安、誰かに相談したいことは?

「家賃の減免や猶予についての不安」に関する大家さんのコメント

定期借家契約に変えたほうがいいのか?退去させたほうがいいのか?
念書などを作成すべきかどうか
賃料減額に際する覚書の締結など
賃料の減額依頼があった時の対応がわからないので不安です。
今のところ入居者から相談・滞納等はないが、もし相談があったらどう対応すべきかわからない
家賃の減免猶予で基準があると良い。個別の大家と入居人の交渉に委ねると混乱が生じると思う
1戸だけ減額してもいいのか、いつまで待てばいいのか
支払い能力の見極めが難しい
賃料の減免・猶予を承認するに際して、判断材料とするためには「賃借人のプライバシー」に踏み込む櫃があります。果たしてどこまでそれがどこまでできるか・・・・
減免があった場合期間をいつまでするか?
もし減免・猶予の依頼があった場合にどう対応すればよいかを知識としては持っておきたい
マスコミでは居酒屋オーナーが家賃が払えずなど言う事で、大家が悪いような印象も拡散されている。また、大手テナントは、個人や零細企業の大家に対し、コロナに乗じて賃料そのものの減額を、脅しではないがきつく要請しているとの話も聞くし実際当社へも同じように売り上げ悪いから更なる減額を要請しに来ている
質の悪い業者の場合、コロナに乗じ賃料そのものを減額してくるので注意
収入が減り、経営が立ちいかなくなるため、猶予はできるが安易に減免することができない
家賃の引き下げ要請があるとローン返済が厳しくなる
家賃支払い猶予してあげたいが、保証会社との兼ね合いもあり、どうすべきか分からない
入居者全員に家賃の一部をキャッシュバックしましたが確定申告でどう申告すればよいか、またキャッシュバックと家賃値引きとで何かかわるのか知りたいです

 

「今後の不動産市況」に関する大家さんのコメント

家賃の相場が下がるのでは?
不動産価値が下落しないようにするにはどうするか?
未曾有の不況が訪れそうで恐怖感がある
失業や在宅、テレワーク等による転居や失踪が起こるか心配です
コロナで土地の相場が下落するのが心配
固定資産税評価額待ったなし。どうなるのか
不動産価格は2021,2022年に10~20%程度は下落するでしょう。自己資金があれば買い時になると思います
景気が悪くなり、家賃がさがるのではないか
長期的には、東京一極集中の傾向が小さくなるのでしょうか、その場合の不動産価格と賃料の下落が心配です
今後不動産価格がどう変化するか
事業系の収益物件もですが、民泊が壊滅的なのでレジデンス系の収益不動産も価格下落が心配です
年内売却を想定していた物件について、この状況だと良い条件での売却が難しそうなので、仕切り直しの予定
新たに買った土地に今建てるべきかどうか迷っている
保証会社の体力が心配

 

「大家への国の支援策を期待」する大家さんのコメント

政府の対応が遅いので 減額してからテナントの助成が決まったので損した気分です
借主に対する国の支援は検討されているが、貸主に対しては国、地方自治体ともに何も言っていない。家賃収入で生活している貸主がいることを忘れないでほしい
テナント賃料の減額要請が公から出されたからには要請と補助はセットだと考える
賃料の減免・猶予のポイント・タイミング。又国からの支援策
店子には保障があるので大家にはないのか
家賃を滞納された場合の国からの救済策が分からない
大家への国の支援策はほとんどないので、入居者の方を支援頂き家賃は普段通りの金額を頂きたいです
減免の要請があった場合の大家への支援策が知りたいですね
減免・猶予について、100%国の支援が見込まれなければ、減免・猶予(特に減免)は難しいと思われます
固定資産税やマンションローン等大家側への施策無しに賃料支払猶予や減額の情報が散見されるのは困ります
困っている大家へも支援を国がしっかり行い、それが周知されることを期待する
大家向けの補助金、税制優遇が知りたい
家賃補助の法案が国会を通過した際に対応の方法を担保する必要がある
補填される制度があるならその内容を知りたい
補助金も出てるのでなんとかなりそう
大家への支援策を知りたい
賃料減額の補填策は政府で検討中の様だが、条件面でどこまで貰えるのか不安
大家にも支払いがある。ローンの猶予が欲しい
減免や猶予した場合の税務の特別な時限措置が今後あるのか知りたい
国は大家への支援をお願い致します
失業したりで減免などの要求があったら受けてあげたいが 国の支援策があるのかどうか知りたい
来月6月の固定資産税の支払が高額なので大変辛い。今年の固定資産税免除を御社から発信して欲しい。固定資産税は、1年間の家賃で約1カ月分に相当するかと思いますので、大家に取って本当に辛い税金である。政府へ是非、御社から働きかけて下さい。宜しくお願い申し上げます
持続化給付金では法人の場合に家賃の減額はj助成の対象だが、個人の場合は対象外。制度としてどうなのか?変では?
減免分を補填してほしい

 

「空室」に関する大家さんのコメント

空室問い合わせの動きが非常に悪い
内覧者が全くない
3月末に仕事の都合で2件退去されたが、コロナの影響で物件を見に来るお客様がいない
内見のキャンセル等が多い
3月に新型コロナの影響で退去した空室ではないが、物件を見に来こられる人が少なく中々決まらない
今解約されても次の入居者がいるかどうか不安
四月退去の部屋が空室になっており、埋まらない。このままだと、賃料を下げて募集しないといけないかもしれない
コロナによる退去後、入居者がずっと決まらない
単身用の物件は空室が長引きそうな気配がする
現在の家賃を見直すかの判断
契約期間の節目である3月に、入居者が失業や 勤め先の不振を理由に退去が相次いだ。 問題は人の移動が減っているので退去した後 誰も入らないということで本来であればすぐに埋まるところが5月になっても全く入らない
2月からの空室が、普段は埋まるのに、いまだに決まらない
個人保有物件の新規募集が、仲介会社の業務活動量低下の影響で進展せず
現在、新しいアパートを建築中で完成したのちの客付けが心配

 

依然として感染リスクは残り、大変な状況が続いております。一方で新しい生活様式の中で、今までにはなかったサービスなども生まれております。弊社としましても、新しいサービスを取り入れながら、十分な感染防止対策を講じて、これまで以上に大家さんにとって役立つ情報の提供に努める所存であります。

大家さんにおかれましてもどうか引き続き、お身体に十分ご注意いただきますよう、皆さまのご健康と一日も早い感染の終息を、心よりお祈り申し上げます。

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